2012年にBreak the Recordsからリリースされた。
3人組のバンドで残念ながらすでに解散してしまっているが、名だたるハードコアバンドとの共演や横山健さん主催のイベントへの出演など地上地下問わず”クロスオーバー”(調べてみるとこの単語で表現されていた)に活躍したバンドだったようだ。激しいライブはもちろん、被災地への支援活動などその活動は音楽を起点としたながらも縦横に広がっていたようだ。
名前しか知らなかったがディストロで売っていたのでなんとなく買ってみた次第。ドラムのチンウィルさんがやっている新バンドWWORLDの音源だけはもっているくらい。
パッケージ全体を通して赤と黒と白のみで構成されたアートワークが象徴するように地の通いまくったハードコアを演奏している。
ここでいうハードコアというのは速い、重たい、何より余計な装飾の一切ないいさぎの良い音楽のこと。どうしても速い、重たいとなると力強さによって支えられることになり、そこがともすると前面に出てくるものだが、このバンドに関してはこの力強さが男らしさ、にとどまり暴力礼賛になっていないのが非常にかっこいい。ストレートな日本語で綴られた歌詞にしてもまさにハードコアパンクだが、よく読んでみると執拗は他者批判(他者への責任転嫁)ではなく、俺からお前への激励とばかりに叱咤鼓舞する熱いもの。おそらく3人のメンバーがそれぞれボーカルをとるスタイルで野太いボーカル、かすれて甲高いボーカルとメリハリがあって良い。何よりこれがハードコアだ!と言わんばかりのコーラスワークが熱い、熱すぎる。これが前述の歌詞と合わさってまっすぐに放たれた矢の鋭さでもって聞き手の胸に突き刺さってくる。これが機関銃やレーザービームではないわけです。あくまでも筋肉はちきれそうになって振り絞って、放たれた矢の速さ。ファストコアやグラインドコアじゃない、しっかり地に足のついたハードコアの強靭さ、しなやかさを感じさせる。乱れた呼吸の荒々しさ、打ち付け、振り下ろすその筋肉の動きまで伝わって来そうな生々しさ。
調べてみるとハードコアのシーンでとんでもない輝きを放っていたバンドのようで私は本当に今更聴いたわけだけど、この音源1枚でその凄さの一端を垣間見ることができた。ハードコアが好きな人でまだこのバンドを聴いたことがない人は是非どうぞ。
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