アメリカ合衆国ワシントン州シアトルのドゥーム・メタルバンドの3rdアルバム。
2017年にProfound Lore Recordsからリリースされた。
2010年にドラムとベース兼ボーカルの二人組で結成されたバンド。バンド名は実際にアメリカで起こった幽霊屋敷事件に基づく。(wikiなんかを読むと非常に面白い事件であるようだ。)なんとなく1st「Longing」の頃から聴いている。2016年にオリジナルメンバーであるドラマーのAdrian Guerraが逝去。もうバンドとしては終わりになってしまうのかと思っていたのだが、新しくドラムのメンバーを迎え入れて発表した新作。嬉しくてLP盤を購入。アートワークはベクシンスキーっぽい。
もともと長尺の曲を演奏するドゥーム・メタルバンドだったが、1stが6曲、2ndで4曲、ついにこの3rdで1曲83分という次元に突入。この情報で当惑するのではなくテンション上がるのは変な人だと思う。一応LPだと「As」、「Above」、「So」、「Below」と片面ずつ別れているようだが…。
1曲にしたのはもちろん長い曲をやるために他ならない。元々長い曲をドローンの要素を入れつつプレイしていたが、それでも結構明確にパートが分かれているのがこのバンドの特徴だった。今回ではそれぞれのパートを本当に贅沢に使っており、83分という長さを活かした”1曲”をプレイしている。ベースと言っても6弦あるものを使っているようで、ダウンチューニングしてエフェクトを掛けたギターと正直あまり違いがわからないのだが(バンドやっている人ならやはり明確にわかるのだろうか)、それをズアーーーっともったり引き伸ばすような弾き方をしており、とにかく全体的にめちゃくちゃ引き伸ばされた残響を楽しむためのバンドである。それ故フューネラル・ドゥームの要素もあるのだが、わかりやすくブラックメタルを彷彿とさせる要素はあまりない。邪悪さも黒さもあるが、それこそ幽霊のように”曖昧”であることがこのバンドの一番の魅力だ。
khanateを通過してのSunn O)))に通じるところがある(世界観や雰囲気も)が、しかしあちらが邪悪な神話だとするとこちらはロアというかやはり幽霊譚というのがしっくり来る。もっとしっとり、いやじっとりと湿っていて、そして地味であまり知られていない感じ。この湿度というのはつまり叙情的であることだ。この手のジャンルでは敬遠されがちな感情豊かな表現をBell Witchは積極的に自分のフィールドとしている。とにかく重たく遅々として進まない演奏と地を這うような低音ボーカルを主体にしながらも、はクリーンボーカルが歌うメロディそして、感情的なメロディ性のあるベースライン。とくにリフはもはやフレーズと化していて、このバンドならではの曲の長さを存分に活かして贅沢に長く、そして繰り返されていく様はまさに桃源郷。よくよく計算されていて音はでかいが、フィードバックノイズは制限されており、体の表皮を震わし、その後体内に浸透していくような柔らかさがある。いわばうるさくないノイズだ。ひたすら暗く、潜行していくように下に潜っていくが、どんな幽霊もその重さのない身(心)中に物語を隠しているように、聞けば聞くほどにその豊かさにハッとする。
そしてやっぱりクリーンボーカルが映えること。今回もたまらなく良い。うっすらあるメロディラインを良い感じに魂の抜けた声がふわーっと通り過ぎていく。うっすら滲む諦念が背後に渦巻く低音にのってじわじわしみてくる。アメリカのバンドだが、この彼らの「幽霊感」に和風な、恐ろしくも儚く、そして地上には特定の条件下でしかとどまっていないような存在の薄さ、軽さを感じてしまう。非常にヘヴィな音楽なので我ながら妙な感想だとは思うのだが。
曲の長さもあってとっつきやすい音楽ではないが、この手の音楽が好きな人は是非どうぞ。私はやはり非常に好きだ。スラッジ方面に舵を取るでもなく、この物語性に飛んだ幽玄さに感じを取るというのはメタル的だが、どれもやはりソリッドでこういう浮遊感のあるバンドというのは他に知らない。じっとりとした湿度は日本人にはしっくり来ると思うのでぜひ聴いてみて頂きたい。きっと予想より聞きやすいはず!おすすめです。
2017年12月24日日曜日
2016年2月7日日曜日
Lycus/Chasms
アメリカはカリフォルニア州オークランドのフューネラルドゥームバンドの2ndアルバム。
2016年にRelapse Recordsからリリースされた。
