ラベル Palm の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Palm の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年12月16日日曜日

BLOODAXE TOUR -JESUS PIECE JAPAN 2018-

年の瀬にJesus Pieceが来るという。なんせデモとプロモ音源しかリリースしていない状態で非常に話題になったバンドだ。満を持しての1stフル「Only Self」もまさにブルータルで良かった。または種々様々なハードコアバンドのライブ動画を発信しているHate5sixも帯同するという。ミーハーなもんでこれは!とばかりに向かったのは渋谷Garret。結構新しいライブハウスなんじゃなかろうか。かなりきれいで音も良い。最近のライブハウスはステージが横に広いような気がする。これだと単純に劇的になって良いよね。
先週の激務でまさかの昼寝で寝坊してしまい、一番手Blindsideに間に合わず…。

Coffins
東京オールドスクールデスメタルバンド。
MCでも言っていたが今回のラインナップでは異質なバンドで、流れでみるとやはり異彩を放っていた。モダンなハードコアがミュートでザクザク刻んでいくとすると、デスメタルは余韻を引きずるスタイル。重たい一撃がグワングワンする残響を残していく。これが速いバンドならまた話は違うだろうが、Coffinsは相当にDoomなので割合的に一音一音の比重(インパクト)がでかい。デスメタルのリフに極悪ハードコアを見出す動きもあり、結果ハードコアバンドとは別のアプローチでフロアにアクセスするイメージ。
個人的には来年から録音に入るという新曲群がとにかく良かった。キャッチーというと語弊があるかもしれないが、元々Coffinsはドゥームな割には曲の中で変化があるバンドだったと思う。ゆったり(もったり)その姿を変えていく、というスタイルが新曲ではかなり激烈になっていてその強引な感じがまた格好いいのだ。テンポチェンジも露骨でテンション上がってしまう感じ。
「Raw Stench Death Metal」と刻まれたパーカが新作で物販に並んでいてライブ良かったのでこれは!と思っていたのだが、終演後には売り切れていた。みんな考えることは同じみたい。

NUMB
続いては1995年から活動しているNUMB。とても有名だしいろんな場所でライブをやっているが見るのは初めて。
この日どのバンドも素晴らしかったが、一番衝撃を受けたのはNUMBだったと思う。色々なバンドが自分たちをライブバンドと称する。特にこのジャンルではライブがすべて、と言い切るバンドもいたと思う。たしかに音源で聞くのとライブで体感するのはぜんぜん違う。(そもそも使っている感覚が5倍(味覚はなかなか使わないが)になるからライブのほうがすごいのは仕方がない。)でもNUMBみてライブバンドってこういうバンドかと思った。まずは圧倒的なショウ感。これは演劇的という意味ではなくて、全部がつながっているということ。曲の合間にチューニングがてらMCというのではない。曲名をコールするMCが全部計算されていて流れるように曲に移行する。劇的にスムーズでこちらはライブ中にスマホ見ている暇なんてないんだよね。(そもそもライブ中に見ないと思うけど。)途切れないライブで集中させる。でも威圧的な感じが全く、本当にまったくなくてむしろ笑顔が多い。これは衝撃的だった。
曲はモダンにアップデートされているけど、随所にオールドスクールを感じさせるもの。音の作りも数もいい感じに引かれている感じ。ラフ、というのとはちがう。おそらくライブの運びもそうだけど、相当考え研究しているのだろうなと思った。重鎮というのは老獪で力が抜けているなんてとんでもない。むしろ知見をたゆまずアップデートすることなんだなあと感動したけど、ライブ中は何も考えずにただただ楽しかった。

