2013年にDensity Recordsから発売された。
タイトル通り同年に発表された彼らの6枚目のアルバム「Vertikal」に関連がある。収録曲数を考えると続編というよりアウトテイク集というかプラスアルファ的な物と考えた方が良いのかも。ちなみに4曲中1曲はJesuのジャスティンさんのリミックス。
1998年に結成されたこのバンドこの界隈では結構有名なのだろうが、実は私はちゃんと聴くのはこれが初めて。気になるバンドだったのだが、何となく買いそびれてきて今まで来たんだよね。AmazonのリコメンドにこのCDがあって安いしまあ、という非常にぼんやりした形で購入した訳です。
音の方はというとやはりヘヴィである。スラッジメタルを彷彿とさせる乾いた凶暴性もある。だけど同時に対比となるよな「静」の要素が結構大きくて、比較的長めの曲を激しさ一辺倒だけにしないで、よりアーティスティックなものにしている。恐らくそこがポストメタルにカテゴライズされる由縁かと。
具体的に特徴的なのはミニマルさ。
ギターが不穏なフレーズを執拗に繰り返し、ベースやドラムが乗ってくる。しかしあくまでもミニマル性を維持しつつ、キーボードが入る。たまに不気味なボーカルが乗ってくる。うまいと思ったのはノイジーなギターがたまにじゃーとなるところ。これはいいね。
「あ。これは怪しい」と思ったときには曲はすっと次の段階に移行している。いわばメインのフレーズに徐々に音が追加されていって初めはおとなしかったのが、最終的にはノイズが描き出す一大スラッジ絵巻になっている。ただよく聴くと始まりのフレーズが生きている、という形。なるほどなー。
曲の激しさというのはそれ自体で魅力的だが、全編それだけだと飽きちゃう。だから静のパートを取り入れて、その対比で持って動のパートの強みをさらに引き立てようというバンドは多い。ただ静のパートがただ退屈だとそもそも動のパートまで聴く気力がない。そこにいくとこのバンドは静のパートの出来がすごい。むしろこっちが本領だ!といわんばかりの力の入れよう。乾いている。妙に不穏である。何となく北欧のバンドっぽい独特な寒々しさがある。
あと4曲目のジャスティン先生のリミックスが結構格好よいね。
原曲を知らないからあれなんだけど、ヘヴィネスがその輪郭を曖昧されていて、ベールの無効から聴こえてくるようなのに、やけにソリッドピアノの音が大胆に乗ってきて、その対比がすごい面白い。原曲にはピアノの音が入ってないのかな?リミックスって大抵原曲聴いた方が良いなあ、と思っちゃうんだけどこれはそのままで結構格好いい。もっとも原曲はもっと格好いいかもしれんのだけど。
という訳で格好よかった。なんで今まで聴かなかったんだろうな。「Vertikal」の方も買って聴いてみようと思いました。
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