(ノルウェイにJagged Visionというバンドがいるがもちろん別物。)
2016年に(おそらく)自主リリースされた。
Ancestral Unholy Terrorを標榜する現在は4人組(5人組時代もあったようだ)のバンドで少なくとも2012年には活動を開始していた。たまたま2014年Trip Machine LaboratoryからリリースされたEP「Beyond The Serpent's Touch」の7インチを購入したらカッコ良かったのでデジタル形式でフルアルバム、とその後リリースされたEP「Eternal Order of the Golden Sun」を購入した。
モノトーンを基調にしたアートワークを見るとどちらかというとメタリックな雰囲気を醸し出しており、ストレートなハードコアスタイルとはやや異なった指向性を持っていることがわかる。
音楽の方はというとしゃがれ声の邪悪なボーカルはブラックメタルっぽさもあるのだが吐き捨て型のスタイルは明らかにハードコアだし、演奏の方もメタリックな要素もありつつ明確に思い切りの良いハードコア。モダンな作風で叩きつけるようなリズミカルな演奏で暴れつつ暴れさせる。モッシュに適した、という言葉がぴったりくる縦の動きにゆったりとした円環の動きを混ぜ込んだノリで速度は基本遅めで全編ブルータルだが、イントロや中盤の速度の落とし込みでわかりやすいほどの踊りやすさを展開。
面白いのは楽曲によって結構多彩なゲストボーカルを迎えていること。マッチョなこれぞハードコアな人から、ラッパーまで。演奏がパーカッシブなのでラップはマッチしている。ColdWorldをはじめとして結構ラッパーを招くハードコアバンドは多いけど、一風変わったメタリック・ハードコアにラッパーを招聘するって自分的には結構面白かった。Slamcokeほどの下品さ、ごった煮(なんでもありのミクスチャー)感ではないかな、という感じ。全部で10曲だが飽きさせずに聞かせる工夫にもなっていると思う。
邪悪なメタリック・フレーバーを聞かせつつゴリゴリ乗せにくるというフックの効いたイケイケ感が個人的には結構気に入った。あえていうならアルバムの前後に出しているEPの方が”黒さ”が色濃くてもうちょっとそこらへんの要素をアルバムにも盛り込んでも良かったかな、と思う。特にアルバムの4ヶ月後にリリースされたEP「Eternal Order of the Golden Sun」ではなんか勇壮なメタリック・コーラスを導入した楽曲もあって、えーこんなこともするのかよ、かっこいいとなったり。そう入った意味では次の音源も楽しみ。
ちょっと変わったハードコアを聴きたい人は是非どうぞ。ミクスチャーという言葉にちょっと思うところがあるよ、という音楽好きな人もとっつきやすいのでは。
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