Loyal to the Grave
続いても大変有名なバンド。(1998年結成。Bolodaxeの仕掛け人でもあります。)やはり見たことがなくて楽しみだった。
音楽的にはNUMBと共通項がかなりあるけど、よくよく聴いてみると違いがわかって面白い。まず音の数が多い。また音も重たい。ようするもっとヘヴィだ。こちらもルーツは様々だと思うけど、出音としては明確にニュースクールといった趣。それも硬派なやつ。メロディ性は皆無でほぼほぼグルーヴで引っ張っていくタイプ。ただモッシュに特化したモダンなブルータルさとはまた違う。落とす、というからには高さ(つまり速さ)が必要なわけで、ニュースクールは技術でもってそれらを演出する。ミリタントもそうだけど、ただ単に落とすためのその他ではなくて、落とし所以外も格好いいという。言うのは簡単だけれどそれを実行するのは難しい。それを難なくやってのけるのがこのバンド。とはいえミリタントほど装飾性がない。ドラムの音の抜き方に何かしら格好良さの秘密がありそうな…。
とにかくボーカルの方のMCが良かった。ハードコアはとにかくタフだけど殺伐としているかというと、少なくともライブの雰囲気は違うと思う。暴れるにしてもポジティブなモチベーションがあってそれを体現しているかのような語りがとにかく良かった。

PALM
このラインナップで見るとCoffinsほどではないが結構浮いているなと思ったのがこのPALM。マイクの取り合い合戦も確か始めてみたのがこのバンドだったので恐ろしいハードコアだぜ…と思っていたし、実際そうなのだが、いわゆるUSスタイルのハードコアとは結構趣が異なる。わかりやすいのはドラムで結構バチバチ存在感のあるブラストを入れてくる。突進力は確かに、だからといってトータルでグラインドコアかというとそうではない。ギターに関してもミュートで刻んでくるというよりはデスメタルっぽいトレモロを噛ましてきたり、短いソロを弾いたりもする。ただ音の肉抜きがされていて重苦しいメタルには聞こえない。いわば絶妙なバランス感覚でハードコアの綱渡りをしているようなイメージで、これがまたフロアを沸かせる。いい意味でのごった煮感は今はあまり聞かなくなった「カオティック」を彷彿とさせる。
何回か見たライブではユーモアに富んだMCが印象的だったがこの日は少なめ。ベーシストの外国の方がビザの関係で不在、というくらいの簡潔さ。あとはもうほぼほぼ演奏に振り切っていた。ボーカリストはマイクで体を叩くのだがその「ッゴ」という音がよく考えるとなんとも猟奇的。演奏もあって何するかわからんぞって雰囲気でもやっぱりこの日明らかに尖っていた。

Jesus Piece
いよいよ最後はモダン・ブルータル・ハードコアの雄、合衆国はフィラデルフィア州からやってきた5人組。
出音一発で思った「遅え〜」。地獄は速いのかと聞かれたら遅いんじゃなかろうかと思うのだが、この日はまさに地獄。浮かれているフロアに鉄槌を下すがごとおく容赦がない。フロアに居るみなさんも一発でこれは尋常じゃないな、と思ったのではないでしょうか。ギターがベースかってくらい音が重たい。そして遅い。叩きつけるというかもう押さえつけるくらい。これが良い。豪腕でズンとくるから、押さえつけられた反動でこっちは跳ねるじゃん?というわけで結果的にフロアも更に湧くのだ。わけがわからないがこんな感じ。(まともな人間はハードコアなんて聞かないそうだ。)
これ前編モッシュパートじゃんというくらいのえげつなさだが、耳と体がなれてくるとしかしよく練られた曲に込められた技工がわかってくる。2本いるギターで役割分担があって、片方はもうズンズン刻んでくるのだが、間を縫ってもう一本がかなりですメタリックなリフを奏でたりしている。踊らせるにしてもテンポチェンジはもちろん、結構拍子も変えてきて、3拍子は思った以上にハードコアに合うな!なんて地獄のようなフロアで思ったりもした。ボーカリストもデスメタルバンド顔負けの低音咆哮を見せる。長身でシャツを脱いだ体はとにかくしなやか。音の方もそうで、ハードだけど有機的なしなやかさがある。意外にライブで見るとガッチガチに固めたハードコア、という印象でもなかった。
フルアルバム「Only Self」はもちろん素晴らしいのだけど個人的に一番好きなのはデモの「Lost Control」。まさかと思っていたけど果たしてやってくれてテンション上がった!!横から上から人がどんどん飛んでくるのでじっくりなんて見れたもんではないのだが、これがまさに触覚を使ったライブなのだ。

