アートワークが生々しく恐ろしい。
1988年結成、中断を挟みつつ長いこと活動しジャンクの帝王と呼ばれてるらしいです。
バンド名はおそらくinsaneのもじりでしょうか。
その名の通りいかれている音楽性なわけですが、デスメタルやブラックメタルのそれとは趣を異にしております。後者の演出する狂気というのは、通常過激さを追求するあまりおおむね現実世界から逸脱していることが多いのですが、このバンドの狂気は日常の延長線上にあるようです。朝起きて、仕事に行って、帰って酒を飲んで寝るという生活のサイクル、これをずーっとくりかえしていたらいつの間にか狂気の世界に含みこんでいたような生々しさがあります。
ギター、ベース、ドラムスリーピースで全体的に乾いた音。がしゃがしゃじゃきじゃきしたギター、太く硬いベース、ぬけの良いドラム。がなり声のボーカルは結構特徴的で高めですね。
何かが飛びぬけているわけじゃないはずなんですよ。もちろん音が重くてでかくてノイジーなんですけど。曲がばかっぱやいわけでも、劇的に速いわけでも遅いわけもないです。 テクニックのひけらかしもなし。デス声もないです。小細工なし!なんですけど曲として聞くとやっぱりこれはどっか正気じゃねえぞ、という感じがするんです。なんですかね、酒場で酔っぱらいのおっさんと夢中になってしゃべって、ふっとおっさんの目を見たらどうにもこうにも普通じゃない。アルコールのせいも思えない。自分がおかしいのかなとも思えるけど、かといってじゃあ話をやめようとしたらこのおっさんに殺されるんじゃねえかと不安になるような。そんな音楽です。
こりゃーかっこいいです。
なかでも戦慄が走るくらい怖-くてかっこいい曲を。
Flipperというバンドのカバーとのこと。
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