2015年12月12日土曜日

Vision of Disorder/Razed to the Ground

アメリカはニューヨーク州ロングアイランドのハードコアバンドの5thアルバム。
2015年にCandlelight Recordsからリリースされた。
1992年に結成されたバンドで3枚のアルバムをリリースした後、解散。その後2008年に再結成し2012年に4枚目の「The Cursed Remain Cursed」をリリース。その後3年を経てリリースされたのが今作。この手のバンドには珍しくずっと結成当時のメンバーで活動していたが、前作リリース後にギタリストが一人脱退してしまったそうな。
タイトルは「焼き払われた」という意味。前作の「呪われたヤツは呪われたまま」からより直接的なインパクト。
私は学生の頃に1stと2ndがセットになったCDを買ってこれがハードコアなのか!とビックリしたものだ。重量感のあるザクザクとした攻撃性が一点抒情的なメロディが乗っかるからハードコアなの?メタルなの?と戸惑ったが某巨大掲示板だかでNYハードコアですみたいに書かれているのを見て、なるほどNYハードコアか〜と納得する事にした。2ndのラスト「Jada Bloom」はキラキラしてさえいる哀愁のハードコアで大好き。すごいもう大ファンですという訳ではなかったが前作のリリースは嬉しかったし良く聴きました。

前作もそうだったが今作も彼らのスタイルを踏襲するスタイル。
メタリックなリフがざくざく切り開いていくスラッシーなハードコア。面白いのは曲の速度がだいたい中速くらいで決して速くない。ドコドコバスドラムを踏んでいくので気持ちよいのだが、はっと気づくと実際の速度は速いって訳ではないです。迫力満点だが飾りっけの無い力一杯のスクリームはハードコア由来のもので、これがこの速度に良く合っている。もしかしたらこの声に合わせているのかもしれない。矢継ぎ早に言葉を積み上げていくのではなく、一語一語血反吐とともに吐き出しましたよ、という歌唱法なのでどっしりとした店舗にはうってつけ。切り刻んだ様なリフはとにかく気持ちよくグルーヴィ。ボーカルが強いのでともすると陰惨になったり、速度でごまかさない分一本調子になりがちな曲をこのスラッシュ成分が彩り豊かにしていると思います。
そしてボーカル。サビって訳ではないのだがここぞって時にクリーンボーカルを繰り出してくる。決して上手いとかそういう訳ではないのだがなんとなく気怠げで掠れた声質で妙に癖になる。メロディアス加減も程よい感じ。今作は前作以上にクリーンボーカルの頻度が増えたと思うんだけど、そこが個人的には気に入りました。グルーヴィなブルータルな曲調は本当ハードコアという感じでアグレッションを耳が痛いくらい感じ取れるんだけど、そこに憂いの感情を追加しているのがこのメロディアスなボーカルなんだよね。開放感があるようで実は結構暗めの色彩という感じでそこが何となく個人的に合っている感じ。

個人的には前作以上に気に入いりました。気づくと結構繰り返し聞いている。うーんこれはかなりオススメ。

0 件のコメント:

コメントを投稿