2016年12月11日日曜日

REDSHEER x NoLA Split 7inch ~Gray Matter~ Release GiG@東高円寺二万電圧

年の暮れも迫った12月の日曜日、昼間の12時から高円寺でTILL YOUR DEATH RECORDSのコンピレーション第三弾で収録されているREDSHEERとNoLAがスプリット音源をリリース。そのタイミングでライブをするというので足を運んだ。日曜日は出不精になりがちだけど昼間からというのは嬉しい。
鈍りがちな体も動かしたいし、高円寺なら大丈夫かな?と思って自転車で新宿経由で行ったら道に迷ってまさかの遅刻。(ちなみに自転車楽しかったけど超疲れた。)既に一番手REDSHEERが演奏中。一生の不覚。フロアはかなり埋まっている感じ。
二万電圧は初めていったのだが、革ジャンに身を包んだスタッフが外に立っているからわかりやすいし、ソフトドリンクでグレープフルーツジュースがあるのが個人的にはよかった。

REDSHEER
入ると前述のコンピに収録されていた「DistortionsControtions」のちょい手前。
ベースボーカルのオノザトさんは既に汗だくで鬼の形相である。
最新音源を聴いても思ったが(というかそういう趣旨で集められたコンピなので)、REDSHEERはその歪んだ音像に圧倒されるが、激情/カオティックに親和性がある。ただ美麗なポスト感や贅沢な音使いが絶望的に皆無で、3人編成で余計なものを極力削ぎ落としまくっているし、出来上がった音が(日本の)激情系特有のユースっぽさを微塵も感じさせないので、それらと比べると結構違和感があるのだと思う。しかし、マイクを食べる様な勢いで喚きまくり、そしてときに歌う様なボーカルだったり、豊かな表情を持つ複雑な曲展開だったりは確かに激情の影響が色濃い。今日改めてなまで見て思ったのは、REDSHEERは非常にエモーショナルなバンドだ。イカツイ見た目(と音)に惑わされがちだが、ギターに注目してみるとこの上なく感情に溢れている。低音一辺倒ではなく良い感じに粒々した音がぎっしり詰まっている様な音が個人的にはとても好きだし、そんな音で披露されるブラックメタル顔負けに弾きまくるトレモロリフ、鋼鉄の塊の様に叩きつける低音はひたすらかっこい良い。何と言っても細かい音で作られるアルペジオが魅力的でクリーンかつクリアでゆったり、ディストーションがかかった速度の速いものだったり同じアルペジオでも出される色が全く違う。どれもが非常に感情に満ちている。REDSHEERはボーカルがないパートも結構な比重を占めるけど、むしろそんなパートに言葉にできない感情が溢れている様に思う。リズムをキープしつつ音の数が多いドラムはSadness Will PrevailらへんのToday is the Dayのそれにちょっと似ているなと思った。
全体的にギュルギュルと内巻きの螺旋で落ちていく様な、そんな悲壮感、絶望感がある。しかし退廃的というよりは首だけになっても噛み付いていく狂犬の様な、そんな強烈なエネルギーに満ちている。これが高揚感と、そしてさらに胸の奥深くに突き刺さってくる。とにかく無駄がない分全編異常な緊張感に包まれていてヒリヒリしたという形容詞がぴったりだ。こういうタイプのバンドと音でライブを見てこんな感情が湧いてくるというのが個人的には驚きで、そして非常な楽しみである。やっぱり最高だ。どんな言葉より励ましになる。

NoLA
続いてはNoLA。前述のコンピで聞いたのみなのでほとんど前情報がない。
5人組のバンドでボーカルは専任。メンバーは皆背が高く細い。スタイルが良いのでよくステージで映えていた。
曲が始まるとREDSHEERとは全然違う!!すごいびっくりした。もっと素直にエモバイオレンスな激情かな?と思っていたのだが、音自体はかなりサザンロックというか泥臭いビンテージなロックの影響のある、ともするとElectric Wizardを豊富とさせるためのあるリフが飛び出してくる音を演奏していた。ただこれを凶暴にアンプによってブーストさせていてもはやドゥーム感はほぼない。スピードも速いし、テンションも高めで外に外に開いていく感じ。バネが仕込まれている様に跳ねる大音量のバスドラムが生み出すビートに身を任せていくと異常な高揚感に浸れる。専任ボーカルは楽器がない分ステージ上のアクションで魅せる。長い手足を活かして動き回る、白目をむいてヘドバンする、客席に倒れこむ、お客さんの帽子を被る、などなど。次は何をするんだというワクワク感は激しい音を鳴らすバンドを象徴する魅力的なキャラクターだと思った。REDSHEERにあった閉塞感・緊張感などの陰性の雰囲気はあまり感じられず、とにかく粗野で凶暴だ。本能に訴えかけるボディミュージックで良いも悪いもあるかという感じ。例えば草食動物を捕食するライオンを見て良いとか悪いとかいうのは変でしょう。ただ暴力的で恐ろしいがなんとなく野生を捨てた人間には魅力的に見えてしまう。NoLAはそういったバンドの様に感じた。とにかく凶暴、獣。非常に楽しかった。

REDSHEERとNoLAは同じカテゴリでも正反対と言っていいほど個性の異なるバンドだと思った。ハードコア、非常に懐の深い音楽。スプリット音源とNoLAの音源2枚を購入して外に出ると冷たい12月の外気が暑くなった体が良い感じに気持ちよかった。日差しも気持ちよくてお昼のライブは良いものだな〜と思った。(感想もその日中に書ける!)
主催者・出演者の皆様ありがとうございました。

0 件のコメント:

コメントを投稿