この日は一番手からフロアが沸きに沸き、それこそ一番手からけが人が出たりもした。hate5sixに日本のハードコアを見せてやろうという気概があってか、演者もそうだしそれに答えるようにオーディエンスも非常に高いテンションで盛り上がっていたと思う。
Jesus Pieceのメンバーは根っからの音楽好きなのだろう。どのバンドでもほぼ最前に陣取り、誰よりもモッシュしていた。特にフロントマンのアーロンはCoffinsのときにすごく楽しそうだった。(Jesus Pieceもはじめはデスメタルやりたいねって集まったらしい。)
良いライブってどんなライブかというとフロアに居る人が笑顔のライブだと思うし、そういう意味では非常に素晴らしいライブでした。
Jesus Pieceはこれからツアーが本番なので迷っている人はこの機会に是非どうぞ。


それとこれは日記なんだけど、やはり私は耳栓が合わないみたい。現在のライブハウスでは耳栓の着用が推奨されている。安いやつを買ってみて好きじゃなかったので、ライブ用のちょっと良いやつを買ってつけてみた。音はちゃんと聞こえる(どの楽器ももバランスよく音を減らしてくれる)のだけど、どうしても迫力が足りない。早々にテンション上がって外してしまった。ある程度つけてれば慣れるんだろうかね〜。

2018年9月23日日曜日

Palm/TO LIVE IS TO DIE,TO DIE IS TO LIVE

日本は大阪のハードコアバンドの3rdアルバム。
2018年にDeliver B Recordsからリリースされた。
活動拠点は大阪なのだが活動は活発で関東圏でも結構よくライブを行なっている印象。何回か目にしたライブではどこもマイクの奪い合いが起こるほどの盛り上がりで、熱い楽曲だけではなくてバンド側からどんどん盛り上げて行く姿勢が非常に印象的だった。(結構珍しいのではなかろうか。)4人編成だがメンバーは流動的なようで今作でも録音したベーシストは多分今在籍していないようだ。

メンバーの変遷はあっても音楽的な嗜好は普遍。コンセプトがしっかりしているのだろう。異常に忙しない他動的なハードコアだ。ただ不安定なところがなく変幻自在な曲をぶっとい芯が貫いているようでもある。Follow-upのインタビューを読むと初めはハードコアというよりはメタルバンドとしてスタートしたそうだ。確かに随所はかなりメタリックである。ツーバスはかなりがっちり正確でぎっちり詰まった重量感がありメタリックである。ギターに関してもかなりの技巧が冴えているリフが印象的でサラサラーと流れるというよりはリフ自体にフックがあって思ったより直接的ではない。この手のバンドには珍しいだろうギターソロも曲によっては存在する。音色も豊かである。このままだとパートごとの重量感に引きづられて曲もそれなりに重たくなってしまうのだろうが、このバンドはここから良い感じに音を抜いていて、またメタリックな奏法をパーツ的に取り扱うことで
メタリックといっても単音リフに代表されるミリタント的なマニアックさからはあえて距離を置いて、全体的にカラッと仕上げているところが特徴で何よりそういうところがフロアでもうけているのだろうと思う。モッシュするもの腕や脚を振り回すものも発生するのだが、バッチリタフガイオンリーです的な敷居の高さというより、体が動いちゃうやつ全員で暴れようぜ的なポジティブさが感じられた。ここら辺は音楽性というか関西的なノリもあるのかな?と個人的には思う。(私は思うんだけど関西人ってその人が面白いというよりは他人を喜ばせようという人ってイメージ。)
落とすところではバッチリ落としてくるんだけど、それすらもあっという間にすっ飛ばしていくような勢いが爽快。曲は上記の通りよく練りこまれているのだが、このバンド何が面白いかというと頓着というか拘泥がない。刹那的というか生き急いでいるというか、今があっという間に過去になる過程を曲にしているように常に今を更新し続ける。インタビューを読むとそれまでは英語で書いていた歌詞を試しに日本語で書いてみたらしっくり来たと書いてあって、その歌詞を読んでみるとなかなかヘイトに満ちた危険なものなのだが、これもネチネチとしてない。いうこと言って次に進む感じ。お前はそこにいればいいけど俺らは先に行くから、というようなポジティブさがあってそれがこのバンドの駆動力かと思う。