2013年リリースの1st「Tempest」時は確かもとDeafheavenのメンバーが在籍するバンドという事で話題になっていた様な気がする。私もご多分に漏れず興味を持って1stを買った。期待の2作目も購入。全4曲で43分。激長いわけではなかろうが、平均すると1曲あたり10分以上だからやはり普通からしたら十分ドゥームなアルバムだろう。Chasmとは深い裂け目とか溝のことを言うそうだ。
音楽的にはやはりフューネラルドゥーム。文字通り葬式な雰囲気で、真性ドゥームメタルバンドに比べると攻撃性に怒りの感情に劣る分、何とも言えない陰鬱な悲しみが全体を支配しており、体感速度も遅く感じる。
一通り聴いて思ったのはこんなに表現の豊かなバンドだったかな?ということ。フュネーラルドゥームは感情の極北めいたジャンルである。尖った分どうしても単調になりがちで、その灰色の単調さがこのジャンルの魅力の一つである。ところがこのアルバム、非常に表現の幅が広い。勿論速度が速い訳ではないし、楽しい気持ちなど付け入る隙すらない。深い悲しみと公開が支配した典型的なお葬式感なのだが、その表現の幅と行ったらちょっと目を見張るものがある。このジャンルに特有のひたすら低いボーカリゼーションを主役に置きつつも、朗々としたお経めいた不穏で気怠い詠唱やクワイアっぽい歌唱法(ちょっとBell Witchっぽい雰囲気ある。)、低音と対比をなすギャアギャアしたわめき声の投入。そしてなによりバックの演奏陣の色彩の豊かな事。例えばドラムは牛歩戦術がメインだが、たまにバスドラの乱打を投入してくる。弦楽器隊のテンポは遅いままなので曲全体の速度が加速する訳ではないのだが、なかなかこの手のジャンルには無い感情を獲得する事に成功していると思う。そしてギターリフはタメのある刻みリフに加えて、中音域の厚い暖かみのある単音を披露し、またアコースティックなコード感のあるフレーズなど、その表現の幅はとても広い。長い尺を活かしたインストパートにストリングスを投入したりと結構色々やっている。これらはともすればポスト感をますあまり、フューネラルな雰囲気をぶちこわしかねない要素となり得るのだが、どっしりとした芯でもってあくまでも出自を堅持しつつ使いこなしている様は中々どうして器用である。私の様な軽薄な愛好者は長い曲でも飽きずに聴けるし、むしろこの変化は大歓迎。なんといっても悲しみの要素が一切その魅力をそがれる事無く、それどころか陰影色濃く強められている印象がある。
バンドが作り出す音の風景は表現力を増した分より深くなっていると思う。個人的には前作より今作の方が好きですね。オススメ。
2016年にRelapse Recordsからリリースされた。
2013年リリースの1st「Tempest」時は確かもとDeafheavenのメンバーが在籍するバンドという事で話題になっていた様な気がする。私もご多分に漏れず興味を持って1stを買った。期待の2作目も購入。全4曲で43分。激長いわけではなかろうが、平均すると1曲あたり10分以上だからやはり普通からしたら十分ドゥームなアルバムだろう。Chasmとは深い裂け目とか溝のことを言うそうだ。
音楽的にはやはりフューネラルドゥーム。文字通り葬式な雰囲気で、真性ドゥームメタルバンドに比べると攻撃性に怒りの感情に劣る分、何とも言えない陰鬱な悲しみが全体を支配しており、体感速度も遅く感じる。
一通り聴いて思ったのはこんなに表現の豊かなバンドだったかな?ということ。フュネーラルドゥームは感情の極北めいたジャンルである。尖った分どうしても単調になりがちで、その灰色の単調さがこのジャンルの魅力の一つである。ところがこのアルバム、非常に表現の幅が広い。勿論速度が速い訳ではないし、楽しい気持ちなど付け入る隙すらない。深い悲しみと公開が支配した典型的なお葬式感なのだが、その表現の幅と行ったらちょっと目を見張るものがある。このジャンルに特有のひたすら低いボーカリゼーションを主役に置きつつも、朗々としたお経めいた不穏で気怠い詠唱やクワイアっぽい歌唱法(ちょっとBell Witchっぽい雰囲気ある。)、低音と対比をなすギャアギャアしたわめき声の投入。そしてなによりバックの演奏陣の色彩の豊かな事。例えばドラムは牛歩戦術がメインだが、たまにバスドラの乱打を投入してくる。弦楽器隊のテンポは遅いままなので曲全体の速度が加速する訳ではないのだが、なかなかこの手のジャンルには無い感情を獲得する事に成功していると思う。そしてギターリフはタメのある刻みリフに加えて、中音域の厚い暖かみのある単音を披露し、またアコースティックなコード感のあるフレーズなど、その表現の幅はとても広い。長い尺を活かしたインストパートにストリングスを投入したりと結構色々やっている。これらはともすればポスト感をますあまり、フューネラルな雰囲気をぶちこわしかねない要素となり得るのだが、どっしりとした芯でもってあくまでも出自を堅持しつつ使いこなしている様は中々どうして器用である。私の様な軽薄な愛好者は長い曲でも飽きずに聴けるし、むしろこの変化は大歓迎。なんといっても悲しみの要素が一切その魅力をそがれる事無く、それどころか陰影色濃く強められている印象がある。
