2014年の8月8日にPsychedelic Progressive Revolutionからリリースされた。
ギター、ベースボーカル、ドラムからなる3人組のロックバンドで2006年に結成。結成9年でアルバムは6枚発表しているが、どうもあまりメディアには露出しないバンドのようだ。タトゥーだらけに女装?したベース、サングラスイケメンギター、ヤクザめいたドラムとキャラはすごい立っているのに面白いスタンス。
私は彼らの1st「八+八」と3rd「○△□」を持っている。
youtubeで「攻撃的国民的音楽」のPVを見たらなんだか癖になってしまって、その曲が入っているこのアルバムを買った次第。(最新アルバムを買うかどうか迷ったのだが。)
のっけから1曲目「赤い衝動-R.I.P-」の歌謡曲めいたメロディアスさに驚く。ただメロディの後ろではギターが唸り、ベースが蠢めく、ドラムはやたらと力強いシンバルのクラッシュを響かせまくっている。戸惑っていると曲の後半3分30秒あたりから曲の印象ががらっと変わり、そこからまた戻って一気に後半になだれ込む。
要するに相当変わったバンドだが、所謂馬鹿テクに彩られた大変技巧的なバンドだという事が分かる。ギターは特に単音がほぼ全編ソロですか?という勢いでキテレツなリフを弾きまくる。ハーモニクスだろうがタッピングだろうが、高速だったりあともうなんか分からないテクニックが次々に出てくる。高音で弾きまくるのだが、耳にいたくないのも私にはとても良いところ。ベースは歌いながらこんなの弾けるの?ってくらいにぐるぐるぐるぐる動き回っている。こちらも運指が激しく、低音のなかでも高低落ち着き無い事この得ない。ドラムは乾いたテンションの高いセッティングをぶっ叩く様な力強さでもって展開の目まぐるしい楽曲の土台を支える。ボーカルは少年めいた甘さのあるものだが、歌詞もあってか舌鋒冴えまくる印象。仏教テイストを感じさせる歌詞は太平の眠りを覚ます様な攻撃的なアジテーションめいていて音楽性に合っている。つまりふざけているようで攻撃的な姿勢が垣間見える。
相当レベルの高い演奏をしているのだろうが、頭というよりは先に体が反応する様な直感的な音楽をやろうとしているのか凝ってはいても敷居は低くて私の様な門外漢でも十二分に楽しめる。捻くれたポップさがあってそれで濃すぎる技巧を上手く曲にまとめている。勿論普通のロックの範疇からは色々はみ出しているのだが、そのはみ出し具合が抜群に面白いのだ。悟りと煩悩の間で踊りまくる様な、そんな音楽性だ。
「八+八」収録の「仏滅トリシュナー」という曲はキラーチューンなんだけど、今聴くと特にボーカルがまだか固い印象。それに比べると曲の作り込みも勿論劇場度が格段にあがっているなあと感心した次第。とても面白い。普段あまり聴かないジャンルなんだけど持ち前のポップセンスで持ってすっと聴けた。全8曲であっという間に聴ける。オススメ。
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