2016年6月12日日曜日

Peter Pan Speedrock/Fiftysomesuperhits

オランドのアイントホーフェン出身の爆走ロックンロールバンドのベスト盤。
2011年にSuburban Recordsからリリースされた。
Peter Pan Speedrockは1997年に結成された3人組のバンドでいままでに9枚のオリジナルアルバムをリリースしている。名前は知っていたけどどんな音楽だっけか?とyoutubeで何の気なしに聞いてみたらあまりの格好良さに即注文した。日本独自に過去の名曲をボーナストラックとして追加した最新作もあったのだが、その切っ掛けになった「Killerspeed」という曲が収録されている事もありこっちを購入した次第。「50曲以上のスーパヒッツ」というタイトル通り2枚組で58曲が収録されている。

その音楽性は明快でひたすら格好よい爆走ロックンロールであり、まさにスピードロックというしかない。もうこっちは興奮してスピードロックなんだよ!という気持ちだしそれでいいだろと思う事この上ないのだが、仕方がないので説明します。
爆走ロックンロールがなにかというと、このバンドの説明にもよくでてくるMotörheadという事になるのだろう。不信心者の私は彼らのアルバムは一つしか持っていないので何を言ってもはったりになってしまう。中音域をブーストしたロックンロールをかなりの速度で突っ走らせるのがこのバンド。私が持っている音楽の中ではとくにZekeと似ているところがあるが(スプリットもリリースしているようだ)、勿論ZekeがPeter Pan Speedrockに影響を受けているわけだ。速度も爆速なZekeに対してこちらの方はそれよりはゆったりとしたスピード。ハードコアパンクの疾走感、つまり勢いをとりこんだロックンロールという説明に落とし込めるかもしれない。男らしい厳つさと楽しさという共通項をほどよくブレンドしている。
いかにも酒やけしたようなしゃがれ声、そして老舗のバーの梁のような、いぶされたような暖かみがあるギターサウンドがかなりブルージィだ。そこにハードコアのようなコシのあるベースとシンプルなセットながら叩きまくるドラムがバネのようなビート(曲によっては本当にサイコビリーの様なあのズンズン来るビートがひたすらかっこ良い。)を持ち込むとスピードロックの完成である。ギターはコード感のある弾き方で刻みまくるメタル的なそれというよりはやはりパンキッシュなイメージで、チョーキングを多用した哀愁のある泣きのメロディもあって、マシンのように最速を目指す無慈悲な音楽とは明らかに一線を画す。(無慈悲なヤツも勿論大好きですが。)ストーナーのような気怠さもほぼほぼ感じられない。ひたすら前を向いている。いわば血の通ったロックンロールであって、聞くものにはその滾りが伝染していく。速度で殺陣に揺らせてくるかと思えば、ブルージィなグルーヴで横によらせて来たりと爆走ロックンロールの中にもスタイルがあってひたすら楽しい。
私があまりこういった音楽を普段聞かない事もあってか相当新鮮で、ひたすらかっこ良い。滅茶苦茶オススメなんで是非聞いていただきたい。次来日したら是非ライブに行きたい。ヒートシーカーベイベーしたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