2014年3月9日日曜日

Alcest/Shelter

フランスのブラックメタル/シューゲイザーバンドの4thアルバム。
(バンドの読み方はアルセなのかあるセストなのか…)
2014年にprophecy productionからリリースされた。
私が持っているのは簡単な写真集みたいになった豪華版みたいな仕様でボーナストラックが1曲収録されたディスクがくっついております。

さて元はと言えばPeste NoireだとかMortiferaだとかいった玄人嗜好なブラックメタルバンドで活動していたNeigeパイセンですが、いつのまにか耽美というよりは夢見心地なシューゲイザーに傾倒してみたらこれがなかなかどうして大ブレイクしてしまったという感じなのかどうかはわかりませんが、Alcestの1stが発売されると結構日本でも好意的な評価が多く見られたように感じられ、2ndそして3rdと発売するたびにその人気も高まってきたように思います。元々音楽的な親和性もあったのかと思いますが、近頃ではブラックメタルバンドがシューゲイザーを色濃く打ち出したアルバムを発表することも珍しくはないのかもですが、そのムーブメントを強く後押ししたのもNeigeさんによるところがありそうですね。
元々出自がガッチリブラックメタルの人なので過去作なんかでは結構金切り声の様なスクリームを聞かせたりしておりましたが、今作ではそんなブラックさもほとんどなくなってドリーミィな方向に完全に舵を取った様なそんないさぎの良い作品になっております。

ギターはよりクリーンになり、ドラムはちょっと奥に引っ込んだように感じられます。ボーカルはゆったりとした余韻をはらんだように尾を引くエフェクトがかかった様なはかなげなもので、スクリームは皆無。
ジャケットの写真のように光に満ちたキラキラした作風で、基本明るめなのだがちょっとしたメランコリックさが影を落とす、そのバランスがとても良いす。
今作の魅力は曲の間だと思うんですけど、曲がちょっと長い(6分くらいだけど)分、結構贅沢に間を使っていますね。例えばギターがちょっとつま弾かれるところだったり、ふっと一息ついてドラムがビートを刻んでいるところだったりが非常に空間的な広がりを持っていて気持ちよく聴こえるんですよね。ゆったりしている感じ。
個人的にはたまに厚くなるギターが好み。フィードバックノイズではないんだが、やはりギューーと後に残る様な余韻がたまらん。ブラックメタルかといわれると最早違うんだと思うんですが、やはり通常のシューゲイザーのアプローチとはちょっと違うように聴こえました。クリーントーンでくるくるトレモロするのも結構気持ちがよいすね。
あとはNeigeさんの歌ですかねー。ちょっと特徴のあるへろ〜とした感じが魅力的なんだけど新作を出すたびに良い意味で落ち着いてきているというか、風格が出てきたのかな?単に上手くなったのかもしれませんね。前はもうちょっと引っ込んだ感じでしたが、今作は結構グイグイ前に出てくる様な印象。ちょっと不安定なところがあるのでひょっとしたらこういった曲調の方があうのかも。(Mortiferaの「Ciel  Brouile」(ちなみに超がつくほどの名曲なので皆さん問答無用で聴いてください。)みたいな独特の鬼気迫った歌い方も好きなんだけど。)

という訳でみんなもう買っていると思うけど良いです。私は前作より好きです。ファンの人ならきっと気に入るかと。
ちなみにボーナストラックは女性のボーカルがグイグイくるかなり良い曲なんで、お金に余裕がある人は豪華版を買った方がいいんじゃないかと思います。と思ったらitunesで普通に買えるみたいだな。まあ良い曲なんでこっちも聴いてみてよね。


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