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2013年12月1日日曜日

Ghost B.C./If You Have Ghost

北欧はスウェーデンのドゥームメタル・クラシックロックバンドのRP。
2013年にLoma Vista Recordsからリリースされた。
全部で5曲入りで、最後のSecular Hazeのライブ音源以外はすべてカバー曲となっている。
以下が曲名とオリジナルアーティスト。
1.If You Have Ghost (Rocky Erickson) アメリカのシンガーの81年発表アルバム収録曲。
2.I'm a Marionette (ABBA) 言わずと知れたスウェーデンのポップバンド77年のアルバム収録。
3.Crucified (Army of Lovers) 1987年結成のスウェーデンのダンスポップバンド。91年作。
4.Waiting for the Night (Depeche Mode) イギリスのシンセポップバンド90年アルバム収録曲。
という感じ。私はいくつかのアーティストは名前は知っているものの曲に関してはどれも知らなかった。バンド名を見るととても有名だからオリジナル曲を知っている人は多いのかも。

プロデューサーは元Nirvanaのドラムで現Foo Fightersギターボーカル、デイブ・グロール。実は知らずに買ってブックレットを見て驚いたのだけど、Queens of the Stone Age(今や超有名バンドだけど)に参加したり、Southern LordからProbot名義で結構マニアックなミュージシャンたち(Motorheadのレミーを始めどメジャーな人もいたけど)とコラボしてたり、結構マニアックな人なのかもしれないですね。プロデュースにとどまらず曲によってはドラムを叩いたり、ギターを弾いたりもしているようです。

3色刷りのお洒落なジャケットの元ネタは恐らく映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」ではないかと。
1922年のドイツ映画で、偉そうにいう私も実は見たことないのだけど、1978年にヴェルナー・ヘルツォーク監督の手で「ノスフェラトゥ」としてリメイクされており、こちらは見たことがあります。大変恐ろしい映画で、暗黒メタルファンの諸兄には非常にオススメ。たしか劇中に出てくる不気味な少年が弾くバイオリンの旋律をイントロに使ったブラックメタルのアルバムがあったような…Dekadent Aesthetixだったっけな。オリジナル版も見てみようかな…

さて曲の方はというと、2ndアルバムの流れを汲むクリアかつヴィンテージな雰囲気の漂うクラシックなロックスタイルとなっている。ただし音の質は重みがあって今風になっているので大変聴きやすい。そう考えると今風の音で時代を感じさせる演奏をこなす彼らの技量のほどがわかりますな。
ちょっと怪しい雰囲気のオルガン調のキーボードも引き続きいい味を出している。
なんといってもボーカルがすばらしく、透明感がある伸びやかな声でありつつも、何ともいえない妖しさ艶っぽさがあって良い。原曲を知らないからあれなんだけど、知っている人が聴いたらどう思うのか、知りたいところ。
全体的なドゥームメタル然とはしていなく、かなりメジャー指向な感じ。とはいえセルアウトしたようなわかりやすい迎合した安っぽさは皆無で、あくまでも彼らのスタイルをきっちりと踏襲した堂に入った音楽性でファンも文句のつけようはないでしょう。元々見た目のおどろおどろしさと、楽曲の持つフックに富みつつもポップ性をふんだんに取り入れた音楽性だから、メジャー所の楽曲もがっちりハマるんではなかろうか。
ネットを駆使し原曲を聴いてみたけど、結構どの曲もオリジナルに忠実に演奏しているようだ。(4曲目だけは結構曲調は違うかも。)とはいえ年代もあって当然ここまでがっちりとしたバンドサウンドではないので、そこに彼らのオリジナリティが伺える。完全にメタル調にするのではなく、オリジナルの雰囲気というか良さをそのまま残しているところはさすがか。

というわけで彼らのファンなら買ってみて損はないと思います。
私も楽しめましたが、やっぱりYear Zeroのような邪悪っぽさがある曲も聴きたいな〜とも。個人的にはこの曲が良かった。

2013年6月16日日曜日

Ghost B.C./Infestissumam

スウェーデンのロックバンドによる2ndアルバム。
2013年リリース。
このバンド1stアルバムをリー・ドリアンさんのRise Above Recordsからリリースして以来色々と話題になったバンドらしく、なんと日本版もリリースされました。私は1stアルバムは聴いていないのだけれど、流行に乗って買ってみたよ。通常版と2曲加えた限定版、日本版はさらに1曲ボーナストラック含むというので、ユニバーサルから出たちょっと高めの(といっても2300円くらいだけど)日本版を買ったんだけど、iTunesで3曲とも買えるんだね…まあバンドの来歴や歌詞の対訳が読めたので良しとしよう。

音楽性を語る前になんだけど、このバンド見た目がかなりかわっている。
真ん中の司祭か司教(違いが分からないよ、適当です。)みたいな格好をしているのがボーカルのPapa Emeritus IIさん。後のメンバーは黒ずくめで誰が誰だか分からない。名前もNameless Ghoulstといってあえて個性が出ないようにしている。
外見だけみるとかなり厳つい、そして怪しい。私はこのビジュアルをみたとき思ったね。こいつらいったいどんだけヘヴィな音楽を鳴らすのか。かなり過激なブラックメタルか。はたまたSunn O)))みたいなアバンギャルドかつ実験的なドゥームメタルなのか。
おそるおそる聴いてみるとそんな考えは見事に裏切られたね。
私はそこら辺の年代の音楽に明るくないからよくわからないんだけど、70年代っぽい(意図された)古くささ漂うポップ性に富んだメタルだったんだよね。
ドゥームメタルっぽさもあるんだけど、アングラ感は見事にない。劇的に遅い訳でも、重い訳でもない。とにかく聴きやすい。
これはもうしてやられたという感じです。自己プロデュースがしっかりしているよね。見た目と音楽のギャップが。
ただよおく聴いていると楽曲の方も一筋縄ではいかない。計算された(批難している訳ではありません。)レトロ感、これが独特の怪しさを作り出している。シンセの独特のセロセロした音もいいんだけど、情感たっぷりのギターソロもたまらない。しかも楽曲自体は結構モダンな感じがする。変拍子やクワイアなどかなりどん欲に要素を取り込んで楽曲のクオリティをとても高いものにしてる。格好とその音楽性で注目度は抜群な訳なんだけど、妥協しないクオリティで一発屋に成り下がっていない。いわば見た目の奇抜さを餌に一目を集めるのだけど、歌もしっかり聴かせるんだね。その歌というのがミソでポップ性がかなり意識されていてとてもキャッチー。ボーカルはこれまた独特の怪しさを持った伸びやかな中音域で、時に見た目に反して爽やかさを感じさせるくらいなんだけど、見事な歌心というのか、叙情的で聴かせるね〜という感じ。思わず歌っちゃうくらいポップでたまらん。
見た目と楽曲の怪しさとキャッチーさを見事に同時に成立させているその唯一無二の音楽性に拍手。中身が見た目に負けてない。むしろ奇抜な見た目すらも楽曲を引き立てる小道具にすぎないんじゃないと思ってしまうようなクオリティ。
歌詞の対訳をみてみるとかな〜りオカルティックでこれも面白〜。

これは話題になるのもうなずける面白いバンドです。
万人にお勧め。びっくり名盤。
とにもかくにも聴いてご覧なさいよ。