アメリカのハードコアバンドの1stアルバム。
(恐らく)自身のレーベルButcher Recordsから2015年にリリースされた。
目下のところLPがメインなんだろうけど、オフィシャルサイトからデジタル版を購入可能。私が買ったのはデジタル。
デビュー作なのだが新人ではない。World Burns to DeathというクラストハードコアバンドのボーカリストJack Controlが新しく始めたバンドだ。(ディスクユニオンのこの音源の紹介にはJackが元World Burns to Deathと紹介されているから脱退してしまったのかな…)他にはAsshole Paradeのメンバーがいるらしい。(日本のSlight Slappersとのスプリットを買った事ある。)日本のForwardというバンドのギタリストSouichi Hisatakeさんがゲストで参加している。ちなみに印象深いコラージュジャケットも日本人のTomohiro Matsudaさんの手によるもの。World Burns to DeathはHG Factからのリリースも、来日経験もあるからその繋がりかも。
私はこのJack Cotrolという人の声が好きでWorld Burns to Deathも今でも聴いたりします。吐き捨てるような男らしい(というより男臭い)ボーカルはいかにもハードコア的なんだけどいわゆるD系のバンドの猛々しい感じとは少し異なるんだよね。もっと掠れていて自暴自棄なところがある。といってもスラッジのような厭世的なものともちがって、もうすこし華がある感じ。良い声なんだ。
音的にはまさにハードコアパンクといった赴き。だいたい平均すると2分位の曲の長さ。速いしぎゅっと詰まっている。ただあくまでもハードコアパンクの形で極端に速過ぎたり、バンドサウンド意外の音を入れたりと行った事はなしの王道。まず主張があり、それを攻撃的な音楽で表現している、といった印象。飾りっけ皆無のストレートさ。ドラムは小気味よくビートを刻み、ベースはあくまでも伸びやかに。ギターの音がとにかく気持ちよい。曲の速さもあってせわしないのだが、ところどころ良く伸びている。そのぎゅーんと行った感じが飾らないのだけど、ギターという楽器の良さがぎゅっと詰まっている様な、そんな音。高音のフレーズもキンキンしていなくて耳にストレートに飛び込んでくる。Jack Controlの声はやっぱり良くて悪っぽさのなかにも何かこちらの軽快を飛び込んでくる様な親しみみたいなのがあって、ハードコアでこんな事も言うのは変化もだけどあったかい感じ。ただ勿論曲に負けないくらいの緊張感で、なにより声の太さもあって迫力満点。そんな土台に流れる様なギターリフだったり、Jackの歌のメロディアスさが良い感じにまざりあってラディカルながら哀愁のあるサウンドに仕上がっている。どの曲も怒り以外の感情にも満ちていてなんといってもそこが良い。
全10曲であっという間の21分。最後まで行ってももう一回という魅力にあふれている。カッコいいわ〜。非常にオススメのハードコアです。是非どうぞ。
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