2015年11月22日日曜日

Svffer/Empathist

ネオクラストバンドAlpinistのメンバーらが結成したドイツはミュンスター/ベルリンの女性ボーカルハードコア/エモバイオレンスバンドの2ndアルバム。
2015年にVendetta Recordsからリリースされた。
私はBandcampでデジタル版を購入。
2014年に発表された1st「Lies We Live」はその苛烈かつ人を惹き付ける音楽性でもって日本でも話題になったバンドなので、今作も2nd出てるぜ!とTwitterで話題になっておりました。タイトルの「Empathist」というのはどうも造語らしい。Empathyというのが感情移入という意味なので、感情移入者だろうか。なかなかこの類いのバンドには珍しいタイトルかもしれない。
今回は全部で8曲、16分と速かった前作よりさらに削ぎ落とし、切り詰めて来た超攻撃的な作品にし上がっている。

滅茶速い音楽性は確かにグラインドコア感もあるのだが、由来を感じさせるのは圧倒的なハードコア感。それでいてパワーバイオレンスとは一線を画すこの音楽性は改めて新作を聴くと中々面白いものがあると思う。
重たくざらつきまくったギターの音色はダークなクラストを感じさせる。ただクラストにくくるには速すぎる感じがある。勢い重視の曲展開、そしてその短い曲の中にアイディアが詰まっており、高速⇄低速を始めとして展開が目まぐるしく変化する。なんとなくカオティックハードコア感が感じ取れる。なんというか神経症患者がConvergeを早回しでプレイしている様な激烈さがある。カオティックハードコアというと凝りまくった展開という要素でもってともするとインテリジェンスかつアーティスティックに走ってしまう傾向もあるもんだけど、このバンドに関してはそこら辺の装飾性は皆無であくまでも曲の勢いを殺さないというか、むしろ色々やっているのにスピードは増している様な印象すらある。メタルの正確無比を突き詰めた結果の非感情的な残虐性とは無縁で、怒りを筆頭に日々の感情を2分そこそこの曲にむりやり詰め込んだ様な音楽性。例えばスピードアップして正気じゃない人間の日記を読んでいる様な訳の分からなさとそして無類のかっこよさ。エモバイオレンスというのはなるほどこういった音楽性なのか。確かにエモい。
この間紹介したYacopsaeのトリビュートにも参加していたLeonieのボーカリゼーションもいよいよ映えて良い。掠れまくったハスキーボイスで終始叫びまくっているのだが、これが重たく速く金属質な演奏の波にぐわーっと乗っているかのように聞き手に迫ってくる。Svfferの音楽は巨大な波が崩壊しつつこちらに迫ってくるような勢いと恐ろしさの予感がある。ラストが少し長めで(といっても3分台だけど)余韻を残して終わるのも非常に良い。何回でもリピートしてしまう。

という訳で短いスパンでいりリースされた今作も素晴らしいものでした。
気になっている人は是非どうぞのオススメ音楽。

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