2015年2月28日土曜日

Ozigiri/電子粉砕神罰 Digital Grinding Retribution

日本のデジタルグラインドコアアーティストの3rdアルバム。
2014年にMaddest Chick'ndomからリリースされた。
OzigiriはZuhoさんによる一人ユニット。ZuhoさんはAbort Mastication(活動休止中)というブルデスバンドで高音、中音、低音を行ったり来たりする凄まじいボーカルを披露。こりゃあスゲエと思ったものです。そ2人組デジタルグラインドコアユニットのMoconorbはいくつか音源を持っているのだが、Ozigiri名義の音源はこれが初めて。

デジタルグラインドというとまずPig DestroyerのギタリストScott HullのAgoraphobic Nosebleedが思い浮かぶ私だが、そっちよりはメタル成分が減退しデジタル感が前面に押し出されている印象。
Squarepusherをフェイバリットに挙げる、さらに所属レーベルのカラーからしてブレイクコアの影響はかなり多大と思われ、事実容赦のないビート作りには感嘆させられる。こんな言い方は如何にも面白みが無いが、ブレイクコアアーティストとしての曲作りも滅茶苦茶堂に入っている。トラックからメタル成分をさっ引けばそこには上質なブレイクコア/スピードコアの土台が奇麗に残るのだろう。キックの連発は確かにガバっぽくもあるが、そこに乗るスネアその他の使い方が結構細かくバリエーションがあって個人的のはとても好き。
そこにゴアメタルで鍛えたの下品な(ほめてます)なガテラル、耳をつんざく悲鳴の様な高音スクリームが乗ってくる。完全にメタル。お洒落感皆無。さらにテクノ感すら皆無であって、ここでOzigiriがやりたいのはグラインドコアなのだと分かるのである。
連打されるキックはブラストビート由来なのだ。当然ギターがデスメタル由来のハーモニクスを多用するリフでもって登場する訳だし、ボーカルは終始叫んでいる。良く挿入されるSEもゴアグラインド方面を彷彿とさせる。だいたい2分くらいの尺で突っ走りまくる楽曲を聴くと、まぞそのデジタルサウンドに驚くがよくよく聴いてみればまぎれも無い至極真っ当なグラインドではなかろうか。
そもそもジャケットからして「Scum」であるから(過去作は「Kill Trend Suicide」だったりするようだ。)狙い所も分かってくるというもの。
歌詞を見るとユーモアのオブラートに包みながらも矛盾に疑問を投げかける様な視点はハードコアを片親に持つグラインドコアを感じさせて良い。

ブレイクコアもやはりマニアックなジャンルではあるのだろうが、そこにとどまらずにグラインドコアに接近する様は男らしいとしか言いようが無いだろう。本当に好きでやってます感が伝わって来てたまらん。
デジタルグラインドコアというのはニッチなジャンルの中でもさらにニッチなサブジャンルの極み的な孤高感を感じるけど、こんなにも面白い音源が出るというのは素晴らしい。こんな事も出来るのか!という面白さと曲のクオリティが両立しているとても良いアルバムだと思います。グラインドコア好きは是非どうぞ。オススメ。

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