2014年6月1日日曜日

Killer Be Killed/Killer Be Killed

アメリカのグルーブメタル・スラッシュメタルバンドによるデビュー作。
2014年にNuclear Blastからリリースされた。
デビュー作と行っても新人ではない、ギターボーカルがSoulflyのMax、同じくギターボーカルがThe Dillinger Escape PlanのGreg(写真だとPortsiheadのシャツ着ていてちょっと嬉しい。)、ベースボーカルがMastodonのTroy、ドラムがMars VoltaのDaveというそうそうたる面子。いわばスーパーバンドの類いである。
元々はMaxとGregがDeftonesのChi Chengの治療費を集めるためのライブ(Chiは2013年に亡くなった。Deftonesは私が高校生のときから大好きなバンド。ご冥福をお祈りいたします。)で出会って意気投合、Maxのバンドで共演をへて、ジャムセッションを行いイケル!と確信を得、DaveそれからTroyに声をかけたそうな。

基本は重たくグルーヴィなリフがこれでもかというくらい繰り出され、3人のボーカルが次々に乗ってくる。ドラムは良く鳴る中音スタイルで激しいギターを引っ張るようにテクニカルに叩きまくるスタイル。あくまでも聴きやすさを意識して尖りつつも聴きやすさと格好よさが同居している印象。
バンドの曲はほとんど(9割)Maxが作っているとのこと。なるほど確かに形としては様々なジャンルを盛り込みつつ、根底には正統メタルの系譜を受け継ぐ様なカッチリとした曲はMax由来だな、と頷ける。(どうでもいいが私はMaxというとSoulflyですね、ニューメタル世代だからなんですけど。)この人本当すごいなと思ったのは、自分のスタイル確立させつつ結構どん欲に新しい要素を取り込んでいくね。ズーンズーン響いてくる低音パートだったり、ビートダウンめいた暴力的なフレーズだったりが結構ぽんぽん飛び出してくるのだからすげー。ミュートでガリガリ削るように刻みまくるリフはMax節というか、聴いているともう嬉しくなってきますね。
曲が良いのは勿論なのだが、このバンド何と言っても目玉はボーカル。スターが集まってアルバムを作ればそれはファンは嬉しいのだが、このバンドはコンセプト的に多彩なボーカリゼーションでヘヴィかつメロディアスな曲を演奏する、とはっきり方向性が決まっているようだ。Maxの野太く粗い低音ボーカル、Gregのブチ切れ金切り声からメロディアスに歌い上げる振り幅の広いボーカル、そしてTroyのちょっとけれん味のある独特のまったりと聴かせる中音ボーカル、これらが時に矢継ぎ早に、時に複数組み合わさって繰り出されてくる。それぞれが一人で何万人も湧かせる様なキャリアの持ち主なわけだから、これが1曲のうちに3人聴けてしまうこのバンドは相当贅沢である。前述の通り土台になる曲が非常にしっかりとしている訳だからこのボーカル3人体制も非常に活きてくるのだろう。変にエクストリームな方向に舵を取らず、激しくも聴かせる様な曲を作るというコンセプトが非常に功を奏したのではないかな。メンバーのファンならそれぞれの持ち味が存分に発揮されている出来に嬉しくなること請け合い。

文句なしに良いアルバムじゃないでしょうか。スーパーバンドのスーパーな作品。メンバーの名前を1人でも知っていたら買っちゃって問題ないと思います。聴いてて楽しいアルバム。
記事内の情報はインタビューを元にしています。ここここで読めます。


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