2017年2月26日日曜日

MIZERY/Absolute Light

アメリカはカリフォルニア州サンディエゴのハードコアバンドの1stアルバム。
2016年にFlashpot Recordsからリリースされた。
バンド名は悲哀を意味する単語Miseryをもじったものだと思う。
Twitching TonguesやXibalbaのメンバーらが結成したバンド。両方のバンドが好きなので何とは無しに購入してみた。

前述の二つのバンドは男臭い叙情性を持ち込んだハードコアと、陰惨なモッシュコアなわけなんだけど共通してその音は重苦しい。両者に比べるとこのバンドはかなり趣が異なる。音が軽いわけではないけどひたすら低音にこだわることは意識していないようだ。分離が良いクリアな音で録音されており、ドラム、ベースはもちろんギターも中音域が程よくザラついていながら湿気の少ないカラッとした音作りがなされている。昨今流行の先端を行くようなかなりリズムに特化した、パーカッシブなハードコアサウンドからは明らかに一線を画すサウンドが展開されている。影響を受けたものにMetallicaをあげるくらいスラッシュメタルに影響を受けた歯切れの良く勢いのあるリフが曲を引っ張って行く。速度もズドンと落とし込むようなブレイクダウンは無し。速度が速いといってもファストコアのような雰囲気もなしで、オールドスクールなハードコアを演奏している。
ベテランらしく明快な楽曲も創意工夫に飛んでいる。単語ごとに歯切れよくしゃがれ声で吐き捨てて行くボーカルに対して、ギターはかなり感情的。特にスラッシーなリフ、つんのめるように展開するハードコアなリフ、そしてコード感溢れる高速アルペジオ(いわゆるエモスタイルな単音をなぞっていくようなやり方とは一線を画す)のような音数の多いでシンプルな中にも豊かな感情を表現していく。特に最後の弾き方は必殺技みたいな形で結構いろんな曲でも顔を出す。

カラッとした陽気さの中にもやんちゃな”悪さ”が見え隠れてしていてそれがかっこいい。いったことはないんだけどカリフォルニアか〜という感じのサウンド。ブルータル合戦にちょっと疲れました…という人は手にとってみたらいかがでしょうか。

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