2018年10月28日日曜日

25 ta Life/Strength,Integrity,Brotherhood

アメリカ合衆国はニューヨーク州ニューヨークシティ、クイーンズのアストリアで結成されたハードコアバンドの3rdアルバム。
2009年にBack ta Basics Recordsからリリースされた。
1991年に結成されたバンドで2002年には一度解散し、その後メンバーを変更しつつ現在も活動しているようだ。
ハードコアを調べていると必ず「極悪ハードコア」という単語と一緒に出てくるバンドで気になっていたので購入してみた。バンド名はおそらくスラングだろうか。昔読んだ本に中国の犯罪組織は本当の組織名を隠すために画数で表した隠語を使う(例えば324のような)と聞いたことがある。極悪という言葉や刺青のびっしり入ったメンバーの容姿をみてなんとなくそんなことを思い出した。

極悪ハードコアというのはおそらく日本特有の呼び方だし、激情ハードコアのように実はきちんと音楽性を説明していない。場所も場所だし音的にはニューヨーク(シティ)のハードコアということになるのだろう。オールドスクールからシンプルな攻撃性を受け継ぎ、メタリックな音で武装したタフなハードコアだ。今聞くとモダンというよりはオールドスクールに近いような印象。力強いがその方向性が、例えば抒情派ニュースクールなどとは明確に異なる。個人的にはオールドスクール・ハードコアに足し算して作ったのがこのバンドの音楽性なのかな?と思っている。
「闘争とストリートを忘れるな」という7曲目からしてかなりのタフガイさが伺える。なるほどメタリックにザクザク刻んでいくリフは非常にモッシーだ。ライブはきっと恐ろしいことになるのだろう。極悪だ。ただ極悪と想像するよりもっと喜怒哀楽がある音像をしていて、曲によっては軽快ですらある。シンプルなリフに唸るベースが乗るとパンキッシュといってもいいくらい気持ちの良いオールドスクール感。感情豊かなギターソロやコーラスワーク、そして独特の男臭い哀愁。これは足し算だなと。音的には非常にモダンだし、どうしてもこれはモッシュパートだな、という風に考えてしまうけど、根っこはオールドスクールだ。吐き捨て型のボーカルもメタリックなリフに乗ると極悪だが、疾走パートに乗っかるとそれはそれでまた違った良さがある。
当時はそういった視点で捉えていなかったけどVision of Disorderもニューヨーク州のバンドで、その音楽性もハードコアをベースにメロディアスな歌メロというもう一つの要素を乗っけていた。音楽性は全然違うけど、何かしらひょっとしたらその考え方に共通しているものがあるかもしれないと思った。

歌詞に結構「Hardcore」という単語が含まれてて、自分たちこそハードコアなんだという気概を随所に感じ取ることができる。極悪というのは音もそうだし、もっとアティチュード的なものが含まれるに違いない。

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