発狂したメーターのように極端を行き来するようで非常に面白い。ドロドロの高エネルギーを捏ね上げて作り上げたようなロウな質感でそういった意味で混沌としている。タイトルに関しても前作「My Darkest Friends」のラスト「My Battle Could Be Yours, Your Battle Could Be Mine」に通じる逆さまの視点でそういった意味で一貫してぶれてないバンドだと思う。

2017年2月12日日曜日

RESET/REBUILD@新代田Fever

結構前になんとなしに買ったチケット。買った後で同日にswarrrmのライブがあって「げ〜〜」となったんだけどもちろんチケットを購入したこちらにいくことにした。特にどれがお目当てということでもないくらいの軽い気持ちで遊びに行った。ところがこれがとんでもなく面白かったんだな。
新代田Feverは本当に駅から近い綺麗なライブハウス。物販のスペースも結構広い。フロアも縦横に広くて多分200人くらい入るのかな?開演ちょい前に到着したら既に人が7割がた入っていました。

bilo'u
一番手はbilo'u。バンド名からなんとなくアングラなドゥームかな?とか思っていたのだが、蓋を開けてみたら全然違った。非常にテクニカルなプログレッシブなハードコア(デスコアというのだろうか?)を演奏するバンドだった。5人組のバンドで3人の弦楽隊は全員楽器の位置が高く、ネックが太かったのでおそらく弦の多い楽器を操っているのだろう。とにかく音がよく動く。モダンな作風でMeshuggah(とそこから続くDjentの系譜か)を彷彿とさせる同じ低音をマシーンのようにズガガガと奏でる一方、もう一方のギターがテクデスばりの高温フレーズを弾いていくめまぐるしいスタイル。ウヒョーと思ったが、よく聞いているとThe Dillinger Escape Planにも通じるところがある。向こうはしたいにハードコアにポップさを曲と特に歌に溶け込ませていったが、このバンドはメロディアス性をギターの音に託しているのが違うかな。あとは音の数が多い。結構変わった音(琴みたいな)をSEに使ったりもしている。個人的にはピロピロフレーズより、メロデスみたいにある程度キャッチーな単音を低音に被せていくようなパートの方が好きだな。格好良かったけどボーカルの変態ちっくな高音パートが演奏に埋もれがちだったのがちょっと勿体無いと思った。

Tomy Wealth
続いてはTomy Wealth。この人はちょっと前から企画で名前を目にしていたのだが、一体どんな音楽をやるのかちっともわからない。どうもドラマーの方だという。客の密度がぐっと上がっていたのでおそらくすごい人気がある人なのだろうと思う。
この日はTomyさんがドラム、サポートにベース、キーボード、バイオリンというバンド編成。始まってみるとぶっといドラムビートにずしりベースが入って、その上にキーボードとバイオリンが非常に美麗なフレーズ、メロディを乗せていく。これは人力ブレイクビーツかもしれないと思う。nujabes以降のピアノを使ったエレクトロニカにも通じるところがある。とにかく綺麗でお洒落だ。しかし力が強すぎる。ドラムは流石にメタルとは全く違って音をもっとソリッドに音を作っているけど、やはりブレイクビーツ/インストヒップホップに比べると音が強すぎるし、音の数も多い。(Tomyさんは結構おかずを入れてくる。)聞いている途中に思ったのだが、前述のジャンルの要素もありつつ、ポストロックにも片足を突っ込んでいるのでは?と思った。美麗、お洒落の要素では意識されがちな儚げさはあまりなくて、かなり力強くてライブで見ると高揚感を煽ってくる。ポストロックから頭でっかちな要素を配して、美麗さに特化するとこういう音になるのかもしれない。面白かった。

