2014年2月1日土曜日

Storm of Void/Storm of Void

日本のインストバンドの1stEP。
2013年にSonzai Recordsからリリースされた。
新人というよりは名のあるバンドからメンバーが集って結成されたようで、メンバーは日本の激情/ポストハードコアバンドenvyのダイロク、日本のお祭りミクスチャーバンドタートルアイランドのジョージ、日本のハードコアバンドFC Fiveのトクとなっている。
どのバンドも有名なので好きな人にはたまらないんだと思うんだが、私は恥ずかしながら上記のバンドの中ではenvyしか音源を持っていないのであった。
とあるサイトで紹介されていたEPの予告動画が格好よかったので購入した次第。

音はというとレーベルの紹介の通りざっくりポストメタルといってしまって問題ないと思います。8弦ギターとベース、それにドラムというシンプルなスリーピースながらも重厚な音空間は作り出している。
envyほどアーティスティックではないが、頭にポストのつかないメタルの過剰な暴力性はない印象。中途半端というよりはバランス感覚に優れていて、気取らない素直な曲展開の中にも喜怒哀楽の一つに偏らないんだけど感情のこもった(ポストメタルというジャンルの面白みの一つにはこういうバランス感覚があると思うんだ。)緊張感を維持している。曲の長さも4分台から7分台とこのジャンルにしたら比較的コンパクトにまとめられている。
比較的手数の多いドラムは音が乾いていてよく響く。
ベースはデロデロした音で前に突出しすぎることなく縦横無尽なスタイル。
ギターは兎に角バンドの顔で変幻自在に動きまくるタイプ。
初め聴いたときはギターの饒舌さと懐の広さにいたく感心したんだけど、よく聴くとベースの音が相当気持ちよい。大人しそうに見えて実際裏の方でぬるんぬるん動いている。ベースに集中すると今度は堅実にリズムをキープしつつも手数の多いドラムが気になってくる。派手さはないのにかなり技巧的な印象でなるほどバンドとはこうあるべきなのかもというくらいのコンビネーションの良さがきらりと光る。
ちょっぴりアングラなメタルというとどうしても先鋭的になる分アクの強さが出てしまうけど、ポストメタルは感情豊かながらも結構伸びやかにジャンルを横断できるような強みがあってそれがこのバンドでは楽しめる。

ポストメタルの良さがぎゅっと濃縮されて詰まったようなとても良い出来。
如何せん3曲収録ではちと物足りないのでフルアルバムに期待。

0 件のコメント:

コメントを投稿