バンドが作り出す音の風景は表現力を増した分より深くなっていると思う。個人的には前作より今作の方が好きですね。オススメ。
2015年5月10日日曜日
Bell Witch/Four Phantoms
アメリカはワシントン州シアトルの2人組ドゥームメタルバンドの2ndアルバム。
2015年にProfound Lore Recordsよりリリースされた。
Bell Witchは2010年に結成されたバンドでメンバーはベース/ボーカルのDylan Desmondとドラム/ボーカルのAdrian Guerra。2人ともいくつかのバンドでプレイしているが共通してLetheという(既に解散している)のメンバーだったようだ。
バンド名Bell Witchはアメリカで実際に起きた怪談話を元ネタにしている。ポルターガイストが起こる家にまつわるおはなしで中々面白い。興味がある人は調べてみると言いかも。
2012年に同じくProfound Lore Recordsより発売された1stアルバム「Longing」はなんとなしに買ったのだが激烈な音楽性の割には結構ばっちりハマってしまいいまでも良く聴いている。そんな彼らのニューアルバムとなれば、という訳で購入した次第。
「4人の幽霊」というタイトル通り22分、10分、22分、10分という4曲で構成されている。10分か20分な訳だから1曲はとても長い。基本的な路線は1stから変更無し。彼らの音楽というのは尖っている分結構説明がしやすいかもしれない。
基本はドゥームメタルだが、リフは古くなりすぎたカセットテープの用にズルズルに引き延ばされている。低音が過剰に強調されており、さらに余韻にただならぬ思い入れがあるようでドラムとベースがグシャーーとなってフィードバックノイズがズズズズズズと長く続く、さすがにそこまででは無いがSunn o)))を引き合いに出すとイメージしてもらいやすいと思う。あの要素をもう少しロック的にしている。そこにグロウルめいた方向が乗る。徹頭徹尾低い。このボーカリゼーションはWorshipを始めとするフューネラルドゥームっぽさが色濃い。
こうやって書くととにかく荒涼として硬派で取っ付きにくい鋼鉄音楽を想像してしまうし、実際に半分は正解なのだがこのバンドはここに独自の叙情性を付与する事に腐心しているバンドで、そこがいちいち私の壷に入るのである。
具体的にはまず重苦しい中でも中音で泣くように入るベース(うーんギターなのか?)の印象的なフレーズ。伸びやかで多分ベースのフレットをぐーんと指で滑らせるスライドも多用されていてこれがなんともメロディアスで哀切。涙を誘うというとさすがに大げさだが、大仰でない悲劇的な陰鬱さがあってこれが荒涼としたバックの演奏(ずうぅううーーという感じで低音は唸っている)に映える事。凶暴さそのものというよりは廃墟に漂うまさに幽霊の悲鳴の様な趣がある。もう一つはボーカルに低音以外も使用している事。あえてクリーンと書かないのは例えばボソボソとしたつぶやきであったり、なにかしらオリエンタル風の詠唱めいた朗々とした歌い方であったり、器用とは言えないものの曲全体の雰囲気に従いつつもそれをさらに拡張する様な実験的な声を取り入れている。勿論クリーンで結構メロディアスに歌い上げるフレーズも(全体の割合からすればわずかにしても)入っている。で、この歌い方が例えばメタルコアのサビの様な爽快感があると全くそんな事はなく、むしろ怒り以上に悲しみの感情がにじみだすようでなんともさらに陰鬱さを倍加させる。このやるせなさは一体どうした事だ。
短い2曲がJudgement、長い方の2曲がSuffocationと名付けられたコンセプトアルバムになっている。攻撃性に特化したJudgementもよいが個人的には長い分贅沢且つ感情豊かなSuffocationの方が好み。
