2015年7月5日日曜日

The Armed/Untitled

アメリカはミシガン州デトロイトの4人組ハードコアパンクバンドの2ndアルバム。
2015年にNo Rest Until Ruinからリリースされた。
プロデューサーは売れっ子Kurt Ballouで彼のスタジオGodCity Studioで録音された。
このバンドの事は全然知らなかったのだが、BandcampでSmashing Pumpkinsの「Fuck You(An Ode to No One)」をカヴァー・公開しており、私は中学生の頃Smashing Pumpkinsを良く聴いていたのだが、「I don't need your love」と歌うこの半分曲名通りストレートにいかれた様な曲が(ギターソロを聴いてこれってグランジなの?って思った当時。)私は一番好きなのだ。原曲に忠実にしかしハードコアパンク超にさらに壊れた感じになっており、非常に気に入りちょうど良いタイミングで発表された新作を聴いた次第です。ちなみにこのアルバムは同じくBandcampで無料で公開されている。Name Your Priceではなく無料です。

AとMとDをあしらったロゴ、奇抜なペイントをしているのに放心した様な男(良い顔してる。)をフィーチャーしたお洒落感と「武装したヤツ」という剣呑なバンド名。
Kurt Ballouというとブラッケンド感あるクラストハードコアを想像しがちだが、このバンドは喧しいという点で勝るとも劣らないが、音楽性はより目まぐるしいハードコアに振り切っている。例を挙げるならConvergeやThe Dillinger Escape Planに近しいところがある。いわゆるカオティックハードコアと称されるバンド群にカテゴライズされるかもだ。(海外だとマスコアとかシンプルにメタルコアとか称されるようです。)
曲はだいたい2分から3分台で、ストレートに突っ走る曲と、それに少しフックを加えたちょい長めの曲と言った構成。
再生ボタンを押した瞬間にクラウチングスタートで突っ走る様な勢いがある。勢い第一のハードコアバンドなのだが、一秒先には曲がどうなっているか全く予想できない緊張感とヤバさに満ちあふれている。まさにいき急ぎ感マックスなテンションである。
ばしんばしんとやや湿った音で叩き付けるようにぶっ叩くドラム。マシンガンというよりは見にがんの様な重たい連射が気持ちよい。
ゴロゴロゴロゴロ岩が転がるようにうねりまくる硬質なベースはとにかく動く動く。(なんと女性が弾いているようです)
縦横無尽に低音から高音、ハードコアな弾き倒すリフからリズミカルかつグルーヴィに惹きまくるギター。高音のトレモロから叩き付ける様な低音鉄塊の様なリフがカッコいい。やけっぱち感のあるギターソロ、フィードバックノイズ多め。
内蔵全部でちゃうんじゃないかなって位終始ぶち切れている少し掠れたハードコアなボーカル。(男臭いのに妙に艶があって大変よい。)たまに出てくるコーラスワークも熱い。
それらがアンサンブルになると真っ黒く塗りつぶすハードコアではなく、まさしくジャケットの男のように赤、青、白と様々な絵の具を力一杯キャンバスに塗りたくった様な色彩豊かな楽曲が出来上がる。やかましく何がなんだか分からないが、スカムでも妙に高尚でもない。トレモロギターはブラックメタルを彷彿とさせるメロディセンスが光るし、ハードコア特有の乾いた表裏の無さは聴いていて耳に良く馴染む。まさにハードコア祭り状態。ブルータルながらも高揚されるお囃子に乗ってこっちとしては踊りまくるしかねえなといった様である。
とにかく突っ走りまくる前半戦、そして中盤に鎮座するスラッジ曲も激ブルータルで震える。次の曲では電子音を大胆に取り入れてとっちらかした後のアンビエントパートも映える(ぼそぼそしたボーカルはちょっとトレントっぽいかも)。後半は速度を落として、アンサンブル以外の音も取り入れた実験的な曲が増えてくる印象だが、こちらもばっちりハマっている。

やべーカッコいい、うおおおとなった後に、アレレ?これ本当ヤバくないですかね…となんか不安にすらなったアルバム。超カッコいい。とっととDLするんだ。超オススメ。
とりあえずこの曲を聴けば良いですので〜。

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