2014年11月24日月曜日

Run the Jewels/Run the Jewels2

アメリカのニューヨーク/アトランタを拠点にするヒップホップデュオによる2ndアルバム。
2014年にMass Appeal Recordsからリリースされた。
2013年に結成されたグループだが新人ではなくOutkastのアルバムにも参加したラッパーKiller MikeとCompany Flowというグループのラッパーでプロデューサーとしても活躍するEl-Pというキャリアがある2人が結成したもの。勿論私は2人とも知らない。たまたまネットで聴いた曲が格好よかったので音源を買った次第。
事前情報が無いもんで買ってから気づいたのだが、元Rage Against the MachineのZackやBlink182のTravis Barkerなどロック方面からも豪華なゲストが参加している。

曲の方はというと今風の音出ある事は間違いないが、さすがにメジャー感のあるヒップホップ(メジャー感のあるヒップホップもあまり知らないのだが…)とは一線を画す様な一筋縄ではいかない仕上がりになっている。
曲作りの仕方はよくわからないが、元ネタがあるにしてもかなり自由かつ攻撃的な音作り。中心になるビートはさすがにヒップホップだが(こちらも下品なくらいぶっといモノもあれば、いかにもラップが目立つ地味な音もあって大分面白い。だいたいベース音がすごい凶悪。)、そこに乗っかる上物がかなり面白い事になっている。過激でノイジーな電子音が五月蝿いくらいに飛び交う。こういう風に書くと日本でも話題になっているDeath Gripsが思い浮かぶがあそこまでの浮遊感というか悪夢感はない。もっと地に足がついた音になっている。というのも派手な音使いでありながらもあくまでもヒップホップということはわかる音作りをしているからだと思う。いかにラディカルなトラックであってもラップを含めて聴けば、紛うことなき直球のヒップホップだと言う事は分かってもらえると思う。いわば正統な進化をとげた尖ったヒップホップとも言うべき音楽である。
凄みがありつつも低音〜中音が耳に良く馴染むKiller Mikeの流れ落ちるように流暢なラップに、中音〜やや高音のEl-Pのざらついたまくしたてるようなラップが見事に絡み合う。2人ともキャリアがあるんだけどこのアルバムでは超攻撃的。まるで2人の真剣勝負の様な雰囲気である。トラックに負けずヒリヒリしておる。

音の方は凝っているしゲストも豪華だがあくまでもラップを中心にした音作りは如何にもハードコア。ごまかしのきかないスキルむき出しの音に圧倒される。しかもただのスキル自慢ではなくて曲として体が自然に乗ってくる音作りでもって大変気持ちよい。

ちなみにこの音源、私はCDで買ったのだけど、なんとオフィシャルでフリーダウンロードできる。うかつな私は買った後に気づいたんだけど。気になった人はまずダウンロードしてみてはいかがでしょうか。

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