実はこのモーリスさんGnaw Their Tonguesやその他の変名で碌でもないブラックメタルノイズ作品を沢山リリースしている変態なんです。私も何枚か持ってますが、それはもう酷い(この界隈では褒め言葉)音楽で露悪的かつ(たちの悪いことに)荘厳なまるで聳え立つくその山だといわんばかりの(Gnaw Their Tonguesの目下の最新作のタイトルはEschatological Scatology)作風なのです。
さてそのモーリスさんの新プロジェクトといえばもういい予感がまったくしないわけで、なんだかきれいめなジャケットにしているようだが騙さんぞとばかりに購入したのですが、 まあ度肝を抜かれたわけで。
一言で言うと美しいアルバムに仕上がっております。再生すればあなたの目の前にドリーミィで幻想的な風景が浮かび上がるわけです。
浮遊感のあるドローンぽいシンセ、音も厚く確かにノイジーなのですが繊細な雰囲気に見事に調和したギター、どっしりとして時には早く時にはゆったりとしたドラム、コラージュされたような男女のボイスサンプル、鳥の鳴き声、波の音、鐘の音、これらが渾然一体となりまるで夢のような、それでいて重厚な音が洪水のようにあふれ出てきます。
ジャンルでいえばノイジーなシューゲイザーでしょうか。ぶあつい音圧などはNadjaと通じるところがありますが、あっちほど運命を感じされるような重々しさや孤高といった感じもしないです。
ジャケットの写真のような、実際には決して存在しない過去の輝かしい日々をフィルター越しに眺めているようで、もうため息しか出ないです。
めちゃすばらしいアルバムなのですが、モーリスさんが作りました。なんだか悔しいですね。モーリスさんのしたり顔が目に浮かぶようです。
まあとにかく本当お勧め。
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