palm
続いては大阪のハードコアバンドpalm。ConvergeのJacobがアルバムのアートワークを担当したことも有名。ライブを見るのは2回目でその激しさを目にしていたから「これから暴力の始まりだ、グフフ」とかおたくくさいことを考えていたのだが、いざ始まって前より前で見ているとその考えは半分外れていた。カオティックを巻き込んだフックのあるハードコアを演奏するが、曲の速度は速くありつつ暴れられる低音パートを同居させていて直感的に楽しめるハードコアを演奏するバンド。激しい曲もそうだが、ボーカルの高橋さんがその激しいステージアクションでフロアを混沌とさせていく。左右に落ち着きなく動き回る。フロアからそれとわかるくらい勢い強く足を振り下ろす。マイクを頭にぶつける(赤くなっていた)。などなど曲はほとんど全部叫びっぱなし。演奏が始まってすぐにフロアではピットが発声。マイクをフロアに向けると熱心なファンが叫びに飛び込んでくる。高橋さんはおっかないがその顔は笑っている。暴力性というとこのバンドの魅力の半分も伝えられていない。palmの音楽はライブで聴くと伝染性がある。palmの音楽はライブハウスという空間に対する強制的なエネルギーの充填である。過激なパフォーマンスが見ているものに伝染していって客も暴れ出す。エネルギーがどんどん消費されていく。なんかすごいものを「熱い」と例えるのは少なくともこの場ではとてもあっている。熱いものはご存知の通り分子の動きが激しいということだ。ぶつかり合う客は熱さの象徴に他ならない。高橋さんは喋るととっても人懐っこい人で「ありがとうございました!」という言葉が印象的。大人になって思うのはきちんとお礼を言える人は本当にかっこいい。めっちゃ良かった。

Vampillia
続いてはやはり大阪の音楽集団Vampillia。ステージに姿を現さないリーダーのもと、ブラックメタルを基盤とした独自の音楽性を展開している。音楽以外のところでも結構目立つので話題性に富んでいるバンド。ライブを見るのは結構久しぶり。今日はゲストのギタリストを迎えた編成で、全部で10人(ギター3人、ベース、ドラム2人、キーボード、ノイズ、バイオリン、ボーカル)でステージにはほとんど余裕なし。
ベースのミッチーが最初に宣言した通り笑いの要素はほとんどなしでシリアスかつタイトな内容だった。過去のアルバムから結構満遍なく演奏していたと思う。個人的には大好きな「Circle」をモンゴロイドさん一人バージョンでやってくれたのが嬉しかった。ツインドラムが轟音を叩き出し、トリプルギターが絡みつくトレモロリフを奏で、ピアノとバイオリンが別世界のように美しくも胸をかきむしるくらい悲しい音色を奏で、ノイズをまぶした中ボーカルが絶叫スタイル。今回見てわかったのはそれは美への挑戦だ。もともとほとんど楽器を弾けない素人を集めて作ったのがこのVampilliaだという。そんな音楽的なブサイク集団が時に大言を吹きつつも、こんなイマジネーションで作るゲートのような曲を演奏するなんてこんな物語はちょっと痛快である。Vampilliaは美麗な曲を演奏しつつ、醜い自分たちを隠さない(むしろ茶化して前面に押し出したりする)、それは既存の美に対する挑戦だ。モンゴロイドさんの不敵なえみにもその話題性の背後にある強い強い不屈の闘志を感じた。既存の美をぶっ壊して新しい世界を作る、という試み。というよりは企てだろうか。
本日の企画名は「Reset/Rebuild」だ。palmの現状を突破しようとする動き、Vampilliaの新しいものへの渇望めいた推進力を目の当たりにしてこの企画名に対して感嘆の念を感じた。すごい。

