アメリカはカリフォルニア州ロサンジェルスのハードコア/メタルバンドの3rdアルバム。
2015年にMetal Blade Recordsからリリースされた。CDを購入。
前作から2年を経てのリリース。2010年に結成されたバンドで来日経験もあり、ギタリストTaylor YoungはNailsでドラムを叩いている。ちなみにボーカルのColin Youngとは兄弟。
Twitching Tonguesはとあるブログでその名を知って以来のファン。個人的にはメタリックハードコアだと思っている。中速で力強く突き進む様はブルドーザーのようだ。ギターの音は非常にソリッドかつクリアで、タメが意識された曲はメタルの要素が色濃い。しかしやっぱりハードコアだと思う。ひとつはマッチョさ。ハードコアはマッチョな音楽だ。単発の筋骨隆々の男たちが力強く歌い上げる。マッチョさは時に批判される事も多いけどやっぱり魅力もある。(思うに方向性というかその主張が反感を買う事があるのだろうと思う。)特にバンドの顔ボーカルColinの雄々しい歌声と歌唱法は男の魅力満載。この図太さはちょっとメタルには無い。メタルだとデス声などの方向に振り切ってしまうが、このColinの歌い方はそこまでは振り切れていない。これは決して半端ということではなく、スクリームを織り交ぜながらも正気の域に踏みとどまっているから、何となく現実に足がついているバンドのスタイルが垣間見えると思う。
Twitching Tonguesの魅力はその力強さとグルーミィさの見事な調和だ。例えば同じハードコアのVision of Disorderはガッチリしたハードパートとクリーンボーカルとメロディを大胆に取り込んだしっとりとしたパートの対比によって、その陰鬱さを見事に表現している。Twitching Tonguesの場合はその両者を一回溶解させて混ぜ上げる、そして曲として昇華している。いわば曲に一貫性があって色んな感情がないまぜになっているのだ。これが面白い。グルーミィといっても現実に立脚したもので、極端になよなよしたものでも、捻くれた猟奇性は皆無だ。この後ろ向きな感情すら男らしい。ここにかっこよさがある。さすがに演歌とまではいわないが、泣くに泣けない男の哀愁みたいなのが漂っている。
今作もそんなTwitching Tongues節が満載。ガツンガツン刻んでくる力強い演奏陣に頭を振りまくれるし、決して強さ自慢ではない、心の機微をその激しさの中に感じ取れる。一言で言えば”熱い”音楽である。徹頭徹尾ストレートで装飾性は希薄だが、例えばアコースティックギターの使い方は昔から得手で、乾いた音が響いてくるだけでこちらの期待感も高まるというもの。今作ではピアノを大胆に取り入れたりしてさらに哀愁度があがっている印象。鉄塊の様な低音リフとの対比が凄まじい。
聴けば聴くほど良いアルバムだなと思う。もうちょっと知名度が上がっても良い様な気がするな。オススメです。
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