2015年にDiskUnion配下のレーベルSecreta Tradesからリリースされた。
2014年に結成された3ピースのバンドでドラムはHellish Lifeなどで活躍する塚本さん、
ベースはポストハードコアバンドDetytusの亀井さん(偉そうに書いているが両方ともに聴いた事無いです。)、ギター/ボーカルはLongLegsLongArms Records(妖怪手長足長からとったのだと思う。お洒落。)というレーベルのオーナーの水谷さんというシーンでは名の知れた方々が結成したバンド。
不思議なバンド名Twolowは2+ロウ、つまり「二郎」。「ラーメン二郎」のことらしい。つくづく思うんだけどTwitterを見るとバンドマンとその周辺の人たちはラーメン好きな人が多くない?私も勿論ラーメン好きだけど、所謂二郎系のラーメンはたべたことない。ゆっくり食べているとすごい怒られるんだよね?私はとにかく食べるのが遅いので怖くてとても食べに行けない…話がそれたけどそんな中毒者が集って出来たのがこのバンドなんだな、タイトルを翻訳すると「グルタミン酸」でこれはいわゆる旨み調味料(にはいっている成分)のこと。二郎系ラーメンはこれをどばどばいれるそうだ。(調べたら二郎系ってすごい沢山あるんだな、全部がこうってわけじゃないんだろうけど。)
バンド名とタイトルにはそんな面白い由来があるんだけど音の方は待った無しの緊張感にあふれた殺気のある仕上がり。ジャケットのバンドロゴは実際に轍で出来たオブジェを撮影したものらしいが、結果的に良く中身を表現している。つまり無骨で重たく、シンプルで飾らない、まさにむき出しの荒々しい音楽。
ミドルテンポで歌が中心にある。かといって過剰にメロディアスな訳ではない。弦楽隊が出す音はほぼ低音に偏重しているので全体的に閉塞感のある暗めの雰囲気。ドラムは重々しくも回転していく様なリズムは破裂する様なタムのともあってシンプルなのに気持ちよい。ベースはガロンガロンした硬質な音でこれが転がるように良く動く。ギターはやや広がりのある重い音。リフはスラッシーっぽさもあるが、重々しくも間断なく弾いていくのはポストハードコア感もあり。曲間で荒廃した感のあるパートを挟んだりもして個人的に好印象。ただしあくまでもシンプルに。ボーカルは悪い雰囲気のあるやけっぱち感のある吐き捨てタイプ。
(冒頭のイントロはのぞいて)ノイズやバンド編成以外の音を入れる事、また曲をむやみに引き延ばす事(9分弱の曲が1曲あるが密度は濃い。)などの小細工は一切なし。三人で出す音を飾らずに表現している。どちらかというと内省的な雰囲気なのだが割と外に広がっていく様な間口の広さがあるので、閉塞感あって鬱々とした圧迫感はなし。もすこし前向きといったらアレだけど、進歩的な姿勢を感じる。ストイックさ。
ネットを見渡すと90年代のオルタナティブロック、グランジ、ノイズロック、モダンへヴィネスなどのジャンルが引き合いに出されている。バンド名になるとToday is the Day、TAD、Helmetなど(後半二つは音源持っていない、特にTADは初めて知った)。個人的にはなんとなくAlice in Chainsにもちょっとだけ似ているかな?と思った。面白いのは前述の様々な音楽的なバックグラウンドを感じさせつつも、それらを飲み込んで自分たちなりの新しさを追求しているところ。周りを見回してもなかなか現行のこれっぽいというのはない。ジャンル的にも何かでくくるのはちょっと難しい。(私の知識の問題もあると思うけど。)
ヘヴィロックというとニューメタルの日本なりの呼び方だったと思うけど、ちょっとそのさすところが変わるとなるほどこのバンドにはしっくり来る。90年代ドンピシャ!な方は絶対感じるところがあると思う。骨太なロックを聴きたい人は是非どうぞ。オススメ。
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