2016年6月13日月曜日

Slamcoke/Des Flis De Pute

フランスはパリを中心としたハードコア/デスメタルバンドの2ndアルバム。
2014年に自主リリースされた(と思う)。私はデジタル版をBandcampで購入。
Slamcokeは元々Slam Cokeとして2009年に結成されたバンド。2011年に1stアルバム「First Cookie」をリリースした後バンド名を変更したようだ。(といっても間のスペースを省いただけなんだけど。)拠点はパリなのだがメンバーは他にオーストリア、ドイツ、そしてアメリカ合衆国と各国にまたがっている。恐らく顔を合わせる事はまれでデジタルで情報と音のやり取りをして最終的にアウトプットを出しているのだろう。さすがにこの手法ももう珍しくなくなって来たのかもしれないね。だから当然ライブはやらない(出来ない)バンド。
私は前述の1stを何の気なしに購入して気づいたら結構よく聴いている事に気づき、今回2ndを購入した次第。やっぱりカッコいい。タイトルはどうも英訳すると「Son of a Bitch」ではなかろうか。

彼らというのはハードコアを基調としながらかなり色濃くデスメタルの要素を取り入れ、さらにそこにドラムンベースの要素を持ち込み、さらにラップを持ち込んだりしてとにかく好き放題ぶち込んだごった煮の音楽をやっている。好きなものなんでもぶち込んでみましたよ、というわがままなものなのだがトータルでキッチリ聴きやすくまとまっているのが面白い。中途半端に間の子みたいな音にしないでどれも結構素材そのままなので結果メリハリがきいて良いとこどりみたいになっているのでは、と思う。
今回は前作に比べるとドラムンベースの要素が減退し、ヒップホップとデスメタル成分が強くなっているかなと思う。演奏に関しては地の部分はビートダウン・ハードコアでよろしいのではと思っている。パーカシッブなギターがザクザクシンプルなリフを刻んでいく。非常にソリッドな音質のバスドラと絡んで非常に強引な縦のノリを作っていく。もこっとした這う様な低音をフォーカスしたベースはどちらかというとデスメタル的でこいつは別に超絶技巧という訳ではないのだろうが、要所要所でとてもカッコいい。どちらかというと偏差値の低めの音楽(問いったら非常に語弊があるだろうが、皆さん許してください)で退廃的というよりは今が楽しければよいんではないでしょうか?と言った趣でこれがとにかく楽しいわけです。
ボーカルはグロウルスタイルで完全にここだけ切り離したらハードコアには聴こえないだろう。こいつがぐろぐろぐろぐろ唸りまくる。これがビートダウンの低速と非常に合う。スラミング・デスメタルとビートダウンといいとこ取りといったところか。(バンド名は”slam”cokeだ。)
下手すると非常にコアな音楽になりそうなところだが、ここにヒップホップの要素やドラムンベースの要素を追加する事で一気に曲をキャッチーなものにしている。別にパーティ感が出ている感じはしないのだが、何となく派手な明るさが出て来てそれが結果的にs別かの要因にもなっているし非常に上手いなと。

ぼやけているがジャケットはいわゆる立ちんぼってやつだろう。アートワーク通り下品な音楽なのだがこれが非常に楽しい。オンライン上で成立しているという素性だったり、複数のジャンルにまたがるその器用さもあってともするとリアルじゃない感、もっといえばハイプ感もない訳ではないのだろうけど、私はむしろそういった人を食ったような底意地の悪さに翻弄されるのも悪くないと思うし(むしろ皆の言うリアルってなんなの?というよろしくない対抗意識も出てきたり)、なにより純粋に出している音がカッコいいので文句なんてありゃしないのである。目下のヘヴィローテーションで非常にオススメ。

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