1stに比べるとジャケットの色彩もやや豊かになっている通り、上記に挙げた激烈さと陰鬱さのとけ込みがさらに進化していて、激→メロウ→激という進行だったのだが、展開はありつつもさらに激メロウ同時のカオスさを両立させている印象。とても良い世界観。
前作にあった魅力を踏襲しつつさらにぎゅっと濃くなったとても良いアルバム。とても良いバンドなので沢山の人に聴いてもらいたい。とにかく見た目というか第一印象より聴きやすい音楽性だと思うので一回試してみてはいかがでしょうか。オススメですよ。
2015年にProfound Lore Recordsよりリリースされた。
Bell Witchは2010年に結成されたバンドでメンバーはベース/ボーカルのDylan Desmondとドラム/ボーカルのAdrian Guerra。2人ともいくつかのバンドでプレイしているが共通してLetheという(既に解散している)のメンバーだったようだ。
バンド名Bell Witchはアメリカで実際に起きた怪談話を元ネタにしている。ポルターガイストが起こる家にまつわるおはなしで中々面白い。興味がある人は調べてみると言いかも。
2012年に同じくProfound Lore Recordsより発売された1stアルバム「Longing」はなんとなしに買ったのだが激烈な音楽性の割には結構ばっちりハマってしまいいまでも良く聴いている。そんな彼らのニューアルバムとなれば、という訳で購入した次第。
「4人の幽霊」というタイトル通り22分、10分、22分、10分という4曲で構成されている。10分か20分な訳だから1曲はとても長い。基本的な路線は1stから変更無し。彼らの音楽というのは尖っている分結構説明がしやすいかもしれない。
基本はドゥームメタルだが、リフは古くなりすぎたカセットテープの用にズルズルに引き延ばされている。低音が過剰に強調されており、さらに余韻にただならぬ思い入れがあるようでドラムとベースがグシャーーとなってフィードバックノイズがズズズズズズと長く続く、さすがにそこまででは無いがSunn o)))を引き合いに出すとイメージしてもらいやすいと思う。あの要素をもう少しロック的にしている。そこにグロウルめいた方向が乗る。徹頭徹尾低い。このボーカリゼーションはWorshipを始めとするフューネラルドゥームっぽさが色濃い。
こうやって書くととにかく荒涼として硬派で取っ付きにくい鋼鉄音楽を想像してしまうし、実際に半分は正解なのだがこのバンドはここに独自の叙情性を付与する事に腐心しているバンドで、そこがいちいち私の壷に入るのである。
具体的にはまず重苦しい中でも中音で泣くように入るベース(うーんギターなのか?)の印象的なフレーズ。伸びやかで多分ベースのフレットをぐーんと指で滑らせるスライドも多用されていてこれがなんともメロディアスで哀切。涙を誘うというとさすがに大げさだが、大仰でない悲劇的な陰鬱さがあってこれが荒涼としたバックの演奏(ずうぅううーーという感じで低音は唸っている)に映える事。凶暴さそのものというよりは廃墟に漂うまさに幽霊の悲鳴の様な趣がある。もう一つはボーカルに低音以外も使用している事。あえてクリーンと書かないのは例えばボソボソとしたつぶやきであったり、なにかしらオリエンタル風の詠唱めいた朗々とした歌い方であったり、器用とは言えないものの曲全体の雰囲気に従いつつもそれをさらに拡張する様な実験的な声を取り入れている。勿論クリーンで結構メロディアスに歌い上げるフレーズも(全体の割合からすればわずかにしても)入っている。で、この歌い方が例えばメタルコアのサビの様な爽快感があると全くそんな事はなく、むしろ怒り以上に悲しみの感情がにじみだすようでなんともさらに陰鬱さを倍加させる。このやるせなさは一体どうした事だ。
短い2曲がJudgement、長い方の2曲がSuffocationと名付けられたコンセプトアルバムになっている。攻撃性に特化したJudgementもよいが個人的には長い分贅沢且つ感情豊かなSuffocationの方が好み。
1stに比べるとジャケットの色彩もやや豊かになっている通り、上記に挙げた激烈さと陰鬱さのとけ込みがさらに進化していて、激→メロウ→激という進行だったのだが、展開はありつつもさらに激メロウ同時のカオスさを両立させている印象。とても良い世界観。
前作にあった魅力を踏襲しつつさらにぎゅっと濃くなったとても良いアルバム。とても良いバンドなので沢山の人に聴いてもらいたい。とにかく見た目というか第一印象より聴きやすい音楽性だと思うので一回試してみてはいかがでしょうか。オススメですよ。
