2014年にBindrune Recordingsからリリースされた。
私は3rdアルバムから聞き出したにわかのファンだが、元々大作指向だったが4thアルバム「Kentucky」でバンジョーなどの楽器とカントリー/フォークの要素を大胆に取り入れるとともに土臭い自然要素を取り入れたいわゆるカスカディアンな方向に舵を取って、結果個人的にはそれがとても気に入ったりした。
今作でもフォーキーな要素もあり基本的には前作の延長線上にあるものの、音の嗜好がちょっと変化している。簡単に言うと音色が大分派手になっている。リフ一つにとっても所謂ブラックメタル然としたコールドかつ無愛想なトレモロ一辺倒ではなく、よりメタリックな作りになっており、低音だけではなく高音を採れ入れたリフは否応無しに目立つ。また曲を盛り上げる様なメロディアスな中音〜高音のリフも台頭してきた。ブラストパートは勿論健在だが、内にこもる様な雰囲気は(それは前作からもなんだけど)なく、開放的な雰囲気は増した。ピロピロとまでは言わないが結構そういう印象。ほんちょっとだけビートダウンを思わせる様なフレーズもあったり。あとはベースが良く動く。ギターが遊びだしたからかもしれないが、ベースは結構ストレートかつ疾走感のあるリフを弾いていて、こもった音ながらその躍動感でもって存在感がある。曲全体で見れば明るいというのではなく、より音の構成と数が豊かになった。さすがにボーカルパートは叫び倒す様なものだが、その分楽器陣の饒舌さは大幅に増した所為でこれは結構取っ付きやすくなったのではなかろうか。3rdより4thアルバムが好きな私としては好意的に受け取れた。曲の長さはやはり結構あって、展開も変わるが一つ一つのパートは贅沢に時間が使われているため目まぐるしくて何が何やらという事にはならない。2曲目のタイトルは「山が天を突き刺すところ」(格好いいタイトル。)となっているが、変わりやすい山の天気みたいなもので急展開であってもよく見ればつなぎが自然で違和感は感じられない。
7曲目のイントロは結構攻撃的でビックリ。良い意味で興味のあるものは取り入れる人なのかもしれないが、色んな要素を取り入れつつもぎゅっとブラックメタル風にまとめているから、バリエーションがあっても締まりがあって長いアルバムでも全体を通して聞きやすいというのは流石。メタルのもつ攻撃性を保ちつつ全体的に陰惨にならないのはその思想故だろうか。カスカディアンというのは音のジャンルであるとともにやはり思想的な一つのくくりなのだろうかと思った。
という訳で非常に楽しめて聞けました。この手の音楽が好きな人は買っていただいて全く問題ないかと。私はAmazonでCD買いましたが、Bandcampなら7ドルで買えるみたいっすよ。
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