kamomekamome
興奮冷めやらぬ私が呆然としているとトリのkamomekamomeが始まる。元ヌンチャクの向さんのバンドで今までで4枚のアルバムをリリースしている。ハードコアをベースにかなりテクニカルな要素を持ち込んだバンドで、さらにそこにメロディアスな日本語ロックの哀愁を持ち込んだオリジナリティを持っている。といっても私は2nd「ルガーシーガル」(回文である)しか持っていない。どんな感じかな?くらいの気持ちだったが、フロアの密度が半端ない。ぎゅうぎゅうだ。演奏が始まり向さんが出てくるとすごい声援。そしてあっという間にダイバーが頻出するハードコアなフロアに。Vampilliaは異界に連れていく異次元だとすると、kamomekamomeは徹頭徹尾現実的なハードコアだ。テクニカルな要素は隠しようがないが、それを包括するハードコアのストレートな勢いはどうしたことだろう。明らかに曲が中心にあり、テクニカルさはその道具でしかない。技巧に走って曲の区別がつかなくなるなんてことは皆無である。ベースと向さんの掛け合うようなボーカルに客が手を振り上げ、そして一緒に歌う。ダイバーは絶え間ない。向さんは格闘家のような動きと多彩なボーカル(クリーンで歌う、ハードコアに叫ぶ、メタリックに咆哮する)で一挙手一投足から目を離せない求心力がある。MCではまた仕事が始まる毎日があるのだから土日は楽しもう(というかぶちかませ!と最終的には煽りまくっていたのだが)という生活に根ざした、明確な哲学を感じさせる。桃源郷的な別世界に対して、こちらは疲れる日常にあるエアポケットのような祭りの場のようなイメージだろうか。気づけば曲も知らないのにむやみに腕を振り上げる自分がいて面白かった。汗だくだった。ライブ、ライブの楽しさはいろいろあるだろうが、この日のkamomekamomeはめちゃくちゃ楽しかった。

本当何の気なしに遊びに行ったライブだったが行って良かった。超楽しかった。巨大な音で脳が活性化するのだと思う。いろいろ考えがわいてくるし、高揚感で体が動いた。ライブは楽しい。いくまで知らなかったのだがこの日はLauraさんという異国の女性が企画したもの。凄まじいバンドの選択眼と、そしてそれを象徴する素晴らしい企画名だと思った。それは現状に満足しないで、うちこわして新しいものを作ろうとする企てであると思った。本当に規格名がストーンと理解できた気がしたもの。どうもありとうございました。

2015年7月25日土曜日

Palm/My Darkest Friends

日本は大阪のハードコアバンドの2ndアルバム。
2012年に日本のAlliance Traxからリリースされた。
Palmは2010年に結成されたバンド。実は気になっていた音源であったのだがリリースからしばらく絶った後では売り切れ状態。2014年にリリースされた「The Unusual」という7インチを最近手に入れたらこれがかっこ良くて。調べたら普通にこのCDが売られていたので買った次第。再販したのかな?いずれにしろ嬉しいことです。

