2018年9月23日日曜日

Palm/TO LIVE IS TO DIE,TO DIE IS TO LIVE

日本は大阪のハードコアバンドの3rdアルバム。
2018年にDeliver B Recordsからリリースされた。
活動拠点は大阪なのだが活動は活発で関東圏でも結構よくライブを行なっている印象。何回か目にしたライブではどこもマイクの奪い合いが起こるほどの盛り上がりで、熱い楽曲だけではなくてバンド側からどんどん盛り上げて行く姿勢が非常に印象的だった。(結構珍しいのではなかろうか。)4人編成だがメンバーは流動的なようで今作でも録音したベーシストは多分今在籍していないようだ。

メンバーの変遷はあっても音楽的な嗜好は普遍。コンセプトがしっかりしているのだろう。異常に忙しない他動的なハードコアだ。ただ不安定なところがなく変幻自在な曲をぶっとい芯が貫いているようでもある。Follow-upのインタビューを読むと初めはハードコアというよりはメタルバンドとしてスタートしたそうだ。確かに随所はかなりメタリックである。ツーバスはかなりがっちり正確でぎっちり詰まった重量感がありメタリックである。ギターに関してもかなりの技巧が冴えているリフが印象的でサラサラーと流れるというよりはリフ自体にフックがあって思ったより直接的ではない。この手のバンドには珍しいだろうギターソロも曲によっては存在する。音色も豊かである。このままだとパートごとの重量感に引きづられて曲もそれなりに重たくなってしまうのだろうが、このバンドはここから良い感じに音を抜いていて、またメタリックな奏法をパーツ的に取り扱うことで
メタリックといっても単音リフに代表されるミリタント的なマニアックさからはあえて距離を置いて、全体的にカラッと仕上げているところが特徴で何よりそういうところがフロアでもうけているのだろうと思う。モッシュするもの腕や脚を振り回すものも発生するのだが、バッチリタフガイオンリーです的な敷居の高さというより、体が動いちゃうやつ全員で暴れようぜ的なポジティブさが感じられた。ここら辺は音楽性というか関西的なノリもあるのかな?と個人的には思う。(私は思うんだけど関西人ってその人が面白いというよりは他人を喜ばせようという人ってイメージ。)
落とすところではバッチリ落としてくるんだけど、それすらもあっという間にすっ飛ばしていくような勢いが爽快。曲は上記の通りよく練りこまれているのだが、このバンド何が面白いかというと頓着というか拘泥がない。刹那的というか生き急いでいるというか、今があっという間に過去になる過程を曲にしているように常に今を更新し続ける。インタビューを読むとそれまでは英語で書いていた歌詞を試しに日本語で書いてみたらしっくり来たと書いてあって、その歌詞を読んでみるとなかなかヘイトに満ちた危険なものなのだが、これもネチネチとしてない。いうこと言って次に進む感じ。お前はそこにいればいいけど俺らは先に行くから、というようなポジティブさがあってそれがこのバンドの駆動力かと思う。

発狂したメーターのように極端を行き来するようで非常に面白い。ドロドロの高エネルギーを捏ね上げて作り上げたようなロウな質感でそういった意味で混沌としている。タイトルに関しても前作「My Darkest Friends」のラスト「My Battle Could Be Yours, Your Battle Could Be Mine」に通じる逆さまの視点でそういった意味で一貫してぶれてないバンドだと思う。

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