2014年12月7日日曜日

FKA twigs/LP1

イギリスはグロスタシャー出身の女性アーティストによる1stアルバム。
2014年にYoung Turks Recordingsからリリースされた。
随所で話題なので名前は勿論知っていたがなんとなく買っていなかったアーティスト。彼女の曲をプロデュースしたArcaを買ってみたり、色んな人が言及してたりでようやっと買ってみた。
イギリス人の母親とジャマイカ人の父親とのハーフで現在26歳。関節がなるので「Tiwigs」というあだ名で、別のアーティストとの混同をさけるためにFormerly Known Asを足してFKA twigsという事らしい。(Englishのwikiより)
ちなみにジャケットのデザインはArcaの相棒Jesseの手によるもの。今回もヌメッとした光沢のある独特なもので、面白いのは紙でできているジャケットの筒状になっているポケット(CDとインナーがはいるとこっす。)の内側にもちょいキモイメージが描かれている。構造上よく見えない。裏地の美学。やっぱりKandaは日系なのかな?

さて音の方はというと完全にエレクトロな音で構成された今風の音楽なのだが、最大の特徴はしっとりかつしっかりした歌に曲の中心が添えられている事。ぼんやりとして数が多くない音はダブステップやトリップホップを思わせる曖昧模糊としたものだが、おおよそそのフォーマットにちょっとボーカルが乗る、といった音楽とは一線を画す。
ダブいトラックの無骨さ、孤高さはをさらに突き詰めて完全に後ろに引かせた感じ。で、そこに歌声が乗る訳で。だからオルタネイティブR&Bとかカテゴライズされているようだ。R&Bなんでしっとりなわけなんだけど、歌い方が絶妙でなんとなく気怠い感じ。ただ例えばPortisheadのような不健康さはなくて、どっちかというと「ミステリアス」だ。トラックは音の数が少なくて、音と音の感覚が長く取られているので全体的にゆったりしている。
R&Bってことで歌もの。声量はあるんだと思うけどぐわっと出すとパワフルになってしまうので、一工夫加えて声を出しているイメージ。基本はウィスパーボイスな感じなんだが、ふわふわしている割に長ーく伸びる声だったり、アクセントのような語尾にふと声量や技量が垣間見えたりして面白い。薄いベールの向こうに垣間見えるようなそんな妖しさがある。露骨にエロエロしていないのでオタク受けもしているのかもな…とちょっと思った。(私はオタクです。)わかりやすいし口ずさめるようなメロディではないんだけど、ポップ性に富んでいて奇抜な事やっている割にはすっと体(頭で考える前にという意味で)に入ってくるのも受けている理由の一つか。聴いてて気持ちよい音楽。

話題になっているし実際PVとかは派手な作りなのだけど、聴いてみると結構良い意味で派手な勢いが無くてしっかりしている作りで話題になるのも納得の出来。R&Bとか詳しくない人でも楽しめるんではなかろうか。

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