2014年10月12日日曜日

Electric Wizard/Time to Die

イギリス、イングランドのドーセット、ウィンボーン(読み方違うかも)を拠点に活動するドゥームメタルバンドの8thアルバム。
古巣Rise Aboveを離れ(どうも余り良い分かれ方ではなかったようだが)2014年にSpinefarm Records(調べたらフィンランドの名門レーベルのようだ。)からリリースされた。
プロデューサーは外部の人を立てず唯一のオリジナルメンバーであるJusが務めた。


ドゥームメタルといえばBlack Sabbathがいける伝説なのだろうが、昨今のアーティストと言えばElectric Wizardなのではなかろうか。(とはいえ1993年結成のバンドだから今ではもう立派なベテランなのだが。)私もとりあえずこのバンドを聴いておけば間違いない、みたいなネットの書き込みをみて3rdアルバム「Dopethrone」を買ったのが彼らとの出会い。とにかくデスメタルの暴力性ともブラックメタルの禍々しさとも違うヤバさをもったバンドで(ある意味前者2つのジャンルより大分捻くれている。)音楽的には勿論ドゥームなんで速度は遅いし、妙に放心した様な気怠さもあるのだが、なんとも名状しがたい近付き難さがあってそれが彼らのヤバさの要因の一つかもしれない。
前作「Black Masses」はタイトル曲でもある1曲目のイントロを聴いたときの衝撃外までも残っていて妙に明るいというか開放的なサウンドであったのに対し、 今作は全体的に煙の立ちこめる窒息しそうな黒さに満ちたアルバムに仕上がっている。現在メンバーは4人らしいが、このアルバムのクレジットをみると制作時は3人体制だったようだ。
Jusの気怠いへろーっとした歌い方は相変わらずだが、呪詛めいたボソボソボーカルはより密教的な怪しさが増したようだ。演奏陣はビンテージってほどに乾いた音質だが、とにかく低音がぶわーっと強調された音でドラムは勿論弦楽器陣も演奏はより地下に潜るような演奏スタイルで体感速度は前作より遅くなった。
今作はでは曲の尺の長さが全体的に増したように思うし、ボーカルの入らない演奏パートも大幅に増えた。間の取り方が全体的に贅沢になったというか。そしてこの演奏パートこそがこのアルバムをより煙たく、より息苦しい緊張感に満ちたものにしていると思う。バンド然とした聴かせる前作に比べると無愛想かつ腕力の強いサイケデリック性が大きく台頭して来た。 ミニマルなリフが酩酊感を誘い。そこに徐々に付加されるノイズや、ワウ(乾いたギターリフトとてもよく合う。)による変化がズルズル感を強調し、もはや渦を巻きながら徐々にその領域を広げていく悪意をもった靄のように聞き手を浸食してくる。タイトルは「Time to Die」だが確実にこちらを殺しに来ている音である。冒涜的なタイトル(昔からラブクラフトの短編名を曲名に拝借したりと粗野な中にも知的なセンスが光るのは相変わらず。)や不穏なSEまじりのインスト曲など外連味もたっぷり。

ラストの曲の最後が前述の3rdアルバムの1曲目「Vinum Sabbathi」に使われていたSEと同じというのも面白い。確かにあの頃を思わせる暗黒である。黒基調のジャケットも容赦しねえぜというメッセージのようだ。
という訳で8枚目のアルバムという事だが、ベテラン はまだまだ現役最前線ということを力でねじ伏せて分からせる様なアルバム。ドゥームメタル好きなら既に買っていると思うがまだの人はどうぞ。とても良いアルバムです。オススメ〜。

0 件のコメント:

コメントを投稿