Palmは一回だけTwitching Tongues来日の時のライブを見た事があって、その時はフロアがえらい盛り上がっておりました。ハードコアな激しいライブだったのだが、とにかくお客さんが一緒に歌ったり、ボーカルの人をサーフしたりとポジティブな雰囲気があって楽しそうだったのが印象に残っている。
今作のアートワークはConvergeのJacob。ざらついたアートワークは恐らく日本の国旗をモチーフにしたものであると思う。
再生するといきなり怪しいギターがつま弾かれ、何やら聞き覚えのある独特の歌い回しが…。birushanahのアートワークやCavoのボーカルだったりの彫り師ヨナルテさんのゲストボーカルで幕開け。雰囲気抜群。
2曲目からは全編喧しいハードコア地獄が始まる。とにかくテンションが高い。歌詞はほとんど日本語。畳み掛ける様なボーカルのシャウトの応酬である。
いわゆるカオティックさはあるもののあくまでも勢いを重視した曲構成。速さのみを追求した極端な音楽というよりは、速くて重いが聴きやすい剛球タイプでまさに正統メタリックハードコアという印象。
ギターは八面六臂という感じで一つの曲の中でも相当様々なリフを披露している。音質もあってかなりメタリック。弾き倒すようなハードコアトレモロリフ。メタリックに刻みまくるリフ。一気にスピードを落とすスラッジパートと弾きまくる。どこかしら伸びやかなロックっぽさがあってそれが気持ちよい。5曲目とかは結構ロック。低音から高音まであっという間に行ったり来たりする様な忙しさ。
ベースゴロゴロガラガラした暴力的なもの。スラッジパートでは鈍器の様な衝撃。ぐーーんとひっぱるようなスライドのタメ感が爆発寸前の緊張感を演出する良い味に。
ドラムは乾いて中音を強調したもので曲調もあってか手数は多め。あまりシンバルを使わないのかな?疾走パートではバスドラムの連打が嵐のよう。
リズム隊が土台を作ったらギターが豊かな音色で一気に曲を膨らませてそこにボーカルがのっかり、まさにつんのめる様な勢いでもって突っ走るタイプのハードコア。空間を真っ黒に塗りつぶしていくかの様な暴力性と、そんな中でも曲を陰惨なものにしないからっとした爽快さがある。これはライブで聴いたらそれは盛り上がるだろうというもの。目まぐるしく曲展開が変わるものの猛烈な嵐が刻一刻とその姿形を買えるように自然で、自然に耳に入ってくる。
ConvergeっぽさはあるけどたしかにPalmの方はもっと野性的なイメージ。Convergeも相当激烈な音楽をやっているからこういう言い方は自分でも不思議だけど。
きっちり歌詞が乗っているのもハードコアって感じで個人的にはとても良い。
全身全霊である。暑苦しい位の必死さ。でもほんとのかっこよさはきっと必死から生まれるのだと思う。あぐらかいて涼しい顔しているヤツをはったおすような音楽性でそこがハードコアだ。激しくブルータルだが元気になれる音楽。まだ聴いてない人は是非どうぞ。カッコいい日本の音楽!

2014年2月2日日曜日

NAILS/TWITCHING TONGUES/PALM/INFERNAL REVULSION 2014 Japan Tour@新宿Antiknock 1/30

Twitching Tonguesというアメリカのハードコアバンドがありまして、私は彼らの1stアルバム「Sleep Therapy」を結構楽しく聴いたものです。
そろそろニューアルバムでも出さんのかいな、とネットで調べてみるとなんととっくに2013年の暮れ頃に2ndアルバムが出てた訳です。そしてなんとアルバム発売にあわせて来日するのでないですか。それに気づいたのが1月の末。慌ててアルバムを注文したけど待てど暮らせず届かず。仕方ないのでアルバム未聴のままライブに足を運ぶことになりました。
場所は新宿Antiknock。Twitching Tonguesの2ndの日本版をリリースした日本のレーベルAlliance TraxがTwitching Tonguesと同じくアメリカのNailsを招聘し、日本からはPalm、Infernal Revulsion、Blindside、Otusというバンドが迎え撃つという布陣。
18時開演でしたが仕事のできない私が会場に着いたのが20時過ぎでなんと目当てのTwitching Tonguesがちょうど始まった頃でした。
Infernal Revulsion、Blindside、Otusは見れず、非常に残念。
やはりハードコア強めのバンドということで会場にはパーカに帽子というがっちりしたハードコアな人たち多めでビビる私。前の方にはモッシュピットが出来ており、メタルとは全く違う腕をこうぐるぐる振り回すアレや、兎に角蹴って回るようなソレが繰り広げられており恐ろしげながらも面白かったです。(後ろの方で見る私。)

