2016年3月21日月曜日

The Body & Kreig/The Body & Kreig

アメリカはオレゴン州ポートランドのスラッジメタルバンドとニュージャージー州サマーズポイントのブラックメタルバンドのコラボレーションアルバム。
2015年にAt a Loss Recordingsからリリースされた。
なんともいえないジャケットが不安を煽ってくる。デジタル版を購入。
来日経験もあるThe Bodyだが今のところなぜだかコラボアルバムばっかり買っている。

The BodyもKreigも90年代に結成されたバンドで、調べてみたら距離的には近そう(広大なアメリカなんで実際のところには分からないんだけど)なので音楽性は違えどもそういうところでコラボの話が出たのかもしれない。とはいえ私はKreigの音を聞くのはこの音源が初めてなんだ。何曲か視聴してみた限りはブリザードの様なトレモロが印象的な正統ブラックメタルっぽい印象。この音源の音楽性はかなりスラッジ成分が強めなのでThe Bodyの音楽性をKreigが倍加させている様な、そんな体制なのかもしれない。
ブラックメタルも色んな音楽をならすバンドが多いが、一つにノイズへの接近があると思う。元々あまりよろしくない音質がその特徴だったりしたのでそこからノイズへの接近の因子があったのかもしれぬ。この音源ではそのノイズの成分がスラッジとブラックメタルをガッチリ結びつけているようだ。
他のコラボ音源でもそうだったが、スラッジの中でもとにかく一撃がひたすら重い、つまり全体的にぶっといリズム、というかドラムの一撃が中心に据えられている様なThe Bodyの楽曲の上にハーシュなノイズがおっかぶさったもので、勿論実際には入念にそのバランスを調整しているのだろうが、素人の耳にはスラッジとノイズを100対100でそのまま垂れ流しているように感じる。要するにクソ五月蝿い。私はIndian(惜しくも解散した…)もそうだが、この単純に暴力的で頭のよろしくない力業の様な足し算式の音楽性に非常に魅力を感じるので、このコラボは非常にそういった意味で楽しめる。
キャーキャー騒ぐ高音ボーカルとうめくような低音ボーカルが遠慮せずに騒ぎ立てる様はさしもの聖徳太子ですら一人ずつしゃべれ!と激怒するレベル。
例えば5曲目の荘厳なシンセによるイントロは間違いなくブラックメタルを彷彿とさせる陰鬱さで、スラッジ成分を押さえてノイズを全面に押し出し、ミニマリズムを持って乗ったり進様はなるほど、両者がよくよく溶け合ったコラボレーション具合ではなかろうか。

悪意がタールのように凝り固まった悪臭紛々たる音楽性で、澱の様な煮こごりが病み付きになったマニアの貴方は是非どうぞ。聴いていると爆音で耳の先の脳が溶けていくようで快感です!

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