ラベル:
Bell Witch,
アメリカ,
サイケデリック,
ドゥームメタル,
ドローン,
フューネラルドゥーム,
音楽
2013年12月31日火曜日
Lycus/Tempest
アメリカはカリフォルニア州オークランドのフューネラルドゥームメタルバンドの1stアルバム。
2013年に20 Buck Spinからリリースされた。ジャケットがお洒落。
結成は2008年で停止期間を挟みつつ初めて世に出たのがこのCDな訳なのだが、結構界隈では有名らしく、まあその流れに乗って私も買ったんだけど。
なんでそんなに注目されているかというとメンバーの一人が元Deafheavenなんだよね。Deafheavenといえば(ファッション・サブカルクソ野郎で)今年リリースした名作「Sunbather」が賛否両論を巻き起こし(私が見たのは大体賛のほうだったんだけど、批判している人の意見も見てみたいな。)たあのバンドです。シューゲイザー+ブラックメタル+激情ハードコアのようなスタイルでまさに一世を風靡したある意味今年の顔のようなバンドじゃないかしら。そのDeafheavenでドラムを叩いていたのがTrevorさんといって上の写真の左端の人。なんとまだ23歳だとか。
自然とお洒落なかつキラキラした音への期待が高まる訳だけど、聴いてみるとこれがフューネラルドゥームなんだよね。
Trevorよ、おまえなして若い身空でこげな地獄のような世界に自ら飛び込んでしもうたんよ…
というわけではないんだけど、なかなか気合いの入ったフューネラルっぷりで若気の至りなどもう皆無な徹底的に絶望的なその音楽性に思わず居住まいを正したよね。
遅い、重苦しい演奏陣に、これまた低音のデス声が苦しいーと乗る伝統的なスタイル。
ドラムの音はタスタスしているのだが、寝ているんじゃないかと思うくらい叩かない。
ギターとベースはフューネラル特有の基本音数が少ないずーんずーんとカーテンのように苦しみが持続するあのスタイルです。
いわばフューネラルドゥームのイロハにそった伝統的なスタイルなんだけど、このバンドが面白いのは基本を踏襲しつつ自分たちのスタイルを確立しているところ。
簡単にいうと曲の展開が凝っていてまるでグラデーションのように、基本から実験的な展開に自然に展開させている。
その実験的なスタイルというのは、疾走するパートだったりもするんだけど、一番目立つのは音の数を増やすことではなかろうか。それこそDeaheavenのような派手さは無いが、ブラックメタルを彷彿とさせるトレモロっぽいギターが結構随所に挿入されている。これが実に饒舌かつメロディアスで灰色のようなフューネラルスタイルに程よく多彩な色をさしています。
これが個人的にはとても刺さったよね。ともすると眠っちゃうような反復的かつ地味なフューネラルに、その世界観を壊すこと無く緩急を導入することに成功している。
9分から20分台(それが3曲収録)という比較的長い尺でも一つの曲として飽きずに聴けるんだからなかなかどうしてさすがです。
途方に暮れたような静寂のパートや妙にお経めいた朗々とした不気味な歌唱法など、あくまでも伝統的なフューネラルスタイルも大切にしつつ、自分たちの音を確立しています。変な表現ですが、カラフルなフューネラルドゥームとでもいいましょうか。
大変気に入りました。
元Deafheaven云々気にせずすばらしいメタルだと思います。
フューネラル好きはぜひどうぞ。ドゥームは聴けるが、フューネラルはきつい、という諸兄も安心してどうぞ。
2013年に20 Buck Spinからリリースされた。ジャケットがお洒落。
結成は2008年で停止期間を挟みつつ初めて世に出たのがこのCDな訳なのだが、結構界隈では有名らしく、まあその流れに乗って私も買ったんだけど。
なんでそんなに注目されているかというとメンバーの一人が元Deafheavenなんだよね。Deafheavenといえば(ファッション・サブカルクソ野郎で)今年リリースした名作「Sunbather」が賛否両論を巻き起こし(私が見たのは大体賛のほうだったんだけど、批判している人の意見も見てみたいな。)たあのバンドです。シューゲイザー+ブラックメタル+激情ハードコアのようなスタイルでまさに一世を風靡したある意味今年の顔のようなバンドじゃないかしら。そのDeafheavenでドラムを叩いていたのがTrevorさんといって上の写真の左端の人。なんとまだ23歳だとか。
自然とお洒落なかつキラキラした音への期待が高まる訳だけど、聴いてみるとこれがフューネラルドゥームなんだよね。
