2014年にInterscope Recordsからリリース。
Schoolboy Qを知っている?私は知らなかった。Amazon先生にオススメされて覆面をかぶった男のジャケットが気になって視聴したら気に入って買ったんですよ。
調べてみるとSchoolboy Qは1986年生まれの27歳。元はドイツで生まれたが今はアメリカはカリフォルニア州ロサンゼルスに住んで音楽家として活動している。彼はBlack HippyというHip-Hop集団に所属していている。そこにはKedrick Lamarというラッパーもいて、彼が成功を収めたのでSchoolboy Qも注目を集めたらしい。(wikiより。)なんだか友達が有名になったので隣にいた彼もそれなりにまあ〜みたいな書き方でちょっと失礼だよね。まあ本当にそうなのかもしれないけど。
ヒップホップってなんでしょう。私の認識ではサンプリングとともに発展してきたジャンルなのかな?という認識がありました。つまに既に発表された曲の一部を切り出してつなぎ合わせてトラックを作り、その上にラップをのせるのがヒップホップだ!という訳です。まあこの認識が本当にあっているかどうかはわからないんだけど。
ところがありものをつなぎ合わせなくても全部自分でやれば良いんじゃないの?と誰が言い出したのかわからないのですが、現在ではヒップホップミュージックでは勿論サンプリングオンリーで作っている訳はないので、ちょっとした縛りもなくなって楽曲の幅がぐ〜んと広がってきました。私はたまにTVでビルボードのヒットチャートを見てヒップホップを始めとしたブラックミュージックの音の使い方の自由さにたまげることがあります。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、このSchoolboy Qのアルバムもそういった新しい種類のヒップホップミュージックの範疇に入るのではないでしょうか。恐らく自前のビートにのせて結構自由にラップをしている印象です。音はそうなのですが、スタイルとしてはそこまで前衛的ではない純然としたヒップホップなのでかなり聴きやすいです。
実はいざ買って聴いてみると結構思っていたのと違ってビックリ。もっとイケイケな感じかと思ったら意外にも結構内省的な音作りになっています。ヒップホップということもありやはりバックの音はほぼほぼビートが主体のシンプルな構造ですが、全体的に結構暗めな雰囲気。音は冷たくミニマル。ただしヒップホップ特有の跳ねる様な躍動感があって暗いながらも体が動いてしまう様な気持ちよさがありますね。前から思っていたのだけどヒップホップはビートだけ聴いても結構格好いい。ちょっとくぐもった様なバスがビートを刻んでいるだけなのにな〜、これは結構不思議。
ラップの上手い下手はよくわからないのですが、ちょっとしゃがれた様な声で矢継ぎ早に言葉を繰り出してきます。一見そんなに早くないかな?と思うんですけどよくよく聴いてみるとパートによってはよく舌を噛まないな!と感心。この人は結構きれいなラップをしていて言葉が本当にするするっとつながって聴こえる様な気持ちのよさがあります。
ビートがシンプルな分露骨にスキルが注目されるのがヒップホップミュージックですが、独特の音作りをする割には、そこに隠れる様なことがない清々しさがあって、例えばイケイケなカエル見たいな声でギャングスタっぽさをアピールしたり、自分の内側に切り込んでいく様なサイレントな独白の様なライミングをしたり、ピアノをバックに意外にフックのある歌い回しをこなしたりとなかなか器用。
アルバムのタイトルは不思議な語感ですが、矛盾した概念を一語や一文に集約する修辞の技法のことを言うらしいです。新しい音を使い、伝統的なヒップホップミュージックに敬意を払ったスタイル。そのの中にちょっとした陰を落とすような独特の暗いストイックさが格好よいアルバムだと思います。
ぼんやりなんとなく買ったけどこれは良い買い物をしました。オススメっす。
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