2013年10月13日日曜日

Broken Hope/Omen of Disease

アメリカのイリノイ州シカゴのデスメタルバンドの6thアルバム。
2013年にCentury Media Recordsからリリースされた。
Broken Hopeというバンド名は何となく若手のデスコアバンドっぽい雰囲気なのだが、結成は1988年というベテランバンド。

前任ボーカルの急逝などの問題を抱え活動休止期間を挟みつつ活動を再開。前のアルバムから14年の歳月を経て今作がリリースされたそうな。ちなみに私はこのアルバムで初めて彼らの音楽を聴いたよ。

タイトルは直訳すれば「病の前兆」か。なんとも婉曲的に不安を駆り立てるようで良いではないですか。
メンバーはボーカル、ギター2人、ベース、ドラムというオーソドックスなスタイル。
曲の長さは2分台から長くて4分台だから少し短め。ところがグラインドコアとは違って、かなりオールドスクールなデスメタル。速いパートは速いが、基本中速主体で押しつぶすようなブルドーザースタイル。
流行のビートダウンほどの露骨さはないが、曲間に地を這うような低速パートを導入していてこれが格好いい。
選任のボーカルは唸るような超低音デスボイスで、ひたすらぐおぅぐおぅきゅるきゅるいっていて良い。中速〜低速にかっちりハマるタイプ。たまーに高音シャウトが入っている。(楽器隊の人の声かもしれん。)
兎に角リフがかっちりした印象で、場合によっては結構グルーヴィ。職人芸かというくらい刻みまくりで重苦しいが、リフの決め所に高音ハーモニクスを多用していて、ともすれば地味になりがちな曲にアクセントを加えている。またテクニカルなんだが遣り過ぎないギターソロも結構大胆に取り入れている。
ドラムは重〜いバスの連打と乾いたタム、速度がない状態でも手数が多めで聴いていて楽しい。ただしあくまでもかっちりしたスタイルでフリーキーではない。
ベースラインが面白くてよく聴くと結構裏で唸っている。運指(書き方合っているかな…)が大胆なんで、ぶーんぶーん動き回るようなイメージ。
これらでアンサンブルを奏でる訳なのだが、全体的にしっかりとした土台があって、その上にテクニカルさに裏打ちされたアクセントをつけるようなスタイル。派手さはないが、安定感が抜群。
音質はクリアかつ乾いていて、個人的にはこれがとてもいい。ここでマニアックに音質を悪くさせると、なんならかっちりしすぎているから金太郎あめ状態になってしまって、アルバム全体が退屈なものになってしまっていたような気がする。
ベテランらしい作曲・演奏スタイルなんで、こういったクリアな音質で勝負した方が良さが出て、露呈するようなぼろもベテラン故にないのだからいいのかな〜と思う。

派手さはないが、要所要所でベテランらしい職人芸がぎらりと光るいぶし銀。
やっぱりこういうオールドスクールなデスメタルはいいですな。
オススメです。

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