イギリスはイングランド、イプスウィッチのハードコアバンドの6thアルバム。
2015年にWillowtip Recordsからリリースされた。
不穏なコラージュで構成されたモノクロジャケットがカッコいい6作目にしてバンド名を冠してアルバム。
Extreme Noise Terrorといえば1985年結成からバンド名通りエクストリームな音楽界にその名を轟かすバンドなのだが、私はちゃんと聴くのはこのアルバムが初めて。同郷のこちらもいける伝説Napalm Deathと一時期ボーカリストを交換していた、というエピソードあったよね。(調べてみると1996年ごろのことのようだ。)
全13曲で26分だからやはり平均すると1曲2分くらいの”速い”バンドだなという事が分かる。クラストコアを土台にグラインドコアやデスメタル(Metallumには後期はデスメタルと書かれている!)を飲み込んだその音楽性は確かに速いのだけど、速さにだけ特化した音楽とは明確に一線を画す。まず聴いて驚いた事が二つあって一つ目はパンクっぽい!ドコドコスタスタ叩くドラムのビート。それからささくれ立ったギターの音質と、高くいななく様な高音リフ(勿論こちらが本家なんだろうけどWorld Burns to Deathを思い出した。)がとにかくオールドスクールなパンク感を演出する。渋い、まさにいぶし銀な、バックグラウンドを感じさせる動の入りっぷりに思わずうおおと熱くなる。
もう一つ驚いたのがボーカルで、ライオンの様な金髪のたてがみがアンチヒーローのようなDean Jonesの声はDischargeからの直系を感じさせる男臭い吐き捨て型なのだけど、これがデスメタルバンドをはったおす様な迫力!唸り上げるさまは獣じみていておっかない。デスメタルとは全然違うのだけど強面という形容詞がぴったりの声質。低音がなり、高音ギャーギャーが目立ちがちなんだけど、力を込めずに早口で巻くしたるところが個人的にはカッコいいと思う。
疾走感というのは単純な体感速度にすべて左右される訳ではないなと実感。例えば10曲目はスラッシーなリフから開始するのにあっという間にハードコアな展開に流れ込む。流れる様に弾き倒すリフがとっても気持ちよい。必殺という感じでの高音フレーズもサビ以上に饒舌。ラスト13曲目はスラッジーな展開で幕を開けつつやはりお得意のハードコアに引きずり込む。飽きさせない展開は流石だが、きっちりとぶれない軸が曲とバンドを軽薄なものにしていない。キッチリ自分たちのカラーがあるバンドなんだなあと実感。
どんな音楽だろうドキドキと聴いてみたけど、ストレートなハードコアパンクでビックリした。勿論メタルっぽさも感じられるのだけどトータルではハードコアパンク。バンドの歴史を感じさせるどうどうとした仕上がりにしびれた。オススメ。
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