2007年にBarbarian Recordsからリリースされた。
前々から気になっていたバンドだったのでCDが売っているタイミングで買ってみた。
バンドは1995年結成された。恐らくBongとGodzillaを組み合わせたバンド名で、Bongとは水キセルのことをさす。しばしばマリファナをすうのに用いられるようだ。というかこのジャケットを見れば分かるが要するにマリファナすいまくりバンドってことなんだ。同系とうだとElectric Wizardが思い浮かぶが、あちらはまだラブクラフトだったりメタル特有の悪趣味さにその悪癖をぼやかすたしなみを持っていたのに対し、Bongzillaというのはマリファナ大好き感を隠す事無くむしろひけらかしている。インナーからCDのプリントまで真緑一色で、メンバーがBongを加えている写真も印象的である。その下にはBongzillaはマリファナに感謝するぜ、と書いてある。酷い。
さてストーナーというとなんとなくQOTSTAを思い浮かべてしまう私は明らかにこのジャンルの初心者である。(QOTSTAのフロントマンであるジョシュは自分たちがストーナーと呼ばれる事を嫌うのは良く聞いた話。)でもなんとなくちょっと楽しい感じがするロックンロールかな?と思っていたのだが、これが全然違って驚いた。超絶スラッジなんだもの。FBにも自分たちはストーナーロック/メタルと書いているけど、これはたぶん、というか絶対ストーンしているという意味で使っているのであって、音楽的には凶悪なスラッジである。
Eyehategodをもっと煙たくした感じで、煙の向こうからとてつもない激音が迫ってくる様な感じ。フィードバックノイズが縦横無尽に駆け巡り、エフェクトのかかったボーカルは悪意の塊だ。劣悪な音質でサンプリングしたSEも挟み込まれ地獄感を増している。弦楽器陣は中音域から低音域に特化した激音で曲間の放心した様なアンビエントパートが印象に残る。
中々の強烈さなんだが、意外に聴きやすいことに気がつく。例えばGrief(Griefとはスプリット音源もあったようだ)なんかのようなじわじわこちららが殺される様なトーチャー感は無い。とてもフレンドリーとは言えないのだが、完成された音楽は気持ちのよいものだ。まず印象的なのはドラムの音。その抜けの良さ。例えばここをべっとりとした重いメタル調にしたらそれこそ救いが無いのだろうが、一撃が重い乾いた音の乱打は非常に小気味よい。バスとスネアは乾いているがタムがたぶん唯一湿った音なのでそれのロールが映えてくる。馬鹿テクではないにしても手数が多くてドラムだけ聴いていてもきっと気持ちよいと思う。(特に12曲めとかは疾走感あってすごいよい。)
もう一つはリフのグルーヴィさ。Eyehategodもそうだが、リフだけ分解すればカッコいいビンテージ感すら漂うロック調のもので、抉じるように後ろに伸びる(チョーキング?)リフだったり、ブリッジミュートを使わないリフだったり、跳ねる様なドラムのリズムと合わさるとどちらかというと体が自然に動くような気持ちの良さ。
なるほど本人たちがストーナーを自称するのもよくよく聴いていると頷けるのが面白い。ただ逆にいえば気持ちのよい音楽をよくもまあここまで苛烈なもに仕上げて来たな、とも思う。あえて露悪趣味に走る様ないたずら心が何となく垣間見えてくる。
というわけで激しくも楽しい音楽でフルアルバムも気になるところ。煙たい感じに圧倒されるが一度入門すると楽しい事請け合い。ちなみにしらふでも楽しめると思います。
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