2014年にReprise Recordsからリリースされた。
実は発売して割とすぐ買ってたのだけど何となく聴くのを後回しにしていたアルバム。というのも一個前の5thアルバム「The Hunter」があまり気に入らなかったから何となく今度もそんな感じなのかも?と思って何となく聴けませんでした。私は「Crack the Skye」から聴き始めて過去作もさかのぼったようなにわかファンなんだけど、結構聴いたから好きな分そんなためらいがあった感じ。「The Hunter」は悪かった訳じゃないんだけどあんまり印象に残っている曲がない。
という訳でおっかなびっくり聴き始めたこのアルバム、基本的には前作の延長線上にはあると思うんだけど、正直前作ほど悪くはない。キラーチューン!って感じの1曲は無いかもなんだけどアルバム全体を通して聴くとむしろとても良い。
ギターは大分重くなった印象で前回はクリアっぽい音だったんだけど、今回はかなり歪められていて幾らか乾いた埃っぽさが戻って来た印象。そんなもんで相変わらず高音でキャラキャラ弾くあの印象的なスタイルと一点ヘヴィなリフとの対比がよりくっきりして結果曲にメリハリが産まれている。やや陰鬱のあるコード感のある弾き方もこのバンドの特徴だと思う。(私は「Crack the Skye」から聴き始めたからってこともありそうだけど。)今作でも割と沢山披露されていて私としては嬉しい限り。
ギターが比較的中音〜高音も弾くもんでベースが一点ヘヴィネスを引き受けているのかもしれん。ってくらい重たい。音は凶悪なんだけどリズムを刻んでいるだけでなく、かなり伸びやかに自由に演奏している印象で気持ちよい。特に曲の速度が速い時は疾走感を担っているのがベース何じゃなかろうか。
元Today is te DayのBrann Dailorは今作でも叩きまくりスタイル。音は比較的軽快なんだけど、通常のリズムに+で乗るオカズが格好いい。ギターもそうだけどこれ以上言ったらくどすぎるぜ(くどいのがメタルの醍醐味ではあるんだけど)という一歩手前という感じの弾きまくり具合は嫌いじゃない。てか結構良い。テク以上に曲自体が良い所為だろうとは思いますが。
曲の速度や弾き方もあってほぼスラッジ感あまり無くて、はっきりとメロディを中心に添えた楽曲もあってちまたで言われているようにヘヴィメタルバンドって感じ。かといって個性が無い訳ではなくて、演奏も円熟味がまして全く日和っている訳ではない。むしろ良くこんなヘヴィな演奏陣で深みのあるポップ性を表現できるものだと感心。海のような深さをもっていて、その深部と表層の対比ある意味だいぶ変わったバンドだと思う。持ち前のマニアックさをそのままに間口の広さを展開している様な。前述のバカテクもそうだけど、プログレッシブ感も意識しないのであればすっと耳に入るこの心地よさ。
という訳で不安は杞憂に終わったアルバム。もっと早くに聴けば良かったと後悔。とても良いアルバムです。聴けば聴く程よいかも。オススメ。
個人的にはプログレ感のあるキモかっこいいこの曲と次の曲の流れがとても好き。