2014年12月29日月曜日

Yob/Clearing the Path to Ascend

アメリカはオレゴン州、ユージーンのドゥームメタルバンドの7thアルバム。
2014年にNeurot Recordingsからリリース。
Yobは一個前のアルバム「Atma」のみ持っていて今作もリリースされたのは知っていたのだが、なんとなく買おうかな?どうしようかな?と思っていたところローリングストーン誌の年間ベストで1位とったりしてミーハーな私はへへへまったくスイヤセンという感じですぐに注文したのだった。ジャケットがグレー基調にしぶい金色で超カッコいい。中身も含めて。やはりアナログマテリアルはいいっすよね。

アルバム一個しか聴いていないので偉そうに語れないのだが、Yobというバンドは3人編成でちょっと変わった音を出します。いかに重いかいかに遅いかいかに暴力的かというメタルにありがちなもっともっとの姿勢(これも好きですよ。)からは一歩隔たった独自の世界観を築いております。ドゥームメタルというとへろーっとしたいい感じに力の入らないバンド(最近だとWindhandとかか)も数多いるのですが、それらと比べると濃密で張りつめた印象。音楽的にはストーナーとカテゴライズされるので、そこら辺からだいたい想像できるかと。ただ曲はだいたい15分超えてくるので長いっす。

ギターの音が重たいんだけどかなり湿気の無い乾いた音で他のバンドにはあまり無い枯れた感じがあってすごく良い。ぐぅおおおおっと重いリフを刻んだ後最後のお尻にきゃーんとコード感のある一音(コード?)を追加するのが個人的には持ち味と思っていてこれが気持ちよい。良いアクセントで曲が単調になるのを防いでいる。ドゥームメタルなんだけどライブの動画見るとかなり忙しく弾いているんだよね。これはなかなかテクニカル?な感じ。
ベースは伸びやかに弾くタイプで、ギターは前述のように結構弾いていて音の数も多いが、こちらはどっしり構えて腹に響く低音を出すやり方。
ドラムが一番ドゥームメタルっぽいかも、のったり牛歩戦術。こちらも音自体は下品に低音を強調している訳ではない職人芸。
ギターは結構弾ききるタイプなので(ミュートを使った凝ったメタリックなリフ感はあまりない)、川がしずしず流れるようにずわーっと音に浸れる。
前作に比べると重々しいところはさらに重々しくなり、ドラマチックなところはより劇的になった印象。ボーカルは「んのあああああ〜」という脱力系が持ち味なんだけど結構幅広い。前作の1曲目聴いた時はボーカル女性?とも思ったんだけど、細い独特の声。今作ではさらにドスの利いた低音ボーカル(ひょっとしたら別のメンバーの声かもだが)が結構幅を利かせております。
全体的には喜怒哀楽を超越した心象風景を描き出そうとしている様な音楽性で持って陳腐な物言いで申し訳ないのだが、多分に哲学的な雰囲気。ただ難しいというよりは抽象性が強いというのか。分かりやすくはないのだが心は動く、といったらよいでしょうか。
とにかく後半の2曲が素晴らしいっすね。ちょっとNeurosisを思わせるなんともオリエンタル?なギターソロとかこうなかなかくるもんがあります。贅沢に時間を使っていてボーカルの入っていないパートも多いのですが、そこすらも楽しく聴ける。
ベストに選定されるのも納得の出来ではなかろうか。Neurosis好きな人も是非どうぞ。オススメ。繰り返しになるが装丁が格好いいので(デジタルあるのか知らんが)CDで買うのが良いのではと…


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