2013年8月17日土曜日

MMOTHS/Diaries


アイルランドの気鋭のクリエイターJack ColleranによるセカンドEP。
2013年にSQE Musicからレコード形式でリリース。ダウンロードクーポン付き。


なんと1993年生まれだからまだ二十歳という、吃驚アーティスト。まだ若造でないか。おそろしや。
音の方はというとチルウェイブという比較的新しそうなジャンル。
当然チルウェイブって?となる私もメタル以外はさっぱり分からないので、引用の引用をしてみよう。
共通しているのは、リヴァーブが深くかけられたもやもやとした音像、エフェクトのかかったヴォーカル、浮遊感のあるシンセのループ、そしてディスコティックなビート――80年代シンセ・ポップに、ヒップホップ的なビートを組み合わせ、アンビエントな空間処理をしたものという感じ。
(出典:http://matome.naver.jp/odai/2134718530689753101)
という感じ。
いかにもオシャレでスノッブな感じ。まあ流行ものっつたら身もふたもないが、通りすがりの私が気まぐれに聴くくらいだからなー。ちょっとひどい言いようだが、肝心の音楽は素晴らしいのでご安心を。

この人は前のセルフタイトルのデビューEPを聴いて好きになったのだが、まだフルレングスは出していないと思う。)、非常に静謐とした音楽で非常にリラックスできる。
今作を聴いても思ったのだが、水っぽいのよ。びちゃぼちゃしているというのではない。なんだか音が雨だれみたいだな、と思ったのが第一印象。これは打ち込みのビート音とシンセの音の種類と使い方で。音が小さいというか、細い。そして旋律を刻むにしても間があってなんならちょっと散発的に聴こえるんだよね。それこそぱらぱら降る雨のように。これがとても心地いいわけです。
でよく聴いてみるとその他の音に関してもリバーブのようなエフェクトがかかっているから、水に発生する波紋のように、くわんくわんだんだん遠ざかりながら音が反響するんです。音の数は決して多くないけど、使い方が絶妙で微妙なノイズ音も完全に計算しつついいタイミングで入れてくるところはさすが。アトモスフェリックというか立体空間的な音楽なんだよね。これはすごい音響システムで是非聴いてみたいと思う。音の発生源がずれているように聴こえるから、目を閉じると本当に別空間につれてこられたようだ。
全体的に温度感が素晴らしく、基本冷たいんだけどほんのりあったかい。
ボーカルが入っている曲もまったくもって自然に調和していて驚く。すげえもんだ。

全部で6曲でやっぱりちょっと短い。フルレングスが聴きたいもの。
二十歳と侮るなかれ、メタルを聴いている人は五月蝿いもの好む反面、妙に不穏な静けさに心弾かれることがあると思う。
たまにはこういうのもいいかも。

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