2016年12月24日土曜日

Haymaker/Taxed...Tracked...Inoculated...Enslaved

カナダはオンタリオ州ハミルトンのハードコアバンドの2ndアルバム。
2016年にA389 Recordingsからリリースされた。
Haymakerは強烈な一撃という意味でLeft For Dead、Chokeholdなどのハードコアバンドの元メンバーにより結成された。1stアルバムは2001年にリリースだからどうもこのアルバムがリリースされる間に休止の期間があったようだ。
FBによると5人組で彼らのライブは喧嘩とそれによる怪我が元に強制的に終わってしまうのが普通だとか。おっかない。
このバンドもみちのくさんの年間ベストから。

全部で20曲で19分弱だから1曲1分ないことになる。パワーバイオレンスというよりはひたすら早いハードコアという感じ。今風のブレイクパートはほぼなし。常に突っ走る激走スタイルでここら辺はメンバーがかつてやっていたLeft For Deadに通じるところがある。(私はLFDは大好きなんだ。)
ボーカルが結構特徴的でハードコアでは珍しくないのかもしれないが、ハリがありつつも甲高いおっさんボーカルで男臭い咆哮と、曲の速度に合わせて早口でまくしたてるような歌唱法が声質と相まってかなり独特で初めは戸惑うものの異常な中毒性がある。
ザリザリとささくれて荒っぽい音質はハードコア然としているが同じく今年新作をリリースしたSex Prisonerに比較するともっと音がクリアに録音されている。またノイジーで奔放な高音で構成されたフレーズを重たいリフに重ねてくるので部分的に見ればかなりメタリックで、時にメロディアスだ。一見とっつきにくいが、ひたすらシンプルな曲がキャッチーなリフで明快に進行するために実は結構聴きやすい。暴力的なサウンドだが内省さはほぼ皆無でひたすら前に前に、外に外に押し出していく。行動原理は怒りで「課税され、追いかけられ、植え付けられ、奴隷にされる」というアルバムのタイトルにもそこらへんの感情が見て取れる。
まさにレイジング・ハードコアという感じで聴いていると否応無しに高揚してくる。よく考えればシンプルかつキャッチーなリフでを反復し、その上に詳しくはわからないが(英語わからないし、歌詞カードが手元にないので)なんとなく怒っているなーという感じの演説(歌)が乗っかるわけでこれは結構構成的なアジテートだ。マニアックなメタルと違って聴いたら誰でも楽しめる(まあ実際には好きな人しか聞かないだろうけど…)全方位的なのがハードコアって感じでカッコ良い。

こりゃかっこいいわ。Left For Dead好きな人は是非どうぞ。おすすめっす。

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