まずはお目当てTwitching Tongues
(多分)初来日ということもありお客さんの入りは結構。
ドラム、ベース、ギター2人にボーカルというスタイルで、ボーカルはガッチリに革ジャンを羽織り佇まいが格好いい。痩せぎす坊主のドラムの人が両手を高く上げて叩くスタイルでなんだか微笑ましい感じ。
とはいえ演奏はタイトそのものでがっつんがっつん来るハードコア特有の演奏スタイルがライブだと映える映える。小走りで汗だくの私もすぐに体が動いちゃう気持ちの良さ。このバンドはボーカルが抜群に良くてハードコアの吠えるような歌い方からパンクバンドのようにメロディアスに疾走するスタイル、それになんといってもちょっとグルーミィに歌い上げるスタイルが見事に混合した独特の歌い方なんだけど、生で聴くとこれが格好よかった。どのスタイルにも偏ることなくオリジナリティを確立しているこの手のバンドというのはなかなかないのではなかろうか。
ちゃんと2ndアルバム聴いてから来たかったなーと思ってたのもライブの楽しさで結構どうでも良い感じ。ライブだとフィードバックノイズも多めで良かった。
アンコールを披露して終了。超絶に憂い感マックスの「Preacher Man」(これはitunesでシングル買ってた。)も聴けたし満足だけどもっと見たかった…あと英語わかればなあ、MCもちゃんとわかるのになーー。

続いては日本のPalm。
名前は知っているんだけど聴いたことなかった。
メンバーが出てきてセッティング。音出しからそのままジャムみたいになって、そこから流れるようにライブが開始。走り出てきたボーカルの人が兎に角動く動く。頭を振るのは勿論、ボーカルもすごい気迫!ステージからおりてきてもみくちゃになりながら叫びまくるその姿はなかなかの圧巻であった。
曲はハードコアをベースにいろいろぶち込んだ感じで曲の展開が滅茶苦茶めまぐるしい(それぞれ別の曲だったかもしれないが…)。疾走というか爆走は勿論、急に速度を落としてサザンロックっぽいドゥームフレーズが挿入されたりで面白かった。ギターは一人なんだけど幅が半端無くてたくさんのバリエーションがあるフレーズがぴょんぴょん飛び出してくる。お客さんも結構暴れて要所要所では一緒に歌ったり(叫んだり)で殺伐とした中にもアットホームな感じがあって楽しいライブでした。終始笑顔で叩きまくるドラムの人がなんだか良かった。

トリはアメリカのNails!
4人組だがみんな背が高い。ステージ映えする!ギターボーカルは悪そうなイケメン。ギターはほっそり長髪のどう見てもメロデスやってそうなメタラー。ベースは短い金髪でがっしり、サッカー選手みたい。ドラムは多分だけどTwitching Tonguesのギターだと思う。
ベースの人が上半身裸になってライブスタート!なんだがこれがすげえ。爆音すぎてもはやリフの区別がつかない位。ドスの利いたちょうどボーカルは金切り声とデス声を織り交ぜるようなスタイルで走りまくる。兎に角ノイジーで勢いが半端無い。かと思えば速度をがっくり落として激重い身に丸なリフを繰り返したりする。ここは流行のビートダウンと違ってもっと陰湿な感じで非常に格好よかった。
途中でギターがトラブル。Palmのギターの人も出てきて調整。ボーカルの人は「ちょっとまってね!ポカリうまいね!」となんだか微笑ましい感じ。アンコールをやって終了。すげえ格好よかった。CD買うぞ!!

というわけで結構勢いでもって未知な感じのライブに足を伸ばした訳なんだけど、楽しかったなあ。耳が痛くなるくらいのでかい音というのは気持ちのよいものですね。
半分しか見れなかったのは非常に残念。
ちなみに本日2014年2月2日が渋谷でツアーの最終日です。私は行けないんだけど、兎に角凶暴な音が聴きたいぞ!という人はいって間違いないです。