2015年8月30日日曜日

BIrushanah 魔境-Makyo-リリースイベント @新宿Dues 8/29

2015年8月19日、日本は大阪の3人組トライバルスラッジバンドBirushanahの最新作「魔境-Makyo-」がリリースされた。
その10日後ディスクユニオンのライブハウス新宿Duesでリリースイベントが開催された。
ライブレポートを書くのが1年ぶりということでこの一年ライブに行けてなかった私だが(チケット買ったのに行けなかったライブとかもありました…)、個人的に今年最大級の期待感を持っていたBirushanahの最新作ということで万難を排しても行かねばということで行って参りました。最新作「魔境-Makyo-」に関しては一個前の記事で書いているのでもし良ければそちらもご覧ください。一言で言うと高すぎる期待を全く裏切らない素晴らしい音源です。もしよろしければ是非聴いていただきたい。

Birushanahを見たのは去年のフランスの女性ボーカル激遅ドゥームMonarch!との一連のツアーが初めてでそれ切りでした。(この日メタルパーカッションの佐野さんはMonarch!のバンドT着ていました。)レポートはこちらです。
初めて行ったDuesはとても小さいライブハウスでステージは一段高いものの距離は本当に近い。12時開場ということで15分くらいに入場してぼんやり立っているとギターボーカルのISOさんが物販を始めたのでCavoのCDを購入。「マアカ」はもっているので「カズカ」と「ユシナ」を購入。後一枚でコンプリートできるっす。

少し遅れて12時40分位にライブがスタート。まずは新作1曲目「薔薇小夜も兎」。
まず思ったのはドラムがすごい重たい。サポートメンバーのモトキさんが叩くドラムは一撃一撃が滅茶重たい。スラッジなんだが、速度はそこまで遅くないし、手数も結構多いので重たい連打になって大変な迫力。そこに佐野さんのメタルパーカッションがキンキン乗ってくる。こちらは見た目はすごい厳ついのに(メタルパーカッションという楽器はドラム缶鉄板、車のホイールなどの素材から手作りです。楽器屋にいっても売ってないです。)そこから出る音は結構繊細で美しくもある。キンキンしているのですが、余韻が奇麗で耳にいたくない。それが跳ねる様なリズムで持ってドラムに重なっていく。音が多いリズムは複雑で楽しい。そこにギターがつま弾かれるようにフレーズを反復しつつ乗っかってくる。まだ静かと言っても良いくらいの出だし。これがミニマルに続いていく。段々と激しさを増していき、ISOさんが「ああああーーーーーーーー」と叫んだら地獄の始まり。渦を巻くように弾くギターリフ、そしてズンン!!と抉じるように止める弾き方。打楽器2人どころじゃない、曲の一部では全部打楽器のよな暴力的で物理的な衝撃!これが複雑なリズムと絡み合って体が揺れる。思ったのだが、スラッジであるものの、この速度がBirushanahにとってもは自然な速度なのだ。一番リズムが合う。スラッジだから遅くしている訳ではないんですね。
そこから一気に畳み掛けるイントロの新作の中でも唯一4分台と短い「瞼色の旅人」。激しさと重たさがないまぜになりつつも、朗々としたボーカルが歌い上げる儀式っぽい不思議な曲。スラッジパートを経ての後半の魔術的なボーカルに酔う。
佐野さんのMCを挟んで前作「ヒニミニゴロナヤココロノトモシビ」から「人的欲求」。一点獣の咆哮めいた荒々しいボーカルが特徴的な攻撃的ナンバー。この曲は歌詞も怖いんだが、それもあってかライブではとても良く映える。最後爆走するパートも大変気持ちよい。
再度MCを挟んでラストは最新作のラストでもある「鏡」。ドラムとパーカッションが一体になって5回、7回と繰り返していく叩いていく冒頭でもうやばかった。ここんところ深夜の会社で繰り返しこればっかり聞いていたもんでなんかこうこみ上げるものがありました。ギターがつま弾かれていく。思ったのだが、この反復し段々高まり合っていくイントロというのはまさに魔術めいている。例えば魔法の詠唱のように。細かくライブハウスの空間に音をためていく。小さい音がどんどんたまって緊張感が高まってくる。そうすると本当にもうだめだってところで曲が爆発する様な感じ。アルバムの長いイントロはなるほどすごいカッコいいけど、ライブで聴くともっとすげえなと。要するに間であって、いきなり激しいのはそれはそれで良いものだけど、魔法陣を組むように緊張感を高めて曲を完成させるというやり方もあるのだなと。そうこうしているうちにISOさんのボーカルが入ってくる。ここ私もう多分一緒に歌えるくらいだな。歌わなかったけど。この曲は珍しくサビっぽいところがあるのだが、そこまでくるとこっちはもう死にそうな訳で。そこからの無声パートはライブ的にもばっちり映えて佐野さんもあおってくる。佐野さんがドラを乱打してライブは幕。本当短時間だったけど時間が経つのを忘れた。本当に魔境だった。私はそれを真っ昼間の雨のそぼ降る新宿でかいま見たのだった。幸せでした。

ライブがあまりにかっこ良かったのでパーカを買ってISOさんに「かっこ良かったです」とボソボソしゃべることができました。(ISOさんは次はCavoのあったら全部持ってくるよと優しかったです。)んでもって佐野さんと握手して帰りました。良かった〜〜〜。(折角だからかっこ良かったと思っている事をメンバーに直接伝えたいなと思っていたので。)またライブ行きたいです。音楽は個人的なものなんだけどそれが連鎖するように全体(人と空間)に浸透するようでライブはやっぱり面白い。

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