2015年9月22日火曜日

Dooomboys/#Dooomboys

日本のヒップホップグループの1stアルバム。
2013年に自身のレーベルBlack Mob Addictからリリースされた。
なんとなくヒップホップが聴きたいなと思って前から気になっていたこの音源を買ってみた。
Dooomboysは日本のヒップホップ集団Think TankのラッパーBaba(こっから先は敬称略とさせてください。)と1992年から活動するバンドWrenchのドラマーMurochinが結成したバンド(もしくはユニット。)私はWrenchに至っては聴いた事が無い。Think Tankも「Black Smoker」しか持っていない位なんだが、学生時代に聴いてむむ?と思っていたその「Black Smoker」、今聴いたらやたらとカッコいい訳でそれで買った訳だ。

ドラムを生音にしたヒップホップというのもそこまで珍しくはないのだろうが、中々特徴的な音源になっている。全部で12曲のアルバムなのだが、内5曲は既存のリミックスである。そのリミックス参加アーティストはAudio Activeだったり、Devilmanから二人であったりとなかなかダブいことが分かるだろう。他にも歌詞でThink TankのK-Bombが参加していたりと、とにかく煙たく黒いヒップホップを演奏しているのだなと分かる面子である。
サンプリングという伝統的な手法に捕われない新しいヒップホップであるから、ラップ主体であってもその他の音が前面に出ている。Devilmanを引き合いに出すようなインダストリアルな、つまり金属管のある高音低音が残響反響処理を加えられてデカい音でサイレンのように鳴り響く。そして加工された生ドラムが入り込んでくるのだが、スネアが鋭くてこれだけで面白い。さすがにドラムの手数は多くないのだが、その分リズムが圧倒的にタイトである。タイトならそれこそ機械で良いのでは?と思うところだが、このインタビューを読んだいただきたいのだが、MPCからの音源に合わせる形で無理矢理生ドラムを叩いている。このある種の無理矢理さ、困難さが逆に曲作りの過程と曲自体を豊かに楽しくしている事が分かる。この手法で生まれたのがこの音楽なのだ。これは面白い。制限が芸術を生み出すのだ、自由な。
悪夢めいた金属質ダブトラックにのるBabaのラップも変わっている。Think Tankの時も思ったのだが、結構特徴的な声質で悪いヤバい雰囲気がありつつも自然体である。しゃがれていてちょっと酔っぱらっているようにふらっとぶれるところもある。ダブトラックに負けない個性を持っているから喧しさに負ける事が無い。
インタビューで語っている通り、The Blood of HeroesやDeath Grips(こっちはライバルとのこと)に共通点がある。こちらのバンドはもっと暗い印象でゆらゆら沈み込んでいく様な気持ちよさが持ち味。

紹介文をtoosmell Recordsの人が書いていたり(このCD以前にtoosmell限定で音源のリリースがあったそうな。因に私も特典がつくのでtoosmellで買った。)と色んな繋がりがあって、とにかくヒップホップ的なアプローチにとどまらないのでロック好きにもお勧めできる内容。現在活動しているかは不明瞭だが、自分としては是非次の音源を!と期待している。

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