イギリス出身で今は日本の東京に在住のトラックメイカーの2ndアルバム。
2015年にProject: Mooncircleからリリースされた。レーベルのBandcampからデジタル版を購入。界隈では有名な人なのだろうが私は全く知らなかった。Ghzのブログでメチクロさん(ドロヘドロの単行本の装丁などを手がけるクリエイターの方)が2015年のオススメとして紹介していたのを切っ掛けに購入。
まだ若い人で音楽に限らずアニメやゲームなどの日本の文化に触れて興味を持ち、来日したそうだ。
ジャンルとしてはダウンテンポなアンビエントトラックを作っている。ほぼほぼインストになっている。ジャケットが秀逸で楽曲を良く表現している。つまり都会的だが暗くて、キラキラはしているものの内省的で孤独(メチクロさんは端的にこの音楽性を表現している)である。アンビエントの要素はあるもののビートがしっかりしているので非常に取っ付きやすい。この構造からもエレクトロニカの要素を持ちつつ、ヒップホップ(インタビューを読むに子供の頃はヒップホップ漬けだったそうだ。)が土台になっている事が分かる。ビートは分かりやすくシンプルだが、下品にならずに程よいバランスで曲の土台を支えている。メロディはあくまでもフレーズに上手く閉じ込められている。同じように声の要素は入っているがボーカルというほどではない。エフェクトがかけられていて”誰でも無い感”(匿名性?)が徹底的に演出されるので、曲が導くイメージがあくまでも聞き手にゆだねられている印象でここがとても良いなあと。日本語の公共の乗り物のアナウンスなんかもサンプリングされている。(割と聴くよね、この類いの。やはり特徴的なのかな?)
学生の時に買ったCauralにちょっと似ていると思った。ゆっくりしていてでもキラキラしている要素がある。全体的に夜という感じで夜のドライブに良く合うかもしれない。(私は免許取得以来何年も車を運転していないのでちょっと試せないが。)
1曲も短めでアルバムを通しても7曲しか無いのですっと聴ける。個人的にはもう少し(跡2曲くらいは)聴けても良いかなという気持ち。
お洒落な音楽である事には間違いないだろうが、真摯な作りで万人が聴けると思う。オシャレと揶揄しないでまずは視聴してみてはいかがでしょうか。私は普段あまり馴染みも無いジャンルなのでバランスを取る意味でもとても気に入った次第。
0 件のコメント:
コメントを投稿