2016年8月7日日曜日

Self Deconstruction/Wounds

日本は東京のパワーバイオレンス/グラインドコアバンドの2ndアルバム。
2016年にBreak The Recordsからリリースされた。
ボーカル、ギター、ドラムという3人編成のバンド。(以前は男性のボーカルがいたそうな。)2010年に結成され、今までに1個のアルバムと複数個のデモやスプリット音源をリリースしている。私は2016年にリリースされたでも音源「Triad」を持っていて、ライブも1回だけ見た事がある。すごいけど何がなんだか分からないという呆然とした時間だったので、音源で聴けば何がすごいのか分かるだろうなと言う期待もあって購入。

23曲で16分弱という収録時間。平均1曲1分以下!ほぼほぼ全編突っ走るタイプでパワーバイオレンスといっても流行の低速織り交ぜた音像とは一線を画す、まさに独自のスタイルを極めて行く音楽性。
再生するとライブと同じで「うおお…」となっていて良く見ると4曲目位になっている。なんてことだ…。なんといっても曲と曲のつなぎ目がわからないのだ。この手のジャンルに関しては速すぎるとか曲の区別がつかない、とか割とありがちなのだが、言ってもまあ大抵のバンドでは次の曲だな〜と分かるものだが、このバンドに関しては(まだ聴く回数が足りないのだろうが)やっぱり曲のつなぎ目が分からない。意図的に曲間をあまりとらないように録音しているのもあるのではと思うんだけど。一通り聴いて思ったのは「一筆書きグラインドだ!」ということ。新しいのジャンルが一つ誕生しましたね。
一筆書きグラインドは一旦おいておいて、なんで曲のつなぎ目が分かりにくいのかというと、音楽、少なくとも私が好んで聴くメタルとかハードコアとかテクノとか、たまにヒップホップとかはだいたい曲構成がある程度決まっており、反復によってそれらが構成されていると言っても良いのではなかろうか。良く出る(私も知った様な顔で使っている言葉である)リフというのも実際は「リフレイン」という言葉をさす。リフレインとは言うまでもなく反復である。あるテーマみたいなのがあって(これがフレーズだったりコード進行だったりするみたいだけど)それを繰り返しながら、微妙に形を変えつつもAメロ、Bメロ、サビみたいに曲が進んでいく訳。とんでもなく激しいデスメタル、なんかもじつはこういったルールに則って進行するので聴きやすいというかはっきりしている。ところがこのバンドだと曲の法則の中心にある事が多い(べつにこの法則で進行しないと逮捕されるという法律がある訳ではない。)そのルールが非常に希薄なのでは。
リフ(というかフレーズなのか)はあるのだが
①曲に対してリフが非常に多い
②それらが目まぐるしくきりかわる
③同じリフ(テーマ?)があまり繰り返されない(これはあまり自信ない)
という感じになっており、そもそもリフ(レイン)ってるのか?という音楽性であり、同じ事を2度と繰り返さないとしたらこれはもうすげーってことになる。そういった意味の「一筆書きグラインド」な訳です。
weeprayなど様々なバンドでプレイしているあたけさんという方がいらっしゃるのですが、その方が
というツイートをしていてなるほどなと思ったのですが、確かに激しく五月蝿い音楽の断片的に拾って来て(一から作る場合もアリ)1個の新しい曲として再構築するというブレイクコアの一つの手法(全部がそういう訳でもないので)に通じるところがあるなと。他にもジャズじゃないか?という意見もあったりして、ここら辺がフリースタイルグラインドと呼ばれる由縁で、そういった意味でかなり変わったそしてこだわりのある手法で曲が制作されているようだ。

という訳であまりに衝撃に曲に対しての考察みたいなものがほとんどになってしまったが、もう後は聴いてくれ!(丸投げ)ちなみに実際に目の前にすると同じリフが…とか考えなくても「あわわ」となっているうちに楽しい時間が過ぎるので大丈夫です。音源も色々考えなくてもかっこ良いです。

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