2016年8月20日土曜日

Dinosaur Jr./Give a Glimpse of What yer Not

アメリカはマサチューセッツ州アマーストのオルタナティブロックバンドの11thアルバム。
2016年にJagjaguwarからリリースされた。私が買ったのはデジタル版。
Dinosaur Jr.は1984年に結成されたバンドでグランジ隆盛の一角をになって活躍。7枚のアルバムをリリースしたが、1997年に解散。2005年に再結成し、再始動後はこのアルバムも含めて4枚のアルバムをリリースしている。サマソニでたしか今、というか今日あたり来日してプレイしているのではなかろうか。
私は後期オルタナティブ世代なのだが当時からミーハーな性質を遺憾なく発揮し、NirvanaとThe Smashing Pumpkinsは聞いたが、Dinosaur Jr.もSoundgardenもAlice in Chainsも聴かなかった。何事にも凝る友人が多分MDで聴かせてくれた覚えがうっすらあるのだが、うーんといってあまりに印象に残っていない。(その友人は今は音楽業界で働いている。)インストサイケデリックバンドEartlessがDinosaur Jr.のフロントマンJ MascisのHeavy Blanketとコラボした「In a Dutch Haze」だけ持っているから、私とこのバンドの繋がりはその程度だ。

紫を基調とした色あいがなんともサイケデリックなジャケットが印象的。
轟音と評される事も多いがなるほど納得の出来。ドラム、ベース、ギター&ボーカルという最小単位のバンドながらもそれぞれの楽器が結構なレベルで演奏されており、荒々しい喧しさはまさにロック然としている。勿論ハードコアやメタルではないので、メロディは歌がそれを担当して非常に伸びやかかつ気怠く歌っている。この轟音アンサンブルに気怠くやる気がないボーカルというのが世間も認めるこのバンドの持ち味。マルチなプレイナーでもあるJ Mascisは決して取り乱す事なく淡々と歌っていく。メロディラインが非常に感情豊かなので、声や歌い方が気怠くても説得力があり、奇を衒っている訳でもなく非常に魅力的。メロディはどちらかというとアップテンポというよりは、哀愁に富んだものでしっとりとしみ込んでくるタイプ。ここで声に感情がこもっていたら、恐らく私は食傷気味になってうさんくせーといって好きじゃなかったんだろう。メロディラインはキラキラしているから声と歌い方はこれがベストなんだなと思う。別に哀愁があるから大人のロック、というのではなくて。
Heavy BlanketではEarthlessと一緒になってとにかくギターソロを弾きまくっていたJ Mascis。さすがにこちらでは全編ギターソロというわけにはいかないんだけど、それでもグランジというジャンルからするともの凄く弾いている。だいたいどの曲にもギターソロがある。歌はヘロットしているくせに、ソロになるとが全やる気を出してくるのがMascisで「えー!」って位グイグイ前に出てくる。困ったやつだ。太い豊かな音でまろやかな中〜高音でもって波のように迫ってくる。べつに早引きを披露する訳ではなくどの音も非常に伸びやかで贅沢に時間を使っている。いかにも堂に入ったプレイはメロディラインに加えて非常に感情的。
欲を言えばシングルにもなっている「Tiny」のようなアップテンポの曲がもう何曲があっても良かったかなと思った。今更聴けないなって人もこっそりどうぞ。

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