Trevorよ、おまえなして若い身空でこげな地獄のような世界に自ら飛び込んでしもうたんよ…
というわけではないんだけど、なかなか気合いの入ったフューネラルっぷりで若気の至りなどもう皆無な徹底的に絶望的なその音楽性に思わず居住まいを正したよね。
遅い、重苦しい演奏陣に、これまた低音のデス声が苦しいーと乗る伝統的なスタイル。
ドラムの音はタスタスしているのだが、寝ているんじゃないかと思うくらい叩かない。
ギターとベースはフューネラル特有の基本音数が少ないずーんずーんとカーテンのように苦しみが持続するあのスタイルです。
いわばフューネラルドゥームのイロハにそった伝統的なスタイルなんだけど、このバンドが面白いのは基本を踏襲しつつ自分たちのスタイルを確立しているところ。
簡単にいうと曲の展開が凝っていてまるでグラデーションのように、基本から実験的な展開に自然に展開させている。
その実験的なスタイルというのは、疾走するパートだったりもするんだけど、一番目立つのは音の数を増やすことではなかろうか。それこそDeaheavenのような派手さは無いが、ブラックメタルを彷彿とさせるトレモロっぽいギターが結構随所に挿入されている。これが実に饒舌かつメロディアスで灰色のようなフューネラルスタイルに程よく多彩な色をさしています。
これが個人的にはとても刺さったよね。ともすると眠っちゃうような反復的かつ地味なフューネラルに、その世界観を壊すこと無く緩急を導入することに成功している。
9分から20分台(それが3曲収録)という比較的長い尺でも一つの曲として飽きずに聴けるんだからなかなかどうしてさすがです。
途方に暮れたような静寂のパートや妙にお経めいた朗々とした不気味な歌唱法など、あくまでも伝統的なフューネラルスタイルも大切にしつつ、自分たちの音を確立しています。変な表現ですが、カラフルなフューネラルドゥームとでもいいましょうか。
大変気に入りました。
元Deafheaven云々気にせずすばらしいメタルだと思います。
フューネラル好きはぜひどうぞ。ドゥームは聴けるが、フューネラルはきつい、という諸兄も安心してどうぞ。
ラベル:
Lycus,
アメリカ,
フューネラルドゥーム,
音楽
2013年1月12日土曜日
Worship/Last Vinyl Before Dooms Day
ドイツのフューネラルドゥームバンドの1999年発表作。
doom-mantra recordsから666枚限定で再発されたもので、グレースプラッター。
ふらーっとはいったデイスクユニオンで購入。
タイトルの由来は当時メンバーだったFucked-up Mad Maxさんが亡くなってしまったため、バンド最後ということで名づけたらしい。(ただしその後バンドは再始動している。)
そういう逸話もあってか、ドゥーム界隈ではとても有名なバンド。前から気になってはいたので購入しました。
そもそもフューネラルドゥームって何でしょう。
wikipediaによると
デス・ドゥームをより強烈に発展させたもの。際立って遅いテンポ、極端なダウンチューニングによる非常に重苦しい音が特徴で、鬱、破滅、死といったテーマを際立たせる。('funeral'とは「葬式」を指す。)Skepticism、Thergothonなどによって確立された。Norttのようにダーク・アンビエントからの影響でシンセサイザーを用いたり、思想的にブラック・メタルと融合しているバンドもある。とのこと。
曲のほうは重苦しいギターが、これまた重苦しくかき鳴らされ、ドスッ、バスッとドラムが思い出したように叩かれ、うなる様な抉る様なデス声がのっかるという地獄のような展開。
ただし単調ということではなく、要所要所に鐘の音やピアノ、アコースティックギターの音色がフィーチャされていて飽きさせない。そして何より、メロディがめちゃ美しい。 美しいといっても明るいわけがない、真っ暗である。陰鬱だ。救いがない。だけどずわーっと心に染み入ってくる。
音の残り、残響というのだろうか、がまた泣きたくなるくらいすばらしい。
過激なジャンルであることは間違いないけど、デスメタルみたいに「殺してやる」というような他人がいない世界。真っ暗な夜明けに寒い丘の上に立って途方にくれているような、そんな音楽です。
ラベル:
Worship,
フューネラルドゥーム,
音楽
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