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2018年12月16日日曜日

BLOODAXE TOUR -JESUS PIECE JAPAN 2018-

年の瀬にJesus Pieceが来るという。なんせデモとプロモ音源しかリリースしていない状態で非常に話題になったバンドだ。満を持しての1stフル「Only Self」もまさにブルータルで良かった。または種々様々なハードコアバンドのライブ動画を発信しているHate5sixも帯同するという。ミーハーなもんでこれは!とばかりに向かったのは渋谷Garret。結構新しいライブハウスなんじゃなかろうか。かなりきれいで音も良い。最近のライブハウスはステージが横に広いような気がする。これだと単純に劇的になって良いよね。
先週の激務でまさかの昼寝で寝坊してしまい、一番手Blindsideに間に合わず…。

Coffins
東京オールドスクールデスメタルバンド。
MCでも言っていたが今回のラインナップでは異質なバンドで、流れでみるとやはり異彩を放っていた。モダンなハードコアがミュートでザクザク刻んでいくとすると、デスメタルは余韻を引きずるスタイル。重たい一撃がグワングワンする残響を残していく。これが速いバンドならまた話は違うだろうが、Coffinsは相当にDoomなので割合的に一音一音の比重(インパクト)がでかい。デスメタルのリフに極悪ハードコアを見出す動きもあり、結果ハードコアバンドとは別のアプローチでフロアにアクセスするイメージ。
個人的には来年から録音に入るという新曲群がとにかく良かった。キャッチーというと語弊があるかもしれないが、元々Coffinsはドゥームな割には曲の中で変化があるバンドだったと思う。ゆったり(もったり)その姿を変えていく、というスタイルが新曲ではかなり激烈になっていてその強引な感じがまた格好いいのだ。テンポチェンジも露骨でテンション上がってしまう感じ。
「Raw Stench Death Metal」と刻まれたパーカが新作で物販に並んでいてライブ良かったのでこれは!と思っていたのだが、終演後には売り切れていた。みんな考えることは同じみたい。

NUMB
続いては1995年から活動しているNUMB。とても有名だしいろんな場所でライブをやっているが見るのは初めて。
この日どのバンドも素晴らしかったが、一番衝撃を受けたのはNUMBだったと思う。色々なバンドが自分たちをライブバンドと称する。特にこのジャンルではライブがすべて、と言い切るバンドもいたと思う。たしかに音源で聞くのとライブで体感するのはぜんぜん違う。(そもそも使っている感覚が5倍(味覚はなかなか使わないが)になるからライブのほうがすごいのは仕方がない。)でもNUMBみてライブバンドってこういうバンドかと思った。まずは圧倒的なショウ感。これは演劇的という意味ではなくて、全部がつながっているということ。曲の合間にチューニングがてらMCというのではない。曲名をコールするMCが全部計算されていて流れるように曲に移行する。劇的にスムーズでこちらはライブ中にスマホ見ている暇なんてないんだよね。(そもそもライブ中に見ないと思うけど。)途切れないライブで集中させる。でも威圧的な感じが全く、本当にまったくなくてむしろ笑顔が多い。これは衝撃的だった。
曲はモダンにアップデートされているけど、随所にオールドスクールを感じさせるもの。音の作りも数もいい感じに引かれている感じ。ラフ、というのとはちがう。おそらくライブの運びもそうだけど、相当考え研究しているのだろうなと思った。重鎮というのは老獪で力が抜けているなんてとんでもない。むしろ知見をたゆまずアップデートすることなんだなあと感動したけど、ライブ中は何も考えずにただただ楽しかった。

Loyal to the Grave
続いても大変有名なバンド。(1998年結成。Bolodaxeの仕掛け人でもあります。)やはり見たことがなくて楽しみだった。
音楽的にはNUMBと共通項がかなりあるけど、よくよく聴いてみると違いがわかって面白い。まず音の数が多い。また音も重たい。ようするもっとヘヴィだ。こちらもルーツは様々だと思うけど、出音としては明確にニュースクールといった趣。それも硬派なやつ。メロディ性は皆無でほぼほぼグルーヴで引っ張っていくタイプ。ただモッシュに特化したモダンなブルータルさとはまた違う。落とす、というからには高さ(つまり速さ)が必要なわけで、ニュースクールは技術でもってそれらを演出する。ミリタントもそうだけど、ただ単に落とすためのその他ではなくて、落とし所以外も格好いいという。言うのは簡単だけれどそれを実行するのは難しい。それを難なくやってのけるのがこのバンド。とはいえミリタントほど装飾性がない。ドラムの音の抜き方に何かしら格好良さの秘密がありそうな…。
とにかくボーカルの方のMCが良かった。ハードコアはとにかくタフだけど殺伐としているかというと、少なくともライブの雰囲気は違うと思う。暴れるにしてもポジティブなモチベーションがあってそれを体現しているかのような語りがとにかく良かった。

