2013年にLoma Vista Recordsからリリースされた。
全部で5曲入りで、最後のSecular Hazeのライブ音源以外はすべてカバー曲となっている。
以下が曲名とオリジナルアーティスト。
1.If You Have Ghost (Rocky Erickson) アメリカのシンガーの81年発表アルバム収録曲。
2.I'm a Marionette (ABBA) 言わずと知れたスウェーデンのポップバンド77年のアルバム収録。
3.Crucified (Army of Lovers) 1987年結成のスウェーデンのダンスポップバンド。91年作。
4.Waiting for the Night (Depeche Mode) イギリスのシンセポップバンド90年アルバム収録曲。
という感じ。私はいくつかのアーティストは名前は知っているものの曲に関してはどれも知らなかった。バンド名を見るととても有名だからオリジナル曲を知っている人は多いのかも。
プロデューサーは元Nirvanaのドラムで現Foo Fightersギターボーカル、デイブ・グロール。実は知らずに買ってブックレットを見て驚いたのだけど、Queens of the Stone Age(今や超有名バンドだけど)に参加したり、Southern LordからProbot名義で結構マニアックなミュージシャンたち(Motorheadのレミーを始めどメジャーな人もいたけど)とコラボしてたり、結構マニアックな人なのかもしれないですね。プロデュースにとどまらず曲によってはドラムを叩いたり、ギターを弾いたりもしているようです。
3色刷りのお洒落なジャケットの元ネタは恐らく映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」ではないかと。
1922年のドイツ映画で、偉そうにいう私も実は見たことないのだけど、1978年にヴェルナー・ヘルツォーク監督の手で「ノスフェラトゥ」としてリメイクされており、こちらは見たことがあります。大変恐ろしい映画で、暗黒メタルファンの諸兄には非常にオススメ。たしか劇中に出てくる不気味な少年が弾くバイオリンの旋律をイントロに使ったブラックメタルのアルバムがあったような…Dekadent Aesthetixだったっけな。オリジナル版も見てみようかな…
さて曲の方はというと、2ndアルバムの流れを汲むクリアかつヴィンテージな雰囲気の漂うクラシックなロックスタイルとなっている。ただし音の質は重みがあって今風になっているので大変聴きやすい。そう考えると今風の音で時代を感じさせる演奏をこなす彼らの技量のほどがわかりますな。
ちょっと怪しい雰囲気のオルガン調のキーボードも引き続きいい味を出している。
なんといってもボーカルがすばらしく、透明感がある伸びやかな声でありつつも、何ともいえない妖しさ艶っぽさがあって良い。原曲を知らないからあれなんだけど、知っている人が聴いたらどう思うのか、知りたいところ。
全体的なドゥームメタル然とはしていなく、かなりメジャー指向な感じ。とはいえセルアウトしたようなわかりやすい迎合した安っぽさは皆無で、あくまでも彼らのスタイルをきっちりと踏襲した堂に入った音楽性でファンも文句のつけようはないでしょう。元々見た目のおどろおどろしさと、楽曲の持つフックに富みつつもポップ性をふんだんに取り入れた音楽性だから、メジャー所の楽曲もがっちりハマるんではなかろうか。
ネットを駆使し原曲を聴いてみたけど、結構どの曲もオリジナルに忠実に演奏しているようだ。(4曲目だけは結構曲調は違うかも。)とはいえ年代もあって当然ここまでがっちりとしたバンドサウンドではないので、そこに彼らのオリジナリティが伺える。完全にメタル調にするのではなく、オリジナルの雰囲気というか良さをそのまま残しているところはさすがか。
というわけで彼らのファンなら買ってみて損はないと思います。
私も楽しめましたが、やっぱりYear Zeroのような邪悪っぽさがある曲も聴きたいな〜とも。個人的にはこの曲が良かった。
0 件のコメント:
コメントを投稿