2016年3月6日日曜日

Subheim/Foray

ドイツはベルリン在住のアーティストの3rdアルバム。
2015年にDenovali Recordsからリリースされた。
Kostas Kなる人物によるユニットで私は1stアルバム「Approach」を持っていて結構よく聴いている。ジャンル的にはアンビエントになるのだろう。基本的に電子音を主体とした曲作りなのだろうけど、アコースティックな生音をのせてくるのが特徴で静謐ながらも感情的な曲を作るアーティストだと思う。私はiTunesでデジタル版を購入。

間の2ndアルバム「No Land Called Home」を聴いていないので何とも言えないのだが全体的な方針は変わっておらず。ただ今回はドローン的なアプローチが増している分1stとは少し違うかなと思う。かっちりさが抜けてより模糊としたイメージで、全体的には拡散しているというか漏れだしているというか。
割とカッチリしたビードを土台にしいて、そこに低音気味のドローンがゆったり侵入してくる。そのうえに生音をかぶせてくる、というのが基本的なスタイル。相変わらず生音の使い方は堂に入ったもので、作る楽曲は暗くて音の数も少ないものの、血の通った有機的なもの。曲によってはビートが規則性を発生させている事もあり、思ったほど敷居は高くないが、メロディ性は希薄。うわものにしてもでてくるのはフレーズくらいなので何ともとらえどころがないのだが、冷たくも暗い中に独特の暖かみがあって癖になるタイプ。(多分)フィールドレコーディングで録音した環境音を導入していたりして、スナップに音をのせた様な趣があるかもしれない。冗舌ではないが音像は豊か。全体的にしっとりとしていて雨の様なイメージ。今回は結構人の声をサンプリングした様な使い方が特徴的で、特に3曲目の表題作は加工の仕方で何となく歌っているようにすら聴こえる。
ピアノの使い方が個人的にはとても上手く、なので4曲目や9曲目は個人的にはとても良い。また8曲目は中音〜低音のしっとり湿った霧の様なドローンの上にホーンが入るという、Kilimanjaro Darkjazz Enesembleに共通点を見いだして一人でテンションあがってしまう。

たまには静かなのが聴きたい人は是非どうぞ。難解というのではなくただひっそりとしているという意味で思ったよりフレンドリーなヤツだなという感じでオススメです。

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