PALM
このラインナップで見るとCoffinsほどではないが結構浮いているなと思ったのがこのPALM。マイクの取り合い合戦も確か始めてみたのがこのバンドだったので恐ろしいハードコアだぜ…と思っていたし、実際そうなのだが、いわゆるUSスタイルのハードコアとは結構趣が異なる。わかりやすいのはドラムで結構バチバチ存在感のあるブラストを入れてくる。突進力は確かに、だからといってトータルでグラインドコアかというとそうではない。ギターに関してもミュートで刻んでくるというよりはデスメタルっぽいトレモロを噛ましてきたり、短いソロを弾いたりもする。ただ音の肉抜きがされていて重苦しいメタルには聞こえない。いわば絶妙なバランス感覚でハードコアの綱渡りをしているようなイメージで、これがまたフロアを沸かせる。いい意味でのごった煮感は今はあまり聞かなくなった「カオティック」を彷彿とさせる。
何回か見たライブではユーモアに富んだMCが印象的だったがこの日は少なめ。ベーシストの外国の方がビザの関係で不在、というくらいの簡潔さ。あとはもうほぼほぼ演奏に振り切っていた。ボーカリストはマイクで体を叩くのだがその「ッゴ」という音がよく考えるとなんとも猟奇的。演奏もあって何するかわからんぞって雰囲気でもやっぱりこの日明らかに尖っていた。

Jesus Piece
いよいよ最後はモダン・ブルータル・ハードコアの雄、合衆国はフィラデルフィア州からやってきた5人組。
出音一発で思った「遅え〜」。地獄は速いのかと聞かれたら遅いんじゃなかろうかと思うのだが、この日はまさに地獄。浮かれているフロアに鉄槌を下すがごとおく容赦がない。フロアに居るみなさんも一発でこれは尋常じゃないな、と思ったのではないでしょうか。ギターがベースかってくらい音が重たい。そして遅い。叩きつけるというかもう押さえつけるくらい。これが良い。豪腕でズンとくるから、押さえつけられた反動でこっちは跳ねるじゃん?というわけで結果的にフロアも更に湧くのだ。わけがわからないがこんな感じ。(まともな人間はハードコアなんて聞かないそうだ。)
これ前編モッシュパートじゃんというくらいのえげつなさだが、耳と体がなれてくるとしかしよく練られた曲に込められた技工がわかってくる。2本いるギターで役割分担があって、片方はもうズンズン刻んでくるのだが、間を縫ってもう一本がかなりですメタリックなリフを奏でたりしている。踊らせるにしてもテンポチェンジはもちろん、結構拍子も変えてきて、3拍子は思った以上にハードコアに合うな!なんて地獄のようなフロアで思ったりもした。ボーカリストもデスメタルバンド顔負けの低音咆哮を見せる。長身でシャツを脱いだ体はとにかくしなやか。音の方もそうで、ハードだけど有機的なしなやかさがある。意外にライブで見るとガッチガチに固めたハードコア、という印象でもなかった。
フルアルバム「Only Self」はもちろん素晴らしいのだけど個人的に一番好きなのはデモの「Lost Control」。まさかと思っていたけど果たしてやってくれてテンション上がった!!横から上から人がどんどん飛んでくるのでじっくりなんて見れたもんではないのだが、これがまさに触覚を使ったライブなのだ。

この日は一番手からフロアが沸きに沸き、それこそ一番手からけが人が出たりもした。hate5sixに日本のハードコアを見せてやろうという気概があってか、演者もそうだしそれに答えるようにオーディエンスも非常に高いテンションで盛り上がっていたと思う。
Jesus Pieceのメンバーは根っからの音楽好きなのだろう。どのバンドでもほぼ最前に陣取り、誰よりもモッシュしていた。特にフロントマンのアーロンはCoffinsのときにすごく楽しそうだった。(Jesus Pieceもはじめはデスメタルやりたいねって集まったらしい。)
良いライブってどんなライブかというとフロアに居る人が笑顔のライブだと思うし、そういう意味では非常に素晴らしいライブでした。
Jesus Pieceはこれからツアーが本番なので迷っている人はこの機会に是非どうぞ。


それとこれは日記なんだけど、やはり私は耳栓が合わないみたい。現在のライブハウスでは耳栓の着用が推奨されている。安いやつを買ってみて好きじゃなかったので、ライブ用のちょっと良いやつを買ってつけてみた。音はちゃんと聞こえる(どの楽器ももバランスよく音を減らしてくれる)のだけど、どうしても迫力が足りない。早々にテンション上がって外してしまった。ある程度つけてれば慣れるんだろうかね〜。

2018年8月26日日曜日

Cradle of Empty Promise★Tokyo Hardcore Matinee★@秋葉原音楽館

ライブを見に行くことにした。前回見にいったSonic Maniaとはうって変わって日本とメキシコのハードコアバンドが出るライブだ。この日出演するOtusというバンドの直近のEP「Mold」がとてもよかったのでもう一度(確か前に1回だけ見ている。)生で見たかったのだ。主催はno souls saved。当初は日本の4つのバンドが出演するショウだったが、急遽メキシコから来日中のBeneath the Horrorがラインナップに追加された。真昼間から禁煙禁酒のイベントでこの手でのは珍しいのだが、個人的にはどれも歓迎なんで嬉しい。
一旦下がった気温が再度上昇してまた天井をついたような酷暑の中秋葉原の音楽館に向かう。ここはそもそもスタジオらしいが、一つ下のフロアにはライブスペースがある。といってもあまり大きくないビルの人フロアだからとても小さいのだが。ただし全部ぶち抜きで開放感はある。
会場に着くとキャップにバンドT、短パンもしくはDickies(風)のワークパンツを身につけた客層。メタルのライブに行くと黒いという共通点はあるが服装自体は結構ばらついているイメージはあるけど、ハードコアだと服装自体結構統一感がある。私のようなオタク風の男性は浮くなー。Sonic Maniaいった時は落ち着かないなぁと思ったけど、かといってこういう場所でも自分のホームだ!という感じも全くしない。中年になって自分の居場所がどこにもないので悲しくなってくるけど、まあそういった鬱憤を今日は晴らすのだ、という気持ち。

UNCOVERING
1番手は最近結成されたバンド。すでに名のあるバンドの面々によって結成されたらしい。EPも早々にリリースして昨今の注目度が高かったのではなかろうか。ギター二本に専任ボーカルの5人組。
始まった瞬間にかっこよくてすぐに今日は来てよかったなという気持ちに。どっしりとしたメタリックなハードコア。ニュースクール・ハードコアをさらに一歩推し進めた感覚で、叙情派と共通点はあるもののよりマニアックで凶暴な印象。中速域でメタリックなリフをザクザク刻んでいき、テンポを落とす凶悪な低速パートを持ってくる。
歯切れよく刻んでいくギターは低音一辺倒ではなく、Akangelのような(つまりSlayer)単音リフも披露。とにかく全編攻撃的だが、同時にメロディアス。わかりやすいトレモロとかではなくてもっと無愛想なのだがとにかくメロい。ギターが良いのはビートが良いからなのだ。特にドラムはシンプルで堅実だが一音が重たい。このシンプルなビートに前述の情感たっぷりのツインギターが絡みついてくる。これが非常に良い。ここであえてドラムは実直に叩き続けることに終始しているのがハードコアだと個人的には思う。終わった後すぐに音源を買った。

STILL
続いてはSTILL。なんとドラマーとギタリストの一人がUNCOVERINGから続投。バンド界隈でのドラマー不足と、そもそも相当マニアックなジャンルなんだなと実感。なんとなく1枚7インチを持っているはずだが、すみませんあまり聴き込めてなくて初めてくらいの気持ちで臨む。編成はUNCOVERINGと同様専任ボーカルにツインギタリストの5人組。
始まってみると一番手とは全然違う。まず続投のギタリストの動きが全然違う。動きだからといってバカにしてはいけない。バンドというのはやはり全体で一つの雰囲気があってそれはもちろん中身とは不可分だし、バンドのことを手っ取り早く知ることができる貴重な手がかりだ。(だからライブを見るというのはバンドを知るにはとても良い機会だ。)客席に突っ込む勢いで暴れまわる。ドラマーも続投だが、リズムがもっと複雑で手数が多い。速度のチェンジももっとスパンが短くて回数も多い。頭蓋骨内に打ち込まれた小口径の銃弾のようにあちらこちら跳ね回るようなイメージ。とにかくめまぐるしい。こうかくとパワーバイオレンス見たく思えてしまうが、その要素はありつつももっとハードコアだ。やはりニュースクールを強烈に感じる。もっとメタリックで曲の構成も凝っている。ラストあたりでブラストも打っていたように思うけど、やはり基本的にはハードコアの速度でどっしり展開していたと思う。音源をちゃんと聞きなおそう。

Beneath the Horror
続いては急遽出演が決まったメキシコからの刺客。ツインボーカルの6人体制!全員ガッチリしていて目ためにも迫力がある。ドラマーの方のヒゲが特徴的で、ベーシストの方はイケメンでした。
メキシコのバンドというと結構わちゃっとした感じなのかと思いきやこの日一番音がクリアだったと思う。(ライブ本数を相当こなしているのだろう。)通常のシャウトにまくしたてるようなスペイン語が乗っかってくる。このコントラストが良い。ラップというよりはまくしてるという感が強くて、モダンに区切っていくハードコアでは良い意味で浮いていて唯一無二のアクセントになっていた。ギタリストは広いフレット上の音を全て使い尽くすような表現力で、ゴリゴリ低音で攻め立てるのではなく、メロディアスなトレモロなどで中音域から高音域までを幅広く用いる。長めの休符を効果的に使い、休符からの復帰はバッチリユニゾンしてくる。相当な練習量を感じさせる。表現力は豊かだがミクスチャー感は皆無で、落とし所は極めて凶悪だし、あくまでもハードコアの中でも技術力によってその表現に挑戦しているという印象。私を含めてなかなか予習する時間がない中での出演という状況の中で非常にアグレッシブなステージングだった。

BLINDSIDE
続いては柏のハードコアバンド。やはり5人組だが、ギタリストの一人がOtusのメンバー(Otusではベース担当)がヘルプとしてはいっていた。
ニュースクールなのだろうが、オールドスクールさすら感じるシンプルな突進力が魅力なバンドでこの日一番明快だった。とにかく高速と低速のメリハリがくっきりしている。やはりドラムが強靭で、良い感じに抜けが良いドラムはて数は多くないのだが、テンポチェンジの際はこのドラムがフィルイン(?)で軽快に速度をつないで行くようなイメージ。曲を回しているのがこのドラム。ギタリストの方もサイドでボーカルをとるのもわかりやすい。その代わり曲にメロディの要素がほとんどない。メンバーは全員にこやかだが曲に入ると近寄りがたいほどにおっかなく、このギャップが良い。途中でOtusのボーカリストの方が参加。ギタリストの方のマイクを突然奪うもので過激な客かと思ってびっくりした。
新曲だということで始まった曲は低速から始まり、途中で高速になる。普通とは逆のパターンなのだが、低速明けの高速がえらくかっこいい。低速が良い、という概念を覆されるほどに。この日一番フロアが湧いたバンドだろう。中央は危ないことになっていた。ラストはどうやら定番の曲らしく随所でシンガロングが発生して楽しかった。(曲を覚えないと。)

Otus
トリはOtus。この日唯一ギタリストが一人。ただしその代わりと言わんばかりにアンプをヘッドとキャビネットをそれぞれ3つ積み上げるスタイル。おそらくマスターとスレイブみたいに接続されているのだろうが、当然ヘッドが異なるので音は微妙に異なるわけで面白いなと思った。ベースの方もおそらく複数のアンプを使っている。なので音は壁みたいになっている。
ライブを改めてみてみるととても変わったバンドだ。この日一番異彩を放っていた。誤解を恐れずにいうならわかりにくいバンドなのだ。アプローチは様々でも出来上がった音・曲というのは比較的わかりやすいのがハードコアなのだが、このバンドは模糊としているところがある。音が分厚い分細部を捉えにくいというのもある。またミュートを使ってザクザク刻んで行くバンドが多い中、Otusはあえてアタックした後も音を引きずるように残して行く。音の連続性というか、音の終わりが捉えにくいのだ。そういうわけでノイズの成分も多い。音源だと割とかっちりしている印象があったのでこれは結構驚きだった。別にメタル的だというわけではない。明らかにハードコア的な曲なのだが、演奏の仕方が独特なのだ。ちなみにドラムが作り出すビートは明確だった。
MCはあるものの個人的にはたまに遭遇する「判られ」ることを拒否しているバンドの一つかも、と思ってワクワクした。別に(確かに無愛想だけど)態度が悪いわけでもなく、ステージ上で全てをさらけ出しているのだが、やけにフレンドリーというわけでもなく殺伐としているもので、みている側としてはどうしても惹かれてしまう。やはり格好良かった。

マーチがおしゃれで、BLINDSIDEのサコッシュと迷ったんだけどSTILLのT-シャツを購入。それからCOLD WORLDがcocteau twinsのカバーをしているというソノシートも買った。
休日の昼間っから轟音を浴びて楽しかった。ハードコアは単純に音と曲が凶暴で良い。感情がないわけではないが、陳腐なストーリーも不要だ!という感じで思い切りが良い。暴れるといってもただ腕や足を振り回すわけでもなくステップを踏む人などそれぞれの楽しみ方があるようだった。いい意味で地元感みたいなのが出ていて、笑顔が絶えない雰囲気。
有名なお蕎麦やさんでお昼を食べて帰宅。