2015年6月6日土曜日

ACxDC/Antichrist Demoncore

アメリカはカリフォルニア州ロサンジェルスのパワーバイオレンス/グラインドコアバンドの1stアルバム。
2014年にMelotov Recordsからリリースされた。
ACxDCとはいかにも人を食ったバンド名だが、アルバムのタイトルと同じくAntichrist Demoncoreの略らしい。訳す前もなかなか厳つくかつやり過ぎ感が出ていて実際に聴く前から期待が持てる。結成は2003年ということでキャリアも長い。詳細な歴史は分からないが現在は5人体制なようだ。

音楽的にはパワーバイオレンスになるのだろうが、バンド名やヤギをあしらったアートワークなどブラックメタル成分を感じさせる。ただあくまでも味付けという感じで、おどろおどろしさと飾りっけの無い行き過ぎたユーモアが融合していて面白い。気になった人は彼らのFacebookのページでフライヤーやアートワークなどを見てみるとよいかも。
全部で16曲収録されているが、アルバムトータルで19分51秒。
ようするにクソ速くて、クソ五月蝿いわけです。
ドラムは速いんだけど重さがあってグラインドコア感もばっちり。ただ速いだけでなくて、跳ねる様なバスドラ(これはビートは普通のリズムなのになんでこんな気持ちよくきこえるのかわからん、不思議)だったり、スラッジパートの抜けのよいスネアだったり、要所要所のシンバルだったり、非常に気持ちよい叩き方。
ギターとドラムもかなり重量感のあるメタリックな音で、速いだけでなくて重苦しく刻んできたりと凝っている。特にドラムは速いのにギターとベースは低音で放心した様なリフを披露したりとバンド名通り中々一筋縄ではいかない深みを持っている印象。
ボーカルは基本わめき声タイプ。力強さとどことなく気怠さ、やけっぱち感はやはりハードコア。中音わめきからの高音わめきがバックの演奏と相まって曲が一気に加速していくようでカッコいい。たまに出てくるスラッジパートで喉をからして叫ぶさまが個人的には非常にツボ。血管ぶち切れそうな絶叫。グロウルっぽい低音も(多分他のメンバーじゃないかと思う。)良いアクセント。
速いのは速いのだけど1分以下の短い曲の中でもスラッジパートに自然になだれ込んだり、フィードバックノイズに満ちた間を作るなど起伏があって面白い。どのパートも必要充分な長さで冗長さが皆無。濃厚な音楽性がさらに圧縮されていて混乱する情景を倍速出見ている様な爽快さがある。うるせーーって感じでもあるし、やかましーーって感じでもある。ジャケット通り真っ黒な音楽性だが、独特の諧謔性があって困った奴だが嫌な奴じゃないな…という厄介な友達みたいなバンドだと思う。(写真見るととても怖そうな人たちなので絶対友達になれそうにないですが!!)

BandcampではName Your Priceで公開されているので気になった人はまずどうぞ。
私的にはお金を払ってでも聴くべき素晴らしいアルバムだと思います。
最近やる気が出ないという貴方は是非このアルバムから元気をもらおう。

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