2013年にImportant Recordsから。CDとLPがそれぞれ限定500枚のはず。
さて知っている方もいると思うが、両者は以前にもコラボ作品をリリースしたことがある。2012年にリリースされた「The Primitive World」がそれである。そのタイミングでNadjaが来日しVampilliaとツアーを回った。私はその中の一公演を見に行って、その時「The Primitive World」を買いました。「エイダーン!」と呼ばれてはにかむNadjaのAidan Bakerがなんか可愛かったのを覚えている。(ライブはそれはそれはすげかった。)
さて今作はその「The Primitive World」収録の2曲を再リミックスし、さらに新曲を4曲追加した盤。
基本的にNadjaがギター、ベース、ドラムマシーン、フルートを演奏し、Vampilliaがギター、ボーカル、ピアノ、オルガンとストリングスを演奏しているようだ。
まるで無機質なマシンドラムが重々しくビートを刻み、実体を持った壁のような音の固まりがギュワーと迫ってくる。(Nadjaパート。)そこにピアノやストリングスが絡んできて獣の咆哮のようなデス声が乗っかる(Vampilliaパート)というのが基本形かな。
Nadjaは単体で聴いても勿論かっこいいのだが、人によってはちょっとマニアックすぎるかもしれない。しかしここにVampilliaのピアノを始め色々な音が追加されることで、いい意味でとてもキャッチーになっており、さらに両バンドのもつかっこよさがちっとも損なわれていない。いわばかけ算のように高め合っている素晴らしいコラボ音楽である。この親和性はちょっとないんじゃないのというくらいピッタリ。
特に24分ある大作「Icelight」のドラマチック感が半端なす。分かりやすいメロディがある訳でもないのにこの展開はどうだ。
ギターの音の密度が偉いことになっている。音の粒がでかいのゴロゴロ、その間を細かい粒子がザーっと埋めているようなイメージ。それがわき上がってくるように徐々に競り上がってくる。よく聴くとベースがグルグールと唸りつつ、しっかりとベースの役割を果たしている。轟音パート、尾を引くようなフィードバックノイズをまき散らしつつ、静のパートへと移行する。
兎に角やかましい印象のあるVampilliaだが、この作品でのドラマチックかつ余韻のある演奏はさすが。もうずるいくらい琴線にギュンギュンくるストリングス、絶妙な間のあるピアノ。素晴らしいですね。ころころ色を変えるくせに全部Vampilliaなのがすごい。
文句なしの名盤ですね。
どちらかのバンドのファンである人は絶対気に入ると思いますよ。
両方好きな人は確保マストだ!
「The Primitive World」の音源しかなかった…
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