2018年10月8日月曜日

Accidente/Pulso

スペインはマドリード(マドリッド?)のパンクロックバンドの3rdアルバム。
2016年にPifia Recordsをはじめ世界のいろいろなレーベル(日本のVox Populiからも)からリリースされた。
Accidenteは2010年に結成されたバンドで、つい先日日本各所をツアーで回っていた。それキッカケで音源を購入してとても良かったのだけど、ライブには行けず。

女性ボーカルなメロディックなパンクバンド。全10曲で収録時間は24分弱。世代だからポップなパンクというとどうしてもメロコア(メロディック・ハードコアというよりはメロコア(私は今はもうあんまり聞かないけど別に下に見ているわけではないです。))が思い浮かんでしまうのだけど、削ぎ落としまくった高速ミュートでメロディを引っ張るあのジャンルとは明確に違って、もっと明確に歌が中心になる。勢いはそれらに比べると少ないわけだけど、代わりに曲が面白いし、何より独特の哀愁がある。哀愁がなんなのか考えても言葉にするのは難しい。(私は楽器ができないのでひょっとしたらマイナーコードのことか?と思ったりするが、そんなに単純なものでもない気がする。誰か教えてください。)可愛い女の子が可愛く歌って、うおー可愛い!というのではないのだ。もっとこう奥行きがある。曲が暗いわけではないくてむしろ陽気な方だと思うが、人生の紆余曲折がその陽気さの背後に見える感じ。イスラエルのNot on Tourほど突き抜けていない、どちらかというとデンマークのGorilla Angrebに似ているが、あそこまでわかりやすく外に放射する怒り(あちらは結構ハードコア)がない。
スペイン語で歌う早口がたまらない。男性メンバーのコーラスも良いのだけど、ボーカルが単独で歌うときたまに伸ばした声が透き通るみたいになってそこが私は非常に好きだ。顕著なのは5曲目「Bandada」。この曲は途中の短いし、どちらかというとシンプルなギターソロにもこのバンドのメロディックさがあふれていてとても良い。
飾らない、あくまでも自分たちの手の届く範囲の道具で組み立てた音はまさにDIY。程よく小粒でぎゅっと硬い生々しい音が渦を巻くように流れていく。劇速というわけでは無いけど、音の密度が濃いので体感はやく聞こえる。たまに入れてくる高速連続カッティングがギターの生音が生かされているので、メタリックなそれらと異なって聞こえる。やはり世代なのかthee michelle gun elephantを思い出してしまってか妙にエモーショナルな気持ちに。肩の力は抜けているのだけど真剣じゃ無い訳が無い。あえて尖らせないことでH表現できるものがあるな、と突き抜けている音楽ばかり聴いているからか思った。

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