2014年8月24日日曜日

Cavo/マアカ

日本は大阪のトライバルスラッジバンドの4th?アルバム。
2003年に大阪のcialmurraというレーベルからリリースされた。
どうやら3部作のうちの1作品のようだ。
Birushanahのギター/ボーカルのIsoさんがギタリストとして在籍していた(レーベルのページに2003年に脱退と書いてあるな。その後ソロアルバムノリリースがアナウンスされているけど結局出たのだろうか…)バンドで、この間のMonarchとのツアーの物販で買いました。マアカという25分に及ぶ大曲のみ収録されている。

Isoさんの他にはドラムがボズコさん、ベースがシャチさんという方々。ボーカルがヨナルテさんで、この人はBirushanahの「ヒニミシゴロナヤココロノトモシビ」のアートワークを担当していた方で確か本業は彫り師だったような。要するに大阪のシーンで関係ある人たち一派によるバンドということなのだろうか。ちなみにゲストでBirushanahの創始者でベーシストだった(現在は脱退してしまった)草魚さんも参加している。
マアカというタイトルは真っ赤ということかと思ったら、どうも違うらしい。歌詞カードを見るとウテクトとか謎の文字列があるからどうもこれはオリジナルな単語らしい。あとは基本的には日本語で構成されているようだ。
のっけのボーカルから分かるのだが、Birushanahにも通じる日本の伝統芸能を意識した様な吟じる様な雄々しいスタイルで、演奏もちょっと和の音階を意識したようなトライバルなものでかなり独特な世界観。
Birushanahが仏教の世界観を取り入れることである程度秩序を獲得したとしたら、こちらはもっと混沌とした原始の世界だ。

ボーカルは前述の呪術的とも表現すべき朗々としたスタイルから、のどから絞り出す様なシャウト、つぶれた様な低音とバリエーションがあるスタイルだが、録音の妙なのかどれも必死感が半端無い。かなり恐い。またこれまた呪術的な混声歌唱が結構大胆に取り入れられていて全体的に怪しい雰囲気が充満。曲の長さも相まってまるで一個の劇を見ている様な多彩な感じがある。それも眼前で今まさに行われているものを見ている様な生々しさ。
ギターは渦を巻く様な気持ちの悪いもので、溢れ出すように空間を埋めていくそのスタイルはBirushanahとは少し異なるようで面白い。
ベースはぶおんぶおん唸るスタイル。ギターもそうだが、メタルの刻む様な演奏スタイルというよりは切れ目なく音が続く様な演奏方法でもって妙な連続感が重々しい曲にも浮遊感を付与している。
ドラムはこれまたトライバルナスタイルで重たい一撃がなにかの儀式のように乱打される。恐らくドラム以外にも金属質なパーカッションや和太鼓?の音も録音されているのではなかろうか。
歌詞は少なく、同じ歌詞がミニマルに演奏スタイルをかえながらぐるぐる回る。これがすごい酩酊感を誘う。男女の混声で入り乱れて歌う後半の流れは圧倒的でなにかヤバいものを聞いている感がスゲー。
ただ暗いだけ、ただ重いだけのメタルとは指向性が違う。なにか目的があってそれをなんとか音楽で再現してみた、とも表現しようか。繰り返しになってしまうが激情性みたいなものがあって、それにただただ圧倒される。メタルバンドらしからぬ抽象的で単色のアートワークもなんとなくだが、彼らが表現しようとしていたものを指し示しているように思う。それは根源的で原始的なものなのだろうと思うが。因に曲の最後は嵐の中での呻吟が録音されていて地獄である。マアカとは何だろうか。分からない。自然に一部なのなかな?

という訳で人を選ぶだろうが、好きな人にはたまらないだろう。Birushanahが好きな人はどうぞ。より荒々しい世界観に文字通り打ちのめされることだろう。
私は早速他の作品も欲しいのだがどうしたら良いのか。ライブでもこれしか並んでなかったようだし、地道に中古を探すしかないのかも〜。
是非聞いていただきたいんだけど